夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ファースト・マン』

2019年02月23日 | 映画(は行)
『ファースト・マン』(原題:First Man)
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング,クレア・フォイ,ジェイソン・クラーク,カイル・チャンドラー,コリー・ストール,
   クリストファー・アボット,キアラン・ハインズ,パトリック・フュジット,ルーカス・ハース他

TOHOシネマズ伊丹にて、『アクアマン』とハシゴ。

デイミアン・チャゼル監督には『セッション』(2014)で魂を射貫かれました。
『ラ・ラ・ランド』(2016)よりも断然『セッション』が好きでした。
今度は音楽もの以外に手を出しちゃうのですね。
封切り直後の評判がイマイチだったので、期待値は下げて観に行きました。
そうしたら、そんなに悪くないやん。

1969年7月に打ち上げられたアポロ11号
このときの船長で、人類で初めて月に降り立ったのがニール・アームストロング。
彼の半生を映画化した伝記ドラマです。

空軍でテストパイロットを務めるニール。
妻ジャネット、息子、娘の三人家族だったが、娘は悪性の脳腫瘍に冒されている。
娘のことが頭にあるから、パイロットとしては非常に優秀だが、時折注意散漫に。
ほどなくして娘を亡くしたニールは、悲しみを押し隠したまま出勤。
上司から飛行禁止処分を下されたちょうどそのとき、
NASAのジェミニ計画で宇宙飛行士を募集していることを知る。

宇宙開発競争でソ連に後れを取っていたアメリカは、
何が何でも先に月へ降り立とうと必死。
そのためには欠かせない技術を確立しようと考えての募集。
さっそく応募したニールはみごと採用される。

次男を授かり、一見平穏なアームストロング家だが、
亡くなった長女のことを一切口にしようとしないニールをジャネットは心配する。

課される過酷な訓練をこなし、飛行士仲間との絆も深まった頃、
親しかった仲間のうち何人かが命を落とし……。

何がびっくりしたって、ジャネット役のクレア・フォイですよね。
『蜘蛛の巣を払う女』でリスベットを演じて超カッコよかった彼女が、
本作では悲しみをこらえつつ夫を支えて息子たちに愛情をかける、普通の、強い母親役。
確かに同じ顔だけど、とても同じ女優が演じているとは思えません。
彼女を見ていると、確かに「世の中に弱い女なんておらん」かなと。

そんなに悪くなかったとはいえ、『セッション』には遠く及びません。
肝心の月面着陸のシーンでは睡魔に襲われてうとうとしちゃったし。

チャゼル監督は次の作品を考えるときには相当苦心していると思われます。
そりゃそうだ、『セッション』なんて凄い作品を撮っちゃったら、
世間の次作への期待は否応が高まるでしょう。大変だ。

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