この道の果てまで・・・

ただ純粋に ただ一途に歩む時
突如として それまでとは まったく違う
次元の異なる大地が あなたの目の前に姿を現す。

心情へのアプローチ その3

2009-11-13 15:34:52 | Weblog




彼女は大粒の涙を零しながら

一気に書き上げてしまいました。




1年振りに帰った時の 

ほんの1・2時間の

場面しか無かったので 

その場面で書いたものです。




カギカッコ内以外は全部 

お父さんの胸の中で感じている

実際には言葉にはしていない 

お父さんの心の声“心情”と言います。




この心の声である お父さんの

本当の胸の奥の奥に有る気持ちを

解る事が どれだけ難しいことか・・・




でも彼女は頑張りました。

想像などでは無く 本当のお父さんの気持ちを

彼女自身のハートで感じ取りながら 

見事に書き上げてしまいました。




400字詰めの原稿用紙に書いて貰うのですが

書いた何枚もの原稿用紙は 泣きながら書いた為に

彼女の涙でグショグショになってしまいましたので

書き上げた後 清書をして貰いました。






「 心情文 」



久しぶりに お前が帰って来る。

どれくらい逢ってないんだろうか。

もう1年位には 成っているだろうなあ。

お前から来てくれない限り何も言ってはいけないから

顔を見なくなってから 随分と寂しいよ。




こんなに近くに居るんだから 

何度も お前に逢いに行こうと思ったけれど

お前の 怒った不愉快そうな顔が思い浮かんできて 

どうにも出来ずにいるよ。




今日は久しぶりに 

お前に逢えて嬉しいけれど少し怖い気もするよ。

こんなに逢いたいけれど お前は まだ私を

受け付けないんじゃないかななんて、

それは当然なんだけどな・・・。

いや 元気でいてくれさえしたら それで良いんだ。

顔が見れたならそれで良いんだ。それで充分なんだ。




「こんにちは」

お前のぎこちない声がする。

こんにちは か・・・。

ただいま とは 帰って来てはもらえないんだな・・・




お前の家なのにな・・・

まだ私を この家を許してはもらってないんだな

随分 ゆううつそうだ

なんて声をかけたらいいんだろう

どうしたら笑ってくれるんだろう。




「お~元気か? 随分スマートに成っちゃったな」

色んな言葉が浮かぶけれど 

お前の気に触らないような言葉しか言えやしない

随分やつれちゃったな。背が高く成った様な気がする

仕事はきついんじゃないのか?

そう言えば母さんが そんな事を言ってたよ

きちんと休んでいるんだろうか
 
ちゃんと睡眠はとっているんだろうか

食べる物も ろくに採らずに働いているんじゃないだろうか

驚くほど痩せちまったな。身体は大丈夫なのかい。




「うん 元気」

そうか元気か。それなら良いんだ

お前は 余り口を利きたく無そうだけど

顔が見れたんだ。元気でやっているならそれで良いんだ。

余計なことを聞いて お前が怒って

口を利いてくれなくなったりしないようにするよ。

せっかく久しぶりに逢えたんだから 

少しでも長く今日は居て欲しいんだ。




「今日は ゆっくりして行けるのか?」

久しぶりに家族全員が揃ったんだ。

今日は家族全員で夕食が食えるんだ。

何年ぶりだろう。あいつの好きなものが

冷蔵庫には沢山入っているし 久しぶりに 

うまい物を一杯食わしてやろう。




あんなに痩せちゃって
 
きっとろくに食ってないんだろう。

今日はたっぷり食わしてやろう。

滅多にないんだ。




「忙しいから 時機に帰る」

嘘だろう。こんなに待ってたんだ。

沢山用意してお前の為に待ってたんだよ。

せめて今日くらい 俺も仕事が休みなんだし

居て欲しいんだ。でも帰っちゃうのか。

帰りたいんだな。




お前を引き止めたい。

でも そんな事は俺には出来ないな。

やっぱり。




無理矢理 お前を引き止めたら 

お前は ゆううつな顔をして 

うるさいって帰っちゃうんだろう。

どうやったら離れて行かなくなるか 

どうしたらいいのか解からないよ。




だから お前の好きなようにするのを

見ているしか出来ないんだな・・・

お前が これ以上 俺から離れて

行かないようにするのが精一杯だ。




どうしたら良いのか 

正直言ってわからないよ。

何を言っても お前は

反応してくれないし 

叱ったりしようものなら 

怒って もう逢いには

来てくれなくなって

しまうんじゃないかと思うと 

知らない内に嫌われまいとして

恐る恐る ビクついて 

お前と接してしまう。

やはり どうしようもないんだな。




父さんは お前の事を
 
ただ心配しながら何も出来ずに

どうしたら良いのか解からず

苦しむことしか出来ないよ。

この先も きっと そうなんだろう。

お前達の心が少しでも開いてくれるまで
 
こうして ただ こうして

お前達を 見ていくことしかないんだろう。

それが 父さんが お前達を苦しめた

当然の報いなんだろう。




俺は自分のした事で

苦しんでいるんだから それでいい。

でも お前達の幸せを 願っているんだ。




俺を憎んで お前が幸せに

成るのならいいが 

その事で お前までもが

不幸になっては欲しくないよ。

俺を許してくれって言ってるんじゃない。

許してくれなくたっていいんだ。




ただ その事を お前が引きずって

不幸になっているんだとしたら考えて欲しい。

俺の事で これ以上 不幸になってくれるな。

もっと自分自身を大切にして生きていって欲しい。

いつまでも 俺にとらわれて
 
俺にがんじがらめにされて 

苦しんで 突っ張って 無理して

欲しくないんだ。




もっと大らかに 無理せずに

生きて行って欲しいんだ。

幸せになっておくれ それだけだ・・・。










まるで父親が書いたようです。

これこそが心情です。




そして これを書き上げた後に 

今 お父さんが目の前に居ると思って

今度は あなたが お父さんに
 
直接 語りかけたい気持ちを

書いて下さいといって

書いた文章が これです

   ↓




久しぶりです。

何の連絡もしないままで ごめんなさい。

今 何か ふっきれたような気がしています。

少しかもしれないけれど。




今迄 私は自分の引き起こした事、

自分の人生に少しでも障害が出てくると

お父さんの所為にして来ました。

私が こうなのは あの時 お父さんが

あんな家庭だったからって

お父さんばかりでは無く お母さんも 妹にも 

弟にも いいえ それどころか

いつも誰か他人の所為にしてきたんです。




自分のここは直らない。

変えられないと固く蓋をして
 
誰にも触れさせず 何かあると
 
その箇所の所為にしていたんです。

それなのに 少しも 

今まで気づかなかった。




どこかでは 知っていたけど 許してきた。

だって私は こんなに酷い家庭に育って、

人よりも可哀いそうでと 許してきてしまった。




ごめんなさい。

全ては 私から

発生していたことなのです。

なじらなければ いけないのは

私自身なのです。




今まで 黙って

耐えてくれていて 

本当に済みませんでした・・・。

淋しかったでしょうね。




血の繋がりの有る
 
娘から浴びせられた言葉の数々は

痛かったでしょうね。

どんなにか 辛かったでしょうねえ。




自分のことが 見れなかった私・・・・。

今まで一度も お父さんの気持ちを

考えた事が無かった。

本当に ごめんなさい。







彼女は

父への憎しみだけを支えに 

独りで生きていける

強い人間に成ることを目指して
 
歩んできてしまったそうです。




そんな想いを超えて
 
この暖かな気持ちに辿り着くことは 

どんなに苦しかったことでしょう。




そして彼女は 

自分が一番苦しかったんだという 

自分の苦しみを どかせた時に初めて

自分以上に 苦しんでいた父の気持ちや

その苦しみの中においても なお彼女を想う

父の暖かな思いが鮮やかに広がってきたと

話してくれました。




最後に 彼女は

「生きる上での 暗い壁が外れて まるで

暖かな陽射しが 差し込んできた みたいです」

と言って 微笑んでいました。

















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