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『15時17分、パリ行き』

2018年03月08日 | 映画(さ行)
『15時17分、パリ行き』(原題:The 15:17 to Paris)
監督:クリント・イーストウッド
出演:アンソニー・サドラー,アレク・スカラトス,スペンサー・ストーン,
   ジェナ・フィッシャー,ジュディ・グリア,レイ・コラサーニ他

「映画の日」に休みを取ってTOHOシネマズなんばで3本ハシゴ。

朝の新御(しんみ)はババ混みだろうからと余裕を見て出発したけれど、
箕面を8:00に出発して日本橋のタイムズに入庫したのは9:20。
1時間半近くもかかるなら電車で行けばいいところ、
帰りに桃谷に寄ってとんかつ弁当を買いたいから車、なのです。
日本橋から桃谷まで、車なら10分かかりませんからね。

そんな話はさておき、クリント・イーストウッド監督の最新作。
2015年にフランスの高速鉄道で発生した銃乱射テロ事件
犯人に果敢に立ち向かって取り押さえた青年たちの英雄的行為を収めた実録ドラマ。
主人公の青年3人と他の乗客の多くを本人たちが演じて話題となっています。

ただ、想像していた作品とはちがってビックリ。
テロ行為が勃発した列車内の話は全体の1割、
というと言い過ぎかもしれませんが、2割はないように思います。
ほとんどが3人の生い立ちと旅行を追ったものでした。

アレクとスペンサーは同じ学校に通う小学生。
どちらもシングルマザーの母親に育てられている。
いじめに遭っていると母親が学校に相談したところ、
担任教師はアレクとスペンサーのほうに問題があると指摘。
多動性注意欠陥障害ではないかと言われ、
父親不在であることも非難されて母親は激怒。

そんなふうに転校を繰り返した先で出会ったのがアンソニー。
何度校長室に呼び出されようとへっちゃらの彼が、
アレクとスペンサーにはたまらずクールに映る。
すぐに仲良くなった3人の友情は、離ればなれの期間を経ても途切れなかった。

軍に入ったアレクとスペンサーはヨーロッパ旅行を計画。
アメリカからアンソニーも呼び寄せて、休暇を楽しむ。
ローマ、ヴェネツィア、ベルリン、アムステルダム。
そしてパリへ向かう列車に乗り込むのだが……。

もちろん感動的な話ではあります。
しかし戦争讃美なところも見受けられて、手放しでよかったとはいえない複雑な心境。
少年たちがおもちゃの銃を見せびらかしてサバイバルゲームに没頭したりとか。

とにかく本作で凄いのは、本人たちが演じていること。
まさか人生でこんな目に遭って、それが映画化されて、
イーストウッド監督の作品の主役として自分自身で演じることになるなんて、
ただただ驚くしかない出来事でしょう。
前代未聞のキャスティングを観る作品だと思います。

夢だった職業に就けなくても、何にでも興味を持って学んでいれば、
こんな形で役に立つどころか人の命を救えることがあるんだなぁ。
3人を問題児扱いした学校は、今どんなふうに言われているのか。
ちょっと気になります。

ついでの話ですけれども、私がいちばん「おっ!」となったのは、
クラブでスペンサーが注文するカクテル。
レッドブル&ウォッカ2つ」と頼んでいました。
レッドブルが日本に上陸したばかりの頃、
よく行くお店のソムリエがレッドブルでカクテルをつくってくれたのを思い出す。
かき氷のイチゴ味みたいで美味しかったんだな~。

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