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『マティアス&マキシム』

2020年10月22日 | 映画(ま行)
『マティアス&マキシム』(原題:Matthias & Maxime)
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス,グザヴィエ・ドラン,ピア=リュック・ファンク,
   サミュエル・ゴチエ,アントワーヌ・ピロン,アディブ・アルクハリデイ他
 
MOVIX京都にて3本ハシゴの3本目。
 
グザヴィエ・ドランは類い稀な才能を持つ監督であり脚本家であり俳優。
11年前、まだ19歳のときに撮った初監督作が高い評価を受け、
20代半ばでカンヌ国際映画祭の審査員を務めました。
 
ルックスもカワイイ。前歯がリスみたいでキュートです。
俳優としても一流ですが、監督作では監督に徹して出演しないこともある。
本作は監督も主演も彼が務めています。
 
マティアスとマキシムは30歳、幼なじみ。
ある日、仲間たちと同じく幼なじみのリヴェットの別荘に集合したところ、
リヴェットの妹が撮る短編映画への協力を求められる。
挙手したマキシムと賭けに負けたマティアスが出演することになるが、
そこにはふたりのキスシーンが含まれていた。
 
お遊びにつきあっただけだと思っていたが、
そのキス以来、マティアスの心にさざ波が沸き起こり、
マキシムと会っても普通に話すことができず……。
 
早くからカミングアウトしているドラン監督は、
一貫してゲイを主人公に作品を撮り続けています。
かつ、そこには母親との確執を描いていることが多い。
本作もマキシムには薬物中毒酒飲みでヘヴィスモーカーの母親がいます。
 
マキシムのほうはずっと前からマティアスを好きだったことがわかる。
一方のマティアスはそんな想いが自分の中にあるとは想像だにしていなかったと思われます。
自分に戸惑い、どうしていいのかわからなくなっている。
そんな彼が、マキシムのふとした仕草を窓越しに見て、ふっと笑うシーンが好きでした。
あ、やっぱり俺はあいつのことが好きだと自覚したかどうか。
 
『君の名前で僕を呼んで』(2017)に触発されて撮った作品とのこと。
私はやっぱりドラン監督の作品が好きだなと思ったけれど、
この人のわかりやすい作品は批評家に受けないのが定め(笑)。
酷評された『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』ほどではないにしろ、
本作も平々凡々な作品とみなされているようです。
批評家の意見は置いておいて、好きな作品を撮り続けてほしい。
 
どうでもいいことですが、
ツンツン頭の若者に対する「ベジータはそこにいる必要があるのか」という台詞がちょっとツボ。
まさかドラン監督も“ドラゴンボール ”をご存じとは。(^O^)

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