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『総理の夫』

2021年10月14日 | 映画(さ行)
『総理の夫』
監督:河合勇人
出演:田中圭,中谷美紀,貫地谷しほり,工藤阿須加,松井愛莉,木下ほうか,
   米本学仁,国広富之,寺田農,片岡愛之助,嶋田久作,余貴美子,岸部一徳他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
原田マハの同名原作を河合勇人監督が映画化。
原作を読んだのは4年前なので、ほとんど内容を覚えていません。
ただ、原田マハのほかの著作と同様に、中盤以降のヒートアップを苦手に感じた記憶があります。
本作は不覚にも(笑)そのヒートアップに涙してしまいました。
 
相馬日和(田中圭)は母親・崇子(余貴美子)が総帥として君臨するグローバル企業の御曹司
亡き父親のあとは日和の兄・多和(片岡愛之助)が継ぎ、
鳥オタクの日和は鳥類研究所に勤務して、思う存分に鳥を愛でている。
 
そんな日和の妻・凛子(中谷美紀)は頭脳明晰な政治家で、直進党の党首だが、
ある日、日和が出張から戻ってくると、いきなり内閣総理大臣に就任していた。
電波も届かない山にこもりっきりだったせいで、そんなことになっているとはつゆ知らず、
初の女性総理大臣の夫となった日和は、待ち受けていた記者からもみくちゃにされる。
 
戸惑う日和の前に現れたのは、内閣広報室担当・富士宮あやか(貫地谷しほり)。
出かけるときは必ず富士宮が運転する車で、日和の居場所はGPSで監視。
日和自身にもファンがついたものだから、平穏だった日常は一変。
総理公邸への引っ越しも余儀なくされて、大好きな鳥の研究もままならず、
心身共にくたくたになっていく日和だったが……。
 
出来すぎですよ、この夫婦(笑)。
総理に就任して体調がおかしくなるほど多忙なのに、凛子は常に穏やか。
帰宅すれば日和に感謝の意を示すことを忘れないし、いらつくこともなし。
一方の日和も凛子に迷惑をかけることがないように考え、
それがかえって凛子を困った状態に陥れることもあるけれど、
アンタはどこぞのエージェントかというぐらいデキる富士宮が収拾します(笑)。
凛子を心の底から応援する、優しくて誠実でちょっと天然ボケの日和に、
女性なら誰しも「こんな夫がほしい」と思うことでしょう。
 
原作を読んだときには笑ってしまうようなシーンはなかったと思いますが、
田中圭は天然のシーンを上手く演じて笑わせてくれます。
序盤、ふきだしたところもいくつかあったような気が。
 
凛子の秘書役の工藤阿須加は、かつては竹内涼真とイメージがかぶっていました。
今は工藤阿須加のほうが断然いいなぁ。
凛子を支える内閣官房長官役の嶋田久作もとてもいいし、
「腹黒いだけに原九郎」の岸部一徳も当たり前のようにさすがです。
そしてなんといっても、やっぱり余貴美子。
彼女の後継者になれそうな女優って、誰ですかね。思いつかない。
 
最後は日和の熱いスピーチに泣いてください。

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