夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『青春ジャック 止められるか、俺たちを 2』

2024年04月05日 | 映画(さ行)
『青春ジャック 止められるか、俺たちを 2』
監督:井上淳一
出演:井浦新,東出昌大,芋生悠,杉田雷麟,有森也実,田中要次,田口トモロヲ,田中麗奈,竹中直人他
 
の容態を気にしつつ、この日もとりあえず大丈夫そうだからとシネ・リーブル梅田へ。
そんなに久しぶりのつもりもなかったけれど、ひと月ぶりぐらいか
そやそや、ロビーで生東出昌大を見て以来ですね。
あのときはそんな兆しすらなかったのに、ロビーがいきなりゴージャスになっていてビックリ。
どーゆーことですかと思ったら、4月19日にテアトル梅田として生まれ変わるらしい。
梅田ロフト下にあったテアトル梅田が閉館して1年半。
テアトルグループなのに、テアトルと名の付く劇場が大阪にない状態が続いていましたが、
このたびシネ・リーブル梅田を改名してテアトル梅田の名を復活させるようです。
 
2012(平成24)年に76歳で亡くなった若松孝二監督。
型破りで多くの逸話を残す若松監督ですが、私は彼の作品をあんまり観ていないのです。
なんといっても『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)が強烈すぎたし、
その後に観た『キャタピラー』(2010)もえぐすぎて、なかなか食指が動かず。
 
だから、在りし日の若松監督を描いた『止められるか、俺たちを』(2018)もスルーしてしまいましたが、
彼が作った映画館の話と聞くと、観たくなるじゃあないですか。
 
監督は実際に若松プロで助監督を務めていた井上淳一。
彼自身と若松監督、そして彼らを取り巻く人々の姿に「青春」を見せてもらえます。
 
世の中にビデオが普及しはじめた1980年代。
劇場に足を運ぶ人は減る一方だというのに、若松孝二(井浦新)は名古屋に映画館を作ろうと思い立つ。
なぜ名古屋かというと、東京も大阪も高いから。
若松は、2階から上の店がノーパン喫茶やら覗き部屋やらの風俗ビルの1階を買う。
 
映画館を開業するにあたり、支配人にならないかと声をかけたのは、
ビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治(東出昌大)。
木全は彼自身のお気に入り名画も上映することを条件に、支配人となることを承諾する。
 
アルバイトとして雇うことになったのは、映研に所属していた金本法子(芋生悠)ら。
定員50名のミニシアター“シネマスコーレ”は無事オープンしたものの、客は5人のことも。
その中には映画好きの高校生・井上淳一(杉田雷麟)も含まれていた。
 
赤字続きの経営に、このままではいかんと若松はピンク映画の上映を決める。
木全が必死の抵抗を見せ、1カ月のうち3週間はピンク、1週間は名画に落ち着くのだが……。
 
舞台が1980年代ですから、場所は違えどもいろいろと懐かしい。
街そのものの雰囲気だったり、バックに流れる音楽だったり。
『待つわ』が流れると一緒に歌っちゃいそうになりますね。あみんが歌っているのではなかったけれど。
 
木全役の東出昌大がとても良いです。
やっぱり声は好きじゃないわと改めて思ったものの(笑)、スキャンダル前の彼より断然いい。
コムアイ演じる彼の妻も、夫が少なからず安定した職業を辞めようとしているのに、
小言のひとつも言うことなく、積極的に夫を応援。できそうでできないこと。
 
女であり、才能がなく、在日である金本は、自身のことを「三重苦」と言い、
たいした苦労もなしに若松と出会って弟子になった井上への嫉妬を隠せません。
そんな彼女の心を見抜く木全がかける言葉には癒されます。
こういう「一見能天気」の役が東出昌大には合っているのかもしれませんね。
 
ふてくされている井上を叱りつつも息子の応援を惜しまない両親には田中要次有森也実
あの頃はよかった的な作品ではありますが、温かい人が多いからホッとさせられます。
 
こうなると、スルーした前作が気になって気になって。
Amazonプライムビデオで500円払って観ようかな。

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『デューン 砂の惑星 PART2』 | トップ | 『COUNT ME IN 魂のリズム』 »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事