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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『愛しのアイリーン』

2018年09月26日 | 映画(あ行)
『愛しのアイリーン』
監督:吉田恵輔
出演:安田顕,ナッツ・シトイ,河井青葉,ディオンヌ・モンサント,
   福士誠治,品川徹,田中要次,伊勢谷友介,木野花他

3連休最終日に2本だけ。
1本目は大阪ステーションシティシネマにて本作を。

吉田恵輔監督の作品はどれも大好きですが、ものすごくキツイ。
作品を重ねるごとに凄絶さが増しています。
R15+になっているものの、高校生がこんなの観ちゃ駄目(笑)。
カップルで観に行くのも駄目。よほどの変態でないと。

農家の息子・宍戸岩男(安田顕)は42歳の独身男。
老いた母親・ツル(木野花)、認知症の父親・源造(品川徹)と実家暮らし。
ツルはなんとか早く岩男を結婚させようと、
ひっきりなしに見合い相手を連れてくるが、岩男は興味を示さない。

かと言って、岩男は結婚したくないわけではない。
勤務先のパチンコ店の同僚・吉岡愛子(河井青葉)のことが気になる。
その愛子から食事に誘われて有頂天。
ところが愛子がほかの同僚とヤリまくっていると聞いて愕然。
ならば自分もヤラせてもらおうと思ったのに、
愛子から「本気は困るのよね」と言い放たれる。

ヤケを起こしたか、岩男が行方不明になってツルは大騒ぎ。
そんななか源造が亡くなり、葬儀のさいちゅうに岩男が帰ってくる。
フィリピン人の嫁・アイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて。

愛子にフラれた岩男は、貯金300万円を握りしめてフィリピンへ飛んだらしい。
行きつけのフィリピンパブのオーナーが仲介する嫁探しツアーに参加するため。
30人の嫁候補から岩男が選んだのがアイリーン。
貧しい大家族に毎月仕送りを約束して日本へと戻ったわけだが、
大事な息子をフィリピン人に盗られたとツルは激怒。

ツルに認めてもらえず、岩男は当面近所のホテルに泊まることに。
言葉も通じない女だが、妻は妻。ヤリ放題だと思いきや、アイリーンは断固拒否。
毎日生理だと偽って、触るのも触らせるのも許さず……。

バイオレンスなラブストーリー。
しかし岩男がキモすぎる。息子のひとりエッチを毎晩覗くツルもキモい。
岩男は「オ○ンコ」を連発し、こんな作品だと想像していなかったら、
この辺りで退場する人がいても不思議じゃない(笑)。

なのに涙が溢れそうになってしまったシーンもいくつか。
まず、認知症の源造が倒れる間際のシーン。
木立のなかで岩男が彫っていた文字が明らかになるシーン。
圧巻はラスト、ツルとアイリーンが雪の中を歩くシーン。
安田顕よりもむしろこのふたりが凄かったと思うのでした。

人には絶対お薦めできない。でも強く心に残る作品です。

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