《た》
『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』(原題:Tanner Hall)
2009年のアメリカ作品を今ごろDVD化。
今夏開催の“カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018”にて上映。
ニューイングランド州にある全寮制の女学校タナーホール。
最終学年を迎えたフェルナンダは、親友たちと毎日を楽しく過ごしていたが、
幼なじみで今は疎遠となっていたヴィクトリアが転入してくる。
社交的で誰をも惹きつける力を持っているヴィクトリア。
しかし彼女の邪悪な面を知っているフェルナンダは警戒。
そんなフェルナンダは、母親の友人の夫ジオと偶然会ったのをきっかけに不倫関係に。
それを知ったヴィクトリアは、フェルナンダの邪魔をしようとする。
一方、フェルナンダの親友、ケイトはうぶな男性教師の気を引こうとしたり、
ルカスタは男性とのキスを拒む自分の性的志向を疑いはじめ……。
ヴィクトリアがめちゃくちゃ嫌な女なのです。見るのをやめたくなるぐらい(笑)。
幼い頃、祖母の可愛がっていたインコをヴィクトリアがわざと逃がしたのを目撃したフェルナンダは、
ヴィクトリアのことを見た目とはちがう意地悪な子だと思っていました。
そのとおり嫌な子なのですが、最後の最後が秀逸。
「インコを逃がしたら、そのすぐ後におばあちゃんが死んじゃった」と
ヴィクトリアがつぶやくのを聞いて、ずっと気にしていたことがわかるのです。
30過ぎても高校生役ができるルーニー・マーラ、すごいなと思ったけれど、
10年近く前の映画ですもんね、まだ20代前半か。納得。
《ち》
『ちょっとまて野球部!』
2017年の日本作品。
原作はゆくえ高那の同名コミック。監督は『孤独のグルメ』の宝来忠昭。
強くも弱くもない県立神弦高校野球部の1年生、大堀、秋本、宮田。
3年生部員の最後の夏が終わり、これで広々と部室を使えると思いきや、
2年生部員から「1年生が使えるのはここだけな」と使用範囲を制限される。
とはいうものの、部活が楽しくて仕方ない3人だったが、揃いもそろっておバカ。
特に大堀にいたっては、追試まで赤点を取ってしまい、
もしも再追試で合格点を取れなければ、夏の合宿に参加できないことに。
大堀に試験勉強に集中させるため、秋本と宮田は大堀を無視するのだが……。
野球のシーンはほとんどなく、おバカぶりを見せられるだけの作品。
でもなかなかに楽しくて、後味も悪くない。バカやってられるのっていいなぁ。
《つ》
『月と雷』
2016年の日本作品。
角田光代の同名小説の映画化。
普通の家庭を知らずに育った泰子(初音映莉子)。母親は彼女が幼いころに出て行った。
当時、父親(村上淳)の浮気相手・直子(草刈民代)とその息子・智が転がり込んできたが、
直子と智は半年ほどで出て行ってしまったという思い出がある。
ところが、そんなふうに20年前に突然来ては去って行った智(高良健吾)がまた突然現れて泰子は動揺。
智の勧めで実母を捜すために公開番組に出演したところ、
実母は再婚していたうえに異父妹・亜里砂(藤井武美)の存在も判明。
そうこうしているうちに、智のみならず直子と亜里砂までが泰子のもとへ。
不可思議な同居生活が始まり……。
男を渡り歩く草刈民代の演技に脱帽。彼女だけでも見る価値あり。
《て》
『天使たちのビッチ・ナイト』(原題:The Little Hours)
2017年のカナダ/アメリカ作品。
家庭の事情により、修道院に預けられた3人の女性。
いずれも処女、性に関する興味は膨らむばかり。
しかし雑用係のオッサンが話しかけてくるのは許しがたく、神父にクビにしてもらう。
オッサンに代わってやってきた雑用係は若いイケメン。
実は彼は近所の領主の使用人だったが、領主の妻と寝たのがばれ、
領主に追われて命からがら逃げてきたところ、神父とバッタリ。
酔っぱらって困ったことになっていた神父を助けたため、
神父が詳しい事情は聞かずに彼を受け入れたのだ。
神父は「修道女たちは男から話しかけられるのを嫌うから」と、彼に聾唖のふりをしろと言う。
それに従って雑用の仕事に従事したものの、修道女たちから次々と迫られ……。
神父役にジョン・C・ライリーが出ていますから、B級というわけではありません。
こうしてあらすじだけだとエロそうですが、脱ぐシーンもほぼないただのコメディ。
だけど、最初はまったく笑えなくて、挫折しそうになりました。
途中から観るに耐える程度にはなり、最後は爽快感すらあるんだから不思議(笑)。
《と》
『トーナメント』(原題:Midnighters)
2016年のアメリカ作品。
7月に全国のミニシアター系劇場で公開され、9月にはDVDレンタル開始。
新年のカウントダウンパーティーに出席した30代とおぼしき夫婦。
共に酒を飲んでいたが車で帰途に就く。運転席に夫ジェフ、助手席に妻リンジー。
暗闇の中、飛び出してきた男を轢いてしまい、救急車を呼ぼうとするが携帯が圏外。
自分たちの車に載せて運んでいたところ、車中で男が息を引き取る。
死んだのをこれ幸いと事故の隠蔽を図るが、ナンバープレートを現場に落としたことに気づく。
自宅ガレージに死体を隠し終わった頃、警官がプレートを届けにやってくる。
鹿を轢いたという嘘を信じた警官が帰り、事なきを得たはずが、
死んだ男のポケットを探ると、なぜかこの家の住所を書いたメモが。
夫婦の家に居候中のリンジーの妹ハンナに問うと、身に覚えがあるようで……。
上記3人ともう1人、ハンナの恋人が生き残りをかけて殺し合います。
そういう意味ではトーナメント戦なのかもしれないけれど、
原題も邦題も、ポスターやDVDジャケットの画像も、
そのどれも内容とは合っておらず、売り方に苦心した様子が窺えます。
ちなみに生き残るのは当然のことながら主人公のリンジー。
しかしハッピーエンドとは程遠く、ものすごく嫌な終わり方。誰にも共感できず。
『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』(原題:Tanner Hall)
2009年のアメリカ作品を今ごろDVD化。
今夏開催の“カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018”にて上映。
ニューイングランド州にある全寮制の女学校タナーホール。
最終学年を迎えたフェルナンダは、親友たちと毎日を楽しく過ごしていたが、
幼なじみで今は疎遠となっていたヴィクトリアが転入してくる。
社交的で誰をも惹きつける力を持っているヴィクトリア。
しかし彼女の邪悪な面を知っているフェルナンダは警戒。
そんなフェルナンダは、母親の友人の夫ジオと偶然会ったのをきっかけに不倫関係に。
それを知ったヴィクトリアは、フェルナンダの邪魔をしようとする。
一方、フェルナンダの親友、ケイトはうぶな男性教師の気を引こうとしたり、
ルカスタは男性とのキスを拒む自分の性的志向を疑いはじめ……。
ヴィクトリアがめちゃくちゃ嫌な女なのです。見るのをやめたくなるぐらい(笑)。
幼い頃、祖母の可愛がっていたインコをヴィクトリアがわざと逃がしたのを目撃したフェルナンダは、
ヴィクトリアのことを見た目とはちがう意地悪な子だと思っていました。
そのとおり嫌な子なのですが、最後の最後が秀逸。
「インコを逃がしたら、そのすぐ後におばあちゃんが死んじゃった」と
ヴィクトリアがつぶやくのを聞いて、ずっと気にしていたことがわかるのです。
30過ぎても高校生役ができるルーニー・マーラ、すごいなと思ったけれど、
10年近く前の映画ですもんね、まだ20代前半か。納得。
《ち》
『ちょっとまて野球部!』
2017年の日本作品。
原作はゆくえ高那の同名コミック。監督は『孤独のグルメ』の宝来忠昭。
強くも弱くもない県立神弦高校野球部の1年生、大堀、秋本、宮田。
3年生部員の最後の夏が終わり、これで広々と部室を使えると思いきや、
2年生部員から「1年生が使えるのはここだけな」と使用範囲を制限される。
とはいうものの、部活が楽しくて仕方ない3人だったが、揃いもそろっておバカ。
特に大堀にいたっては、追試まで赤点を取ってしまい、
もしも再追試で合格点を取れなければ、夏の合宿に参加できないことに。
大堀に試験勉強に集中させるため、秋本と宮田は大堀を無視するのだが……。
野球のシーンはほとんどなく、おバカぶりを見せられるだけの作品。
でもなかなかに楽しくて、後味も悪くない。バカやってられるのっていいなぁ。
《つ》
『月と雷』
2016年の日本作品。
角田光代の同名小説の映画化。
普通の家庭を知らずに育った泰子(初音映莉子)。母親は彼女が幼いころに出て行った。
当時、父親(村上淳)の浮気相手・直子(草刈民代)とその息子・智が転がり込んできたが、
直子と智は半年ほどで出て行ってしまったという思い出がある。
ところが、そんなふうに20年前に突然来ては去って行った智(高良健吾)がまた突然現れて泰子は動揺。
智の勧めで実母を捜すために公開番組に出演したところ、
実母は再婚していたうえに異父妹・亜里砂(藤井武美)の存在も判明。
そうこうしているうちに、智のみならず直子と亜里砂までが泰子のもとへ。
不可思議な同居生活が始まり……。
男を渡り歩く草刈民代の演技に脱帽。彼女だけでも見る価値あり。
《て》
『天使たちのビッチ・ナイト』(原題:The Little Hours)
2017年のカナダ/アメリカ作品。
家庭の事情により、修道院に預けられた3人の女性。
いずれも処女、性に関する興味は膨らむばかり。
しかし雑用係のオッサンが話しかけてくるのは許しがたく、神父にクビにしてもらう。
オッサンに代わってやってきた雑用係は若いイケメン。
実は彼は近所の領主の使用人だったが、領主の妻と寝たのがばれ、
領主に追われて命からがら逃げてきたところ、神父とバッタリ。
酔っぱらって困ったことになっていた神父を助けたため、
神父が詳しい事情は聞かずに彼を受け入れたのだ。
神父は「修道女たちは男から話しかけられるのを嫌うから」と、彼に聾唖のふりをしろと言う。
それに従って雑用の仕事に従事したものの、修道女たちから次々と迫られ……。
神父役にジョン・C・ライリーが出ていますから、B級というわけではありません。
こうしてあらすじだけだとエロそうですが、脱ぐシーンもほぼないただのコメディ。
だけど、最初はまったく笑えなくて、挫折しそうになりました。
途中から観るに耐える程度にはなり、最後は爽快感すらあるんだから不思議(笑)。
《と》
『トーナメント』(原題:Midnighters)
2016年のアメリカ作品。
7月に全国のミニシアター系劇場で公開され、9月にはDVDレンタル開始。
新年のカウントダウンパーティーに出席した30代とおぼしき夫婦。
共に酒を飲んでいたが車で帰途に就く。運転席に夫ジェフ、助手席に妻リンジー。
暗闇の中、飛び出してきた男を轢いてしまい、救急車を呼ぼうとするが携帯が圏外。
自分たちの車に載せて運んでいたところ、車中で男が息を引き取る。
死んだのをこれ幸いと事故の隠蔽を図るが、ナンバープレートを現場に落としたことに気づく。
自宅ガレージに死体を隠し終わった頃、警官がプレートを届けにやってくる。
鹿を轢いたという嘘を信じた警官が帰り、事なきを得たはずが、
死んだ男のポケットを探ると、なぜかこの家の住所を書いたメモが。
夫婦の家に居候中のリンジーの妹ハンナに問うと、身に覚えがあるようで……。
上記3人ともう1人、ハンナの恋人が生き残りをかけて殺し合います。
そういう意味ではトーナメント戦なのかもしれないけれど、
原題も邦題も、ポスターやDVDジャケットの画像も、
そのどれも内容とは合っておらず、売り方に苦心した様子が窺えます。
ちなみに生き残るのは当然のことながら主人公のリンジー。
しかしハッピーエンドとは程遠く、ものすごく嫌な終わり方。誰にも共感できず。