夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈さ行〉

2021年12月28日 | 映画(さ行)
《さ》
『サンダーロード』(原題:Thunder Road)
2018年のアメリカ作品。
監督・脚本・編集・音楽・主演までひとりでおこなったジム・カミングス
インディーズ映画界の期待の新鋭なのだそうです。
主人公の名前も監督と同じジムだけど、別に自叙伝というわけではありません。
警察官のジムは最愛の母親の葬儀でいきなり踊り出し、参列者はドン引き。
妻とは別居中で、一人娘のクリスタルと過ごす時間だけが心の支えだが、
そのクリスタルもいつも不機嫌で素っ気ない態度。どうしていいのかわからない。
そんな折、妻がクリスタルの単独親権を主張して裁判を起こし……。
劇場公開中すごく観たかったのに観損ねた作品でした。
結果、これは劇場で観なくてよかったかも。ノリについていけないのです。(^^;
でも、不機嫌なクリスタルに手遊びのできないことで駄目出しされた後、
いつのまに練習したのか、翌朝、完璧にそれをやってみせたジムには感激。
最後もよかったから、終わりよければすべてよしということで。
 
《し》
『シンデレラ』(原題:Cinderella)
2021年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
今年2月に公開予定が、配給元のソニー・ピクチャーズが5月に劇場公開を断念。
それをアマゾン・スタジオが購入して9月に配信を開始。
あらすじを説明するまでもない、誰もが知っているお伽噺“シンデレラ”の現代版。
意地悪な継母と姉たちに地下室に追いやられつつも
ファッションデザイナーになる夢を持ち続ける女性エラ(=シンデレラ)。
彼女に魔法をかけるのは、サナギのときからエラが見守っていた蝶。
かぼちゃの馬車も出てこない。馬車の従者はねずみたちだけど。
王子に見初められた後もプロポーズを断り、デザイナーになる夢を叶えます。
そんなエラと共にいることを選んだ王子は王位を妹に譲る。なんと現代的。
シンデレラと継母が最後に和解までしちゃうのですから。心が広い(笑)。
監督は“ピッチ・パーフェクト”の脚本家ケイ・キャノン。
ジャネット・ジャクソンの“リズム・ネイション”に始まり、
クイーンの“愛にすべてを”、マドンナの“マテリアル・ガール”、
アース・ウィンド・アンド・ファイアーの“シャイニング・スター”などなど、
選曲が楽しいミュージカルです。
 
《す》
『ストックホルム・ケース』(原題:Stockholm)
2018年のカナダ/スウェーデン作品。
1973年、ストックホルム最大の銀行にひとりで押し入った男ラース。
彼はフロアにいた客全員を外に出し、職員のビアンカ、クララ、エロヴだけを残し、
服役中の親友グンナーを連れてくるよう、警察署長マットソンに要求する。
それが叶えられると、今度は逃走資金と車を要求。
人質たちと共に車に乗ってその場から逃走することを計画するが、
マットソンはラースたちを銀行内に閉じ込める作戦に出て……。
誘拐事件や監禁事件が起きた場合、被害者が犯人と心理的に繋がる現象“ストックホルム症候群”。
こんな行動に走ってしまったものの、元は善人で誰かを殺すなんてできないラース。
人質のことをあまり考えているとも思えない警察の行動を知れば、
ビアンカのような気持ちになっても不思議はありません。
でも、ストックホルム症候群ってこういうものなのねという感想しか出てこない作品でした。
 
《せ》
『セカンド・チャンス 甘くほろ苦い初恋』(原題:Advance & Retreat)
2016年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
学生の間、キャンプ場でバイトしていたアリソンは、
マーケティング会社に就職する夢を叶えて都会へ旅立つことに決める。
同じキャンプ場に勤める交際中の相手コディに挨拶に行くと、コディは浮気の真っ最中。
傷心のアリソンは、それでも就職先で新しい恋人ブライスと幸せに暮らしていた。
数年後、毎年恒例のリゾート地での野外研修が、この年は経費削減かキャンプ場でおこなわれる。
まさかのあのキャンプ場、しかも今はコディがオーナーになっていて……。
浮気現場を見られたのに、「誤解なのに話も聞いてくれなかった」と怒っているコディ。はぁ?(笑)
イケメンだけど嫌な男に思われたブライスに最後は泣かされます。
でもねぇ、キャンプ地という設定が少し斬新なだけで、話はまったく目新しくない。
 
《そ》
『ソング・トゥ・ソング』(原題:Song to Song)
2017年のアメリカ作品。
夢を追い求める人々で溢れる音楽の街であるとともに、裏切られ傷ついた人が去ってゆく街。
そこに暮らす音楽業界の大物とウェイトレス、作詞家たちのカップル。
“マジック・アワー”と呼ばれる言葉を生み出したテレンス・マリック監督のことだから、映像は確かに美しい。
女優陣がルーニー・マーラナタリー・ポートマンというものすごく豪華な共演。
人脈の広さを示すかのような一流ミュージシャンたちのカメオ出演もあります。
でもこれは退屈すぎる。『天国の日々』(1978)1本だけ俳優たちを虜にしちゃったんですねぇ。
イギー・ポップのしわしわの裸体が痛々しかったけど、これは以前からか(笑)。

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