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『リチャード・ジュエル』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の13本目@西宮)

2020年02月02日 | 映画(ら行)
『リチャード・ジュエル』
監督:クリント・イーストウッド
出演:ポール・ウォルター・ハウザー,サム・ロックウェル,キャシー・ベイツ,
   ジョン・ハム,オリヴィア・ワイルド,ニナ・アリアンダ他
 
前述の『ジョジョ・ラビット』とハシゴ。
 
1996年、オリンピック開催中のアトランタ
警備員のリチャード・ジュエルは高齢の母親ボビと2人暮らし。
 
ある日、イベント会場でたむろする若者たちを追い払った折、
ベンチの下に不審なリュックが置かれているのを発見。
どうせ何でもないに決まっているというイベントスタッフや同僚たちに対し、
マニュアルどおりに対処すべしとリチャードは通報。
中身はいたずらではなく本物の爆発物だとわかり、
リチャードら警備員や警察官はただちに客を避難させる。
 
死者を2人は出したものの、爆破テロが大惨事となることは免れて、
マスコミはこぞって彼を英雄として報道。
テレビをつければ息子のニュースで、ボビも大喜び。
 
ところがFBIがリチャードに疑いの目を向けはじめる。
地元メディアのジャーナリスト、キャシー・スクラッグスはいち早くそれを察知。
容疑者リチャード・ジュエルとしてスクープ報道したために、
英雄から一転、リチャードは全国民から激しいバッシングを受けるようになる。
 
マスコミに家を取り囲まれ、外に出られない状態が続くなか、
リチャードを支えるのはボビと弁護士ワトソン・ブライアントだけで……。
 
図らずもハシゴした2本共に出演していたサム・ロックウェル
なんかもう、好きだ〜。
だらしない兄ちゃん役も似合うし、今回はこんな弁護士役。
 
冤罪がこうしてつくられるのだと思うと憤りを感じます。
ちょうどこれを観た翌日にDVDで『BOX 袴田事件 いのちとは』(2010)を観ました。
リチャードは袴田巌さんのように長時間の取り調べを受けたり
拷問を受けたりということはなかったけれども、
一旦警察から目をつけられたら何が何でも犯人にされてしまう、その姿が重なります。
 
過去にちょっとした問題はあって(そんなの誰でもあると思うけど)、
犯人に仕立て上げやすい人間。悲しいけれどそういう人はいる。
リチャードが早世してしまったことは残念ですが、
早いうちに疑いが晴れてちゃんと職も得て、そして真犯人が捕まったことは救い。
 
キャシー・ベイツ演じる母親が息子を抱きしめて「守れなくてごめん」と謝るシーンは、
世の中のお母さんたちにとっては胸が締めつけられる思いでは。
 
クリント・イーストウッドのシワシワの裸体はもう見たくないので(笑)、
こんなふうに今後も監督に徹してくれることを望みます。

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