浄心庵・長尾弘先生「明来闇去」

 ~ 誰れもが幸せになれる御教え ~

明来闇去

2021-01-13 01:35:33 | 明来闇去

恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より

            第五章 心の曇りをとるための反省

            親子の確執が消えた反省の功徳


先の続き・・・

この苦しみから逃れるには、前に述べたように常に自分を離れ、
まず相手の立場に立って見ることです。
それから善意なる第三者の立場、
さらには私たちを守り生かしてくださる神様の立場に立って、
自己と相手とを観察していくことです。

自分を反省して相手の立場に立って見直してみると、
とんでもない迷惑を相手に対してかけていた自分が
自覚されてくることがあります。
自分よりも相手はどうだったかと思う癖を常につける訓練をした時に、
ものの見方は変わってきます。
そのような話しをさせていただきました。
その翌日のことです。

夕方雨が降ってきて、洗濯物が干しっ放しでした。
娘さんは宗教の教会に出かけていて、いませんでした。
お母さんは、ああこれを取り込んでおかないと
また娘に叱られると思い、
取り入れていました。

すると、ふと娘さんの幼少の頃のことが思い出されてきました。
お子さんは三人おられ、上の二人の娘さんはすでに他家へ嫁ぎ、
下の娘だけが養子をとって現在跡継ぎとして同居していたのでした。
この方が幼い時はちょうどお姑さんが病気で具合がわるくて
看病に明け暮れていました。
それで、この末の娘さんは女中さんにまかせっきりに
なっていたということです。

「ああ、あの子を抱いて育てることがなかったなあ」と
いう思いがしみじみと
お母さんの心の中から湧き出てきたというのです。
上に子二人は我が腕に抱いて育てた。
しかし、あの子は抱くこともできなかった。

それでも、自分は姑さんの看病精一杯尽くしたんだから、
これでいいのだと思っていたそうですけれど、
あの子の立場に立ってみれば、
どんな思いをしたことだろう。
母親に抱かれることもなく、さぞ寂しく辛かったであろう、
と気付きが訪れてきたそうです。

しまった!かわいそう、でかわいそうで、
涙があふれ出して止まらなかったそうです。
すると、そこへ娘さんが帰って見えたので、
お母さんは仲のわるい娘さんの前に手をついて詫びられたのです。


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