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『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』

2020年03月02日 | 映画(ら行)
『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』(原題:Disobedience)
監督:セバスティアン・レリオ
出演:レイチェル・ワイズ,レイチェル・マクアダムス,アレッサンドロ・ニヴォラ他
 
今年になってからよく利用するようになったイオンシネマ茨木にて。
 
原作はフェミニスト小説家といわれるナオミ・オルダーマンの自伝的小説。
監督は『ナチュラルウーマン』(2017)のセバスティアン・レリオ。
主演のレイチェル・ワイズがプロデューサーとして名を連ねるイギリス作品です。
原題の“Disobedience”の意味は「不従順」とか「反抗」とか。
 
ニューヨークで写真家として活躍するロニートのもとに父親の訃報が届く。
父親は厳格なユダヤ教のラビで、ロニートはその一人娘。
あるとき、レズビアンであることが父親にばれ、
親子の縁を切られたロニートは信仰を捨てて故郷を飛び出していた。
それ以来、立ち寄ったこともなかったイギリスのユダヤ人コミュニティへと戻る。
 
狭い地域のこと、ロニートが家を出た経緯を誰もが知っているから、
彼女に温かい目を向ける人などほとんどいない。
そんな中で彼女との再会を内心喜んでいたのが幼なじみのエスティ。
エスティこそがロニートの父親にばれたときの相手。
 
エスティはロニートの父親の後継者と期待されているドヴィッドの妻となっていた。
故郷を出て行ったロニートとは違い、
生涯をコミュニティの中で掟に従って生きることこそが幸せだと
自分に言い聞かせてきたエスティだったが……。
 
神に仕える宗教者たちは大きな心を持っていると思いたい。
でも偏見に満ちていて、男尊女卑もいいとこ。
女の幸せは家事に勤しんで子どもを産むことと決めつけられていて、
でもみんなそうであることに何の疑いも持っていません。
 
レイチェル・ワイズ演じるロニートとレイチェル・マクアダムス演じるエスティの濡れ場は唐突で、
あまり美しいものとも思えず、こんなヘヴィーなやつは要らんかったかも。
そこは引っかかります。
 
了見の狭い人たちばかりのコミュニティの中、自由を求めて飛び出そうとするエスティ。
ドヴィッドがそれを許容するとは思えなかったので、まさかの展開にはジワ~ン。
ドヴィッド役のアレッサンドロ・ニヴォラも良かったです。
 
人は変われる。

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