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『酔うと化け物になる父がつらい』

2020年04月08日 | 映画(や行)
『酔うと化け物になる父がつらい』
監督:杉山泰一
出演:松本穂香,渋川清彦,今泉佑唯,恒松祐里,濱正悟,安藤玉恵,宇野祥平,
   森下能幸,星田英利,オダギリジョー,浜野謙太,ともさかりえ他
 
この日は第七藝術劇場で1本、テアトル梅田で2本、
シネ・リーブル梅田で2本という5本ハシゴ。その〆が本作でした。
 
原作は菊池真理子のコミックエッセイ。
主演の松本穂香が撮影中ずっと辛かったと話しているのを聞いたせいもあり、
ある意味、前述の『レ・ミゼラブル』よりもきつかった。
 
田所サキ(松本穂香)は、両親と妹の4人暮らし。
父親のトシフミ(渋川清彦)はアルコール依存症
母親のサエコ(ともさかりえ)は新興宗教にハマり、
まともといえるのは妹のフミ(今泉佑唯)だけ。
 
母親は、ほぼ毎晩泥酔して帰宅する父親と離婚しないでいるどころか、
嫌な顔もせずに彼の麻雀仲間を自宅に招いて酒を出す。
そんな日が続いていたが、ある年の父親の誕生日、母親が首を吊る。
 
それでも酒を飲むのをやめない父親のことを漫画に描き始めたサキ。
あるとき何の気なしに投稿したところ入賞し……。
 
こんな父親放っておいて家を出たらいいでしょうと思う。
でも、途中の会話にあるように、檻の中に閉じ込められたネズミと同じで、
いつか抵抗することを放棄してしまう。
映画化に当たっての原作者へのインタビューを読んだら、
父親がアル中だということに気づいたのはわりと最近とのこと。
そんなもんなのかもしれません。
 
不思議なのは、こんなアル中が普通に会社勤めできていたのかということ。
どこぞの会社の人事係、そこそこのポジションだったようですが、無理でしょ。
毎日酔って帰ってゲロ吐いて、お風呂にも入らずにそのまま寝るんですよ。
臭くてしゃあないっちゅうの。
 
麻雀仲間も皆ヒドイ。安藤玉恵演じるスナックのママも笑えない。
娘たちの気持ちも考えずに、父親の気持ちをわかってあげなよとか。
 
酒を飲めないのはサラリーマンにとって致命的とか、
そんな世の中に苦言を呈しつつも、酒飲み擁護にも聞こえてしまいます。
 
かくいう私も酒好きだから、すべては否定しないけど、こんなに飲んじゃ駄目だ。
綺麗な飲み方をしたい。

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