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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

2017年09月05日 | 映画(は行)
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(原題:A Street Cat Named Bob)
監督:ロジャー・スポティスウッド
出演:ルーク・トレッダウェイ,ルタ・ゲドミンタス,ジョアンヌ・フロガット,
   アンソニー・ヘッド,キャロライン・グッドオール,ベス・ゴダード他

『関ヶ原』『エル ELLE』→これ。
2本目と同じく大阪ステーションシティシネマにて。

カナダ・オタワ出身のロジャー・スポティスウッド監督によるイギリス作品。
猫好きならば絶対に観たくなる実話。
その猫、ボブ本人(という言い方でいいの?(笑))が出演しています。
めっちゃめちゃ可愛い。コイツのためなら確かに頑張れそう。

イギリス・ロンドン。
10代初めにドラッグに手を出し、薬物依存から抜けられないままの青年ジェームズ。
父親から見放され、住むところもなく、路上生活を送っている。
ギター片手に歌っては小銭を稼ぐが、たいした金額にはならず、ゴミ箱を漁る日々。
食事にもありつけず、ついついまたドラッグに手を出してしまう。

薬物依存症患者のサポートワーカーでジェームズを担当する女性ヴァルは、
今回こそ本当にジェームズがドラッグをやめる最後の機会だと直感的に思い、
住居を求めて大勢の待機者がいるなか、なんとかジェームズに部屋を用意する。

しばらくぶりの「室内」に頼りなくも笑顔を見せるジェームズ。
その夜、物音に気づいておそるおそる台所を覗くと、
1匹の茶トラ猫がシリアルの箱に顔を突っ込んでいるではないか。

翌朝、飼い主のもとに帰るように言い聞かせ、ジェームズは路上へ。
ところが、帰宅してみると怪我を負ったジェームズがいた。
同じアパートに住む女性ベティの助言を受け、無料診察してくれる病院へ連れて行く。
さんざん待たされ、診察は確かに無料だったが薬代は自費。
困ったことだが、どうしてもその猫を見捨てる気になれない。

なけなしの金をはたいて薬を買い、家に連れ帰ったものの、薬を嫌がる猫に難儀。
ベティの力を借りてなんとか飲ませ、ついでにベティから“ボブ”と名付けられる。
以来、ボブはジェームズから離れようとせず、路上にまでついてくる。
ジェームズの肩の上に乗ったり、隣に鎮座ましますボブはすっかり人気者に。
ボブのおかげで荒稼ぎするジェームズだったが……。

ジェームズご本人は最後にゲスト出演。
サイン会で「僕の人生そのものだ」と声をかける人です。
人間のほうは役者に任せたけれど、ボブはボブ本人の出演。
ジェームズとハイタッチまでしちゃうんです。なんちゅう猫。

主演のルーク・トレッダウェイ、ベティ役のルタ・ゲドミンタス、
ヴァル役のジョアンヌ・フロガット、よかったです。
ヘロイン中毒から抜けるためにメタドンを処方し、
メタドンもやめるときには「いままでにひいたいちばん酷い風邪の百倍しんどい」そうな。
ドラッグに苦しむ人、ドラッグで身内を亡くした人、更生を支える人、
いろんな立場でドラッグに関わる人のことも少し知れたかもしれません。

エンドロールで表示される後日談に、
願わくばいまもジェームズには歌っていてほしかったと思いました。
ボブがらみの本ばかり出しているようで、
そこのところはちょっとつまらないような。

というのは意地の悪い見方は止めておいて。
ボブを見るだけでも十分に楽しい作品。
見てみて!ボブ!

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