夜な夜なシネマ

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『とらわれて夏』

2014年05月10日 | 映画(た行)
『とらわれて夏』(原題:Labor Day)
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:ケイト・ウィンスレット,ジョシュ・ブローリン,ガトリン・グリフィス,
   トビー・マグワイア,トム・リピンスキー,クラーク・グレッグ他

3本ハシゴを逆から順に、2本目に観たのがこちら。
同じく大阪ステーションシティシネマにて。

『サンキュー・スモーキング』(2006)、そして『JUNO/ジュノ』(2007)、
『マイレージ、マイライフ』(2009)に『ヤング≒アダルト』(2011)と、
撮るたびにちがうタッチで楽しませてくれるジェイソン・ライトマン監督。
『ゴーストバスターズ』(1984)のアイヴァン・ライトマン監督の息子さんですが、
最近はプロデュースに回ってばかりのお父さんを抜き去ったのでは。

アメリカ東部の小さな町に暮らすアデルと、一人息子で13歳のヘンリー。
アデルは夫ジェラルドと離婚してからというもの、いつも悲しげ。
その元夫が別の女性と再婚し、ヘンリーがいくら母親を元気づけようとも実らない。

レイバー・デイ(=原題で「労働者の日」)を週末にひかえた9月初旬。
心ここにあらずのアデルの運転で、ヘンリーはスーパーマーケットへ出かける。
店内をぶらついていたところ、ヘンリーは負傷した中年男性から声をかけられる。
見るからに怪しいその男フランクは、一緒に家へ連れて行ってくれと言う。
アデルが断ると脅しの姿勢を見せられ、仕方なくフランクを車に乗せて連れ帰る。

付近をパトカーが走り回り、テレビをつけると脱獄犯のニュースが。
まさに目の前にいるフランクがその脱獄犯だと知り、アデルとヘンリーは怯える。
フランクはしばらく匿ってほしいとアデルに頼み、決して危害は加えないことも約束。
本能的にその言葉を信じたアデルは承諾する。

匿ってくれるなら何でもすると言ったフランクは、約束を違えることなく家事を手伝う。
男手がなくて苦労していた家や車の修理、庭の手入れなどはもちろんのこと、
料理の腕前も相当なもので、何でもこなす。
ヘンリーにもおおらかに優しく接し、まるで父親のような存在に。
そんなフランクにアデルは次第に惹かれていくのだが……。

夫と父親の存在を無意識のうちに求めていた母子家庭に、
家族愛を求めていた脱獄犯が突然現れる。
損得勘定なく3人で過ごす幸せな姿に胸を打たれます。

思春期を迎えたヘンリーには気になる女の子がいて、彼女と会いたい。
また、実父が冷たい人だというわけでもなく、実父に心配をかけたくない。
微妙な気持ちが3人の穏やかな生活を危険にさらしてしまうことになりますが、
そこに人を陥れようという感情などないから余計につらい。

すべてが上手く行きますように。
そう願わずにいられず、そうしてその願いの上を行くラストです。

ピーチパイに想いを込めて。

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