グミの実のお味

私はグミの実を食べたことはありません。こちらは双極性障害の主婦、グミの実のブログです。

ちょっと休憩

2012-07-23 17:54:02 | Weblog
前回の診察で、セロクエルを減らすことをすすめられた。
理由は、私は少し鬱っぽいと思っていたのだけど、眠気も夕方から気分がいいのも、
料理中ミスをするものセロクエルの量が多すぎるからだとトリ先生の見解だった。

様子を見ながら調整しますと多いままの量を処方してもらって帰ると、やはり夫から減薬の反対が。
寝てる分には何も困らない、生活に慣れていないのだから休んでいればいいじゃないかと。
でも、寝ていて困らないのは、躁転はしないことであって、実際は家事に支障があるのだ。
夫は、洗濯も食器洗いもしてくれないし、掃除なんてまずやらない、最近はごみも出してくれない。
しかも、まだ開けていない引っ越しの荷物や掃除について、「やれ」とは言わないがことあるごとに口出ししてくる。
ということで、私にはやることがいっぱいあって、その日起きてからの仕事量ではこなし切れていなかった。

週末になって、やはりこのままではいけないと思い、土日だけセロクエルを減らす宣言をした。
もし、あぶないと気づくようなことがあれば、もとの量に戻しますとの条件つきだが。
朝は、けろりと起きることが出来た。
朝が早いと、用事のお出かけも早く終わるし、本当に余裕があるので機嫌もよろしい。
しかし、身体が慣れていなかったのか、夕方急に眠くなり3時間近く寝てしまった。
日頃、昼寝をしないので、ちょっとショック。
夫には、急に張りきるからだもっと休め休めと言われ、ムッとした。

そんなこんなで、本日、金土日とセロクエルを少なくして迎えた月曜の平日初め。
朝食作るね!なんて、前日話していたのに起きなかった。
正確に言うと、6時半ごろ目が覚めて、のどが渇いていたので麦茶を飲みながら、
「やっぱり朝食めんどう、シリアルで済ませちゃお」と先に食べてしまった。
確信犯で、朝食作りを放棄して、再び寝た。

夫が起きてもベッドから出ないで返事だけ。
平日に朝から起きていること、それが嫌になって、ゴロゴロ昼まで時間を潰した。
起きてみると、いったい自分は何をやっているんだかと幻滅しながら洗濯を始めた。

いつもなら、他にするのは1つか2つ。
でも今日は、特別に窓掃除をしてみることにした。
私にとって、窓掃除は気合の入った家事だ。うんと気合がないと出来ない。
始めてみると、とにかく汚れていたので夢中で磨く。
小さく「よいしょっ、よいしょー」と自らを鼓舞。
もう、たまらなく気分がよくなって、清々しさにもっと大変なことに手をつけた。
引っ越しの段ボールに入ったままの物や処分品の整理だ。
勢いがあるので、判断も勢いよく、手早く終えた。
手早く終わったのは、残っているのを「今度やろう」と後回しにする決断ができたから。
この辺りがぐずぐず悩みがちで一番のタイムロスになるので、強気の勢いは効率的処分にもってこい。

ああ、でも疲れた。
その時いくら気分が良くても、後で体力的に消耗しているものだ。
ちょっと休憩・・・、と色々な方法で休んでみたが、どうも今日はもう無理らしい。
まあ、こういう感じが安全なのだと、ゆるく行こう。
しかし、窓や整理された部屋を見るたびに気分がいい。
こういうのがないっていうのは、やはり、どこかで生活の支障になると思うのだけど。
掃除なんてしなくていいというのなら、私にとって掃除が心のオアシスになるということも知っておいて欲しい。

あと、寝室の窓をいつもの反対側を開けると、すごく風通しがいいことを発見した。
些細な発見の喜び、これも心のオアシスなんだろうな。
夕食を作るのが、どんどん面倒になってきたので、とりあえずお風呂に入ってみようかと気まぐれに立とうと思う。
やれやれ、長い休憩だった。

盆踊りにて

2012-07-18 16:32:40 | Weblog
午後の7時を過ぎたころのことだ。
自転車に乗っての帰路、和太鼓の音が聞こえてきた。
夕食は済ませていたので、少し覗いてみようと自転車をとめた。

公園なのか広場なのか、夜店の並ぶ中、中央に太鼓と盆踊りの輪があった。
踊っている人たちを見ていたら、珍しく男性もいた。
その男性は、少しぎこちない動きで、でも晴れ晴れしく踊っていた。
この人は、何らかの障害がある、とはっきり分かる。
私はすっかりみとれてしまった、時間にして10分ほどだったろうか。

かの男性は、おそらく小児マヒなのではないか。
男性の傍らには、重度のマヒと思われる子供がとても喜んでバタバタしていた。
そして、その車いすを押すのは女性。
よく見ると、そばに小学生くらいの女の子がいた。

この4人は、どういう集まりなのだろうと思った。
彼らの関係性を、私には結びつかせることができなかった。
でも、あの男性がただ単に楽しくて踊っているのではないことには気づいた。
あのエネルギーは、この切ないような気持ちは、なぜなのだろう。
ここで、屋台をまわってきた夫と合流した。


「あ、あの人、うちの会社で働いている人だよ。この辺に住んでたんだー。」
「本当?障害があるの?」
「うん、初めて会う人はびっくりするみたいだけど。」
「もしかして、家族で来てるのかな。」
「ああ、そうかもしれないねぇ。」

胸がいっぱいになった。苦しくもあった。
家族なんて、ちっとも思いつかなかった。
あの人は、子供たちのお父さんだったのだろう。
あの女性は奥さんで、健常の娘とと同じ障害のある息子。
その家族が、お祭りに来て盆踊りに加わっていたのだ、きっと。

無邪気に楽しむ息子と、晴れ晴れと力いっぱい楽しむお父さん。
奥さんは、息子が車いすから落ちないかと冷や冷やしながらも笑っていたように見えた。
娘さんは、傍に佇むように寄り添うように。でも嫌な顔はしていないように見えた。
こんな素敵な家族がいた。
想像もしなかった世界。というと大げさかもしれないが、感動した。
ああ、あんなにも力強くて暖かい、きっとたくさんのことを乗り越えただろう家族。

逆差別という言葉があるが、私もそういうものを持っている。
でもそれとはまた別に、一人の人とすれ違うのとその家族ごとすれ違うのは大きく違うようだ。
弱者として見守ろうと思っていた人こそ、とても強い気持ちを与えてくれる。
打たれたように、現状に甘んじていた自分に気づかされた。
何もかもが間違っているわけじゃないけど、見直した方がいいことがありそうだ。

翌日、夕方になってから、ランニングシューズを履いた。
走ってみようと思ったから。
運動なんて久しぶりで、すぐバテるんじゃないかと不安だったけど。
走ると、ゆっくりなのに風を切る。気持ちいい。
時間にして、15分ほどだったけど、少し穏やかな心持になっていた。

気温の高い日が続くようだけど、また走りたいと思う。
あの日、偶然あの家族に会えたことをよく覚えていたいから。


引っ越し、その後

2012-07-04 16:39:50 | Weblog
引っ越し完了。

引っ越しの当日、時間になっても業者が来ないので電話すると、
なんと業者が引っ越し日を間違えていて、今から手配するのだという。
担当者が日時の変更を伝え漏らしたのだ。なんだと、ばっきゃろー!

幸い、3tトラックに空きがあったので「すぐに調整します」とのこと。
10分経っても、1時間経っても、「すぐ」の連絡が来ない。
今日引っ越せなかったらどうしようと不安になりながら、2時間後ようやく連絡が来た。
もう、文句の一つでも言ってやろうと夫と電話を換わり、この不手際に見合う対処を期待する旨を伝えた。
正直、詫びの言葉が帰ってくるのを期待したのだけど、現地クルー(引っ越し作業スタッフ)がお話ししますの一点張り。
なんだか気が済まないし、私は裏切られたような気分で、礼に欠けるちょっと意地悪な対応で電話を切った。

でも、現地クルーたちが到着すると、その迅速かつ丁寧な仕事っぷりにちょっと感激。
ひょひょいと、重い本が入った段ボールを2つ持って、あっという間に運んでいく。
無駄な動きはないようで、その腕からは汗の粒がこぼれ、見る度に大きくなっていった。
部屋の中で、私たち夫婦はただただ圧倒され見とれ、邪魔にならないようにだけした。
大きな本棚は、買ったときはベランダから釣り上げだったのに、「大丈夫です!」と階段から運べるという。
無理と言われた階段を、少しずつ少しずつ角度や高さを調節しながら降ろして行った。

おお、これぞプロフェッショナル!!見事な微調整とチームワークだ。

荷物が積み終わり、今度は現地(マンション)に移動。
猫は、あらかじめマンションの浴室に避難させておいたのだが、時間が押したのもあり不満の鳴き声。
浴室内は、特に乱れた様子もなかったので、しばし撫でてからまた扉を閉めた。
そんなこともつかの間、もうクルーが到着した。

養生を手早く終え、荷物の搬入。
あらかじめ、見取り図と荷物の置き場、そして猫がいるので浴室は開けないように伝えておいた。
荷物の置き場は指定していたが、思っていたより場所を取る。
よし、すぐ使うものは出して、空いた段ボールは回収してもらおう。
そう思い立ち、なるべく邪魔にならないようにしながら、タッタカ片付け段ボールを空けた。
夫が、クルーの人がやりにくそうだから、帰ってからにしなよと意見するも、じゃあ出入りのないタイミングにするからと
なるべく箱が残らないように、ビリビリ段ボールの解包、ポイポイ収納、汚れても構わないものはベランダにトントン出した。

作業が完了して、リーダーが「(例の不手際の代償に)1万円引きしまして、○○円になります」と。
最後まで謝らないのかぁ、些細なことで値切られて嫌な客だと思っているのか。
目も合わさず、ただの清算というやりとりで終わる。
作業中の感動した気持が、しらけて曇っていった。
丁寧だったし、不愉快な言動もなく、やっぱりプロは頼りになると感心していたのだが。
私って私って、そんなに酷いこと言ったのかしら。そこまで嫌に思われて??
気持よく終われないと後を引く、このもやもや感…。
だめだ、気持を切り替えよう!

猫は、浴室の風呂の蓋の下で、数枚のバスタオルのさらに下、布製の猫小屋の下という場所に居た。
あまりの恐ろしさに潜れるだけ潜り込んだと思われる。
部屋に出してやると、何度か連れてきて馴らしたにもかかわらず、初めてきた日のように身を低くし、
しっぽは太く、「なーおぉぉぉ、んなぁ~おおぉぉぉ~う!!」と大きく鳴き続けた。
獣医のアドバイス通り、放っておいて(そっとしておく意)、しばらく片付けるとどっと疲れがでた。

これから、引っ越しの挨拶なんて、疲れてしまってとても無理だ。
それに、引っ越しが遅れたせいで、まだお昼も食べてないや。時計を見ると、いつの間にやら午後の4時。

夫は、「引っ越しそば!引っ越しそば食べよ!」と興奮していたが、お蕎麦屋さん準備中だろうし…。
そう私が渋っていると、それなら買ってこよう、コンビニでも行こうよと夫に連れて行かれた。
ああ、そんなに元気なら、買ってくるよう頼めばよかった。休みたい。

結局、夫はそばを買ったが、私はご飯ものを選んだ。
でも、とても満足げにそばを食べる夫を見るのは、嫌ではなかった。
視線に気づき、「やっぱり、そばが食べたかったの?」と聞く夫。
これには、ちょっと癒されたかもしれない。

なかなか慣れませんが、新生活に馴染めるようにコツコツと日々過ごしております。