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『ディア・エヴァン・ハンセン』

2021年12月04日 | 映画(た行)
『ディア・エヴァン・ハンセン』(原題:Dear Evan Hansen)
監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ベン・プラット,ケイトリン・デヴァー,ジュリアン・ムーア,エイミー・アダムス,
   アマンドラ・ステンバーグ,ニック・ドダーニ,コルトン・ライアン,ダニー・ピノ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
楽曲を手がけるのは『ラ・ラ・ランド』(2016)や『グレイテスト・ショーマン』(2017)の音楽チーム。
ブロードウェイ版でも主人公を演じたベン・プラットが映画版でも主役を務めています。
 
主役っちゅうけど華はないなぁ、でも地味な子の役なんやし、適役か。
などとベン・プラットに気を取られていましたが、
エイミー・アダムスを見た瞬間にベンのことなんて頭から吹っ飛ぶ。
なんか、エイミーがめっちゃ太ってる。
顔だけならちょっと肉ついたかなという程度だけど、肩から下が凄い。
この人、もっと華奢でしたよね。ドスコイのド迫力。(^o^;
 
高校生のエヴァン・ハンセンは、母親と二人暮らし。
父親はエヴァンがまだ幼い頃に家を出て行ったまま。
 
社交不安障害を抱えるエヴァンは抗うつ剤を手放せず、
学校で話す相手は親族のジャレッドだけ。ほかに友だちはいない。
片想いの相手ゾーイに話しかける勇気すらない。
 
ある日、セラピストからの課題として与えられた「自分宛の手紙」を書いたエヴァン。
学校で印刷して持ち帰るはずが、ゾーイの兄コナーに奪われてしまう。
 
コナーは学校で知らない者がいないほどの不良。
奪われた手紙がコナーによってどこかにUPされるのではないかと気が気でなかったが、
数日後、校長から呼び出されたエヴァンは、コナーが自殺したことを知らされる。
 
コナーのポケットにはあの手紙が入っていたという。
エヴァンが書いた手紙だということは誰も知らないから、
コナーの両親は息子自身がエヴァンに宛てて書いた手紙だと思い込む。
エヴァンこそがコナーの親友だと勘違いされて……。
 
エヴァンの母親役にはジュリアン・ムーア
コナーの父親役にダニー・ピノ、そして母親役にエイミー・アダムス。
ゾーイ役にはケイトリン・デヴァー。彼女がとてもイイ。
 
エヴァンには友だちがいない。コナーにも友だちがいなかった。
でもふとした勘違いからふたりが親友だったことになって、そのほうがみんな癒やされる。
嘘をつきとおすほうが誰も傷つかないと思われたけれど、それでは教育的によろしくないわけで。
そして、こういう嘘はつきとおすことが無理なんですね。
どこかでほころびが生じて、その結果、どんどん悪い方向に進んで行く。
 
ひとつ解せなかったのは、嘘をついているのじゃないかと疑われたエヴァンが、
取り繕うことに必死になるあまり、あの手紙を公開してしまった後。
そこからコナーの両親が突然世間で非難されるようになったこと。
しかも、手紙を公開したことではなくて、「金持ちのくせに金を集めるつもりか」という非難でした。
何か私が見落としたのかと思いましたが、もう一度観て確認するほどじゃないしなぁ。
 
金持ちには金持ちの悩みがあり、貧乏人には貧乏人の悩みがある。
また、アマンドラ・ステンバーグ演じる学校のリーダー格の女子アラナについては、
正義感を振りかざす苦手なタイプなのかしらと思っていたら、
彼女も抗うつ剤を常用しているというくだりに驚きました。
 
20年近く前に『私は「うつ依存症」の女』(2001)の原題を知って、
アメリカってそんなに抗うつ剤の使用者が多いのかとビビりましたが、
日本だって「匿名でいるのが上手な人」が多いだけで、同じ思いを抱えている人もいっぱいなのかも。

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