夜な夜なシネマ

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『弁護人』

2017年01月12日 | 映画(は行)
『弁護人』(英題:The Attorney)
監督:ヤン・ウソク
出演:ソン・ガンホ,キム・ヨンエ,オ・ダルス,クァク・ドウォン,イム・シワン,
   ソン・ヨンチャン,チョン・ウォンジュン,イ・ソンミン,イ・ハンナ他

先月からテアトルグループの加盟店となったシネマート心斎橋。
テアトルやシネ・リーブルで映画が安く観られるTCGメンバーズになっていれば、
これからはシネマートでもそのサービスが受けられるのは嬉しいけれど、
ポイントを貯める楽しみがなくなったのはちょっと寂しい気も。

で、貯まっていたポイントは何らかに交換してもらえます。
交換期限は今年11月末だから、焦る必要なし。
しかし気がつけば1年経っていたなんてことがままあるから、
絶対観たい映画がかかっている間に行こうと、年末の心斎橋へ。

25ポイント貯まっていました。
10ポイントで映画1本無料。
この日は水曜日でレディースデーだったから、今日使うのはもったいない。
3ポイントでソフトドリンク1杯、2ポイントでスナック菓子に交換できるそう。
映画をハシゴするときはまともに食事しない私にとっては朗報。
5ポイント使ってホットコーヒーと朝焼バウムクーヘンとやらに交換。
どの辺が朝焼なのか知らんけど普通に美味しく、十分に食事代わりに。
20ポイントは取っておいて、火水金(割引のある日)以外に使うことに。

さて、これはどうしても観たかった韓国作品です。
のちに韓国大統領となったノ・ムヒョン(映画では仮名)の弁護士時代の実話を映画化。
めちゃくちゃ面白いうえにハリウッド映画とは一線を画す。
ま、実話が基ですから、何もかも上手く行って万々歳というわけにはいかんか。

貧しい家庭に生まれ、進学もままならなかったソン・ウソク。
高校を卒業し、肉体労働で金を稼ぎながら猛勉強の末、
司法試験に合格してみごと判事となる。

しかし、差別が横行する法曹界では、学歴もコネもないウソクに出世の可能性なし。
かねてから彼に目をかけてくれていた先輩弁護士のもとを訪ね、
判事から弁護士へとやむを得ず転身する旨を宣言、さっそく事務所を開く。

するとウソクは、これまで司法書士の独壇場であった不動産登記業務に目をつけ、
不動産専門弁護士を名乗ってビラ配り。低価格で客を呼び込む。
司法書士連中からは仕事を横取りしたと恨まれ、
弁護士連中からは弁護士の恥だと陰口を叩かれるが、ウソクは意に介さず。
事務所は大忙しとなり、事務長とお茶汲みの女の子まで雇うように。

金さえ手に入ればこっちのもの。
荒稼ぎしたウソクは、苦労をかけた妻とまだ幼い子どもを連れてとっとと引っ越し。
競技用のヨットまで手に入れて、毎日を楽しむ。

そんなある日、苦学生の頃から世話になっている食堂の女将が、
大学生の息子ジヌが公安当局に拘束されたと泣きついてくる。
学生運動など、恵まれた学生のわがままだと思っていたウソクだが、
面会したジヌの身体に無数のアザを発見し、衝撃を受ける。

国家ぐるみで学生たちを貶めようとしているとしか思えない。
誰も味方のいないなか、ウソクはたったひとりで冤罪を晴らすべく立ち向かうのだが……。

アメリカの赤狩りも怖いけど、韓国のそれも本当に恐ろしい。
男女大学生の純文学読書会をアカの集まりだとして摘発し、拷問を繰り返す。
1981年の軍事政権下で実際に起きた釜林事件ということで、ただただ呆然。

シリアスなドラマではありますが、ウソク役がソン・ガンホ
事務長役がオ・ダルスで、笑えるシーンもいろいろ。
オ・ダルスって顔だけで可笑しいですもんね。失礼。(^^;

どう考えても勝てない裁判に真っ向から挑んだ故ノ・ムヒョン大統領。
そしてやっぱり勝てないわけですが、彼の姿に胸を打たれた国民、
それに、一時は彼を恥知らずだと嘲笑していた弁護士たち。
後日談に感動し、泣かずにはいられません。
大統領時代の対日の態度がどうだったかは置いておくとして、これは必見。

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