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『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』

2018年11月09日 | 映画(あ行)
『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』
監督:波多野貴文
出演:波瑠,西島秀俊,岡山天音,深水元基,戸田昌宏,朝倉えりか,
   久保酎吉,コング桑田,中村倫也,濱田マリ,橋本愛,柄本明他

TOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴの2本目。

原作は小森陽一の『オズの世界』と聞いても、
その小森さんとやらのお名前を私は聞いたことがなく、どんな人だろうと調べたら、
小説家で漫画原作者で脚本家なのですと。
“海猿”シリーズ、“S―最後の警官―”シリーズの原案や脚本を担当。
『252 生存者あり』(2008)もこの人の原作なのだそうな。
前述の『あいあい傘』の宅間孝行といい、多才な人だらけ。

大学を卒業し、超一流ホテルチェーンに就職した波平(波瑠)。
ここを就職先に決めたのは、大好きな彼氏(中村倫也)が勤めているから。
これで会社でも会えると喜んでいたのに、配属先はまさかの地方都市。
系列会社が運営する遊園地“グリーンランド”勤務の辞令が下りる。

嫌々たどり着いた“グリーンランド”ではみんながハイテンション。
しょっぱなからサプライズイベントに参加させられるはめになったり、
名前は「なみひら」なのにユニフォームに「なみへい」と縫い付けられていたり、
波平にとってはすべてが面白くない。

上司の小塚(西島秀俊)は魔法使いの異名を持つほどの凄い人らしいが、
彼から命じられる仕事といえば園内のゴミ拾いなど雑用ばかり。
波平と一緒に配属された同じく新人社員の吉村(岡山天音)は
文句も言わずに四苦八苦しながらもむしろ楽しそうで呆れてしまう。

不満しかない波平だったが、あるとき自分の未熟さを悟ることに。
それを認め、日々のどんな仕事にも真面目に取り組むようになってから、
職場で過ごす時間がどんどん密度の濃いものになってゆくのだが……。

序盤のふてくされた態度の波瑠にはイライラします(笑)。
仕事に優劣をつけて、嫌な仕事は手を抜きまくり。
そんな彼女に接するほかの従業員の優しいこと。みんな器がデカい。
この従業員たちの役に橋本愛深水元基濱田マリなど。
遊園地の園長を演じるのは柄本明

西島秀俊のこんな明るい役を見るのは久しぶりな気がしますし、
橋本愛もどちらかといえば暗めのおとなしい役が多かったから、明るさ全開で意外。

波平がどんどん変わってゆく様子が気持ちいい。
人を笑わせることって、こんなにも大変で素敵なこと。

かなり楽しく観ていましたが、個人的には最後のサプライズは不愉快。
あんな意味深に進める必要があったかどうか疑問です。
あれがなければ文句なしの楽しさだったのですけれど。

でも、遊園地に行きたくなる映画です。
人に夢と喜びを与える仕事。

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