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『外事警察 その男に騙されるな』

2012年06月11日 | 映画(か行)
『外事警察 その男に騙されるな』
監督:堀切園健太郎
出演:渡部篤郎,キム・ガンウ,真木よう子,尾野真千子,田中泯,
   北見敏之,渋川清彦,山本浩司,遠藤憲一,余貴美子,石橋凌他

仕事帰りに近所のシネコンにて。
レディースデーでもない平日のこの時間帯は、客がまばらなことがほとんど。
あと1回ずらせばレイトショー割引があるのですけれど、
週末以外は早寝早起きの私にとっては、終映が23時をまわるのはツラく。
わりと評判作らしいのに、客は私を含めて2人でした。(^o^;

麻生幾原作の小説をNHKによってTVドラマ化
主要キャストはそのままで映画化したものが本作。TVのほうは未見です。
「その男に騙されるな」って、この副題は何よと思っていましたが、
TVをご覧になっていた方は見越していらっしゃったのかもしれませんね。
最後の最後で「おぉぉぉ、なるほど~」と副題に納得しました。

2011年、東北地方で大震災の混乱が続くなか、
ある大学の施設から原子力関連の極秘データが盗まれる。
同時期に朝鮮半島(=北朝鮮)からは濃縮ウランが流出したとの情報が。
もしもこのデータ盗難とウラン流出に関連があるならば、
恐ろしい核テロを企てる者の犯行にちがいない。

公安警察外事課(国際テロの捜査をする部門)は、
奥田正秀という男がテロリストグループと繋がっているのではと考える。
正秀は5年前に韓国から来日、果織というシングルマザーと結婚。
すぐに奥田交易なる会社を立ち上げ、日本国籍も取得している。

外事第四課の住本健司は、まずは韓国で徐昌義という老いた男を確保。
在日二世の昌義は、数十年前、妻子とともに日本で暮らしていたが、
研究機関で核に関する最高水準の教育を受けたあと、
突如妻子を残したまま朝鮮半島へと渡り、核開発に携わった。
その後、韓国へ亡命して隠れるように生きてきた昌義ならば、
この一連の事件について何か想像がつくはず。

生き別れた娘との再会をダシにして昌義を連れ帰った住本は、次は果織に近づく。
彼女の弱みにつけ込んで、正秀の周辺を探ることを余儀なくさせるのだが……。

『ハゲタカ』(2009)風だと思っていたら、制作メンバーがかぶっているのですね。
急に空いた時間に観に行った1本で、好評価ゆえに選びましたが、
劇場で観る醍醐味というほどのものはなくて、DVDでも良かったかなぁなんて。

とは言え、十分におもしろいです。
主人公の渡部篤郎はもちろんのこと、初めて知ったキム・ガンウ、カッコイイ。
脇を固める渋い面々も非常に魅力的。
石橋凌に遠藤憲一、その遠藤憲一とは『イヌゴエ』(2005)で共演(と言っていいのか?)の山本浩司などなど。
石橋凌がロッカーだったことを知る人もそろそろ少なくなりましょうが、
彼の顔を見ると必ずARBの“ワイルド・ローティーン・ガール”を歌ってしまう私です。

バレエの先生をしている知人が、
「男の子が生まれたら、バレエダンサーにするべき」と強く言っていました。
女性ダンサーがいるかぎり、その相手役を務める男性ダンサーは必要なのに、
男性ダンサーの人口は非常に少ない。だから重宝されて寿命が長いのだそうで。
昌義役の田中泯を見てそんなことを思い出しました。
いや、ダンサーでなくても素晴らしい役者さんです。

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