夜な夜なシネマ

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『プリズナーズ』

2014年05月08日 | 映画(は行)
『プリズナーズ』(原題:Prisoners)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ヒュー・ジャックマン,ジェイク・ギレンホール,ヴィオラ・デイヴィス,マリア・ベロ,
   テレンス・ハワード,メリッサ・レオ,ポール・ダノ,ディラン・ミネット他

暦通りの毎日で、お得感の薄い今年のGW。
そうは言うものの、「明日も休み♪」と思えば飲酒頻度が高くなり、
友人夫婦としこたま飲んだ翌日、這うように起きあがりました。
この日は梅田へ出て映画を3本ハシゴ。
ハシゴしたときはたいていは観た順にUPしていますが、今日は逆から行ってみます。
本作は大阪ステーションシティシネマにて観た3本目。

前作の『灼熱の魂』(2010)が衝撃的だったカナダ人のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。
一転してずらりハリウッド人気俳優が並ぶ本作もやっぱり凄かったのでした。
153分、気の緩むところなし、ただならぬ力量を感じます。

ペンシルヴェニア州の田舎町で工務店を営むケラーは、
感謝祭の日、妻グレイス、高校生の息子ラルフ、6歳の娘アナとともに、
近所に住む友人フランクリンの家を訪ねる。

フランクリンとその妻ナンシー、ラルフと同年代の娘イライザ、
そしてアナと仲良しの幼い娘ジョイにもてなされ、楽しい時を過ごすが、
アナがジョイを連れて一旦家に帰ってもよいかと聞いてくる。
ラルフかイライザが一緒ならいいと答えたところ、喜んで出て行くアナとジョイ。

ところが、いつまで経っても2人が帰ってこない。
ラルフとイライザは2人が出て行ったことすら知らず、慌てるケラーたち。
連絡を受けた警察が周辺の大捜索を開始するが、2人はどこにもいない。

2人が姿を消す前に停まっていたという怪しげなRV車を辣腕刑事のロキが発見、
車内にいた青年アレックスを逮捕する。
しかし車内に手がかりはなく、アレックスの知能は10歳程度であることが判明。
とても幼女2人を誘拐することなどできないとロキは判断。
アレックスを釈放した警察にケラーは不満を募らせる。

その後も一向に進展を見せない捜査。
警察に任せてはおけないと考えたケラーは、娘の居場所を聞き出すべく、
アレックスと同居する伯母だというホリーの家を訪ね、
独りで出かけたところを狙ってアレックスを拉致。
監禁して執拗な暴行を加え、なんとかすべてを吐かせようとするのだが……。

自分の子どもが誘拐されたとき、いたって普通の父親にいったい何ができるのか。
備えあれば憂いなし、何事にも対処できるように常に準備を、
そう子どもに言い聞かせてきた危機意識の高い父親が、
本当に子どもが誘拐されてしまったら、どうしていいのかわからない。
悩んだ挙げ句に取る行動はただの暴挙ということはできません。
ケラーの行動に賛同はしかねても、子どもを思う気持ちは同じ。
フランクリンやナンシーが苦悶しつつ、ケラーを止められない様子にも胸が痛みます。

ケラー役のヒュー・ジャックマンが素晴らしいのは言うまでもないことですが、
ロキ役のジェイク・ギレンホールがまたいい。
これまでに扱った事件をすべて解決してきたという噂のロキは、ケラーから言われ放題。
陰では舌打ちしていますが、いつでも冷静沈着な態度を変えません。

観客を引き込んで離さない上手さに、お見事というよりほかなし。
ラストも凝っています。

見惚れるほどの体をしているヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールなのに、
胸もとチラリ程度もなかったのは残念か。
いやいや、本作にそんなシーンは要りませんわね。(^^;

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