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『スパイダーヘッド』

2022年07月17日 | 映画(さ行)
『スパイダーヘッド』(原題:Spiderhead)
監督:ジョセフ・コシンスキー 
出演:クリス・ヘムズワース,マイルズ・テラー,ジャーニー・スモレット,マーク・パギオ,
   テス・ハウブリック,アンジー・ミリケン,ベベ・ベッテンコート,ネイサン・ジョーンズ他
 
連日の実家通いで結構疲れが溜まっていて、今週は劇場に一度足を運んだだけ。
帰宅しても映画鑑賞の時間はなかったから、Netflixで映画を観るのはいつぶりか。
これを観て以来だから、2カ月ぶりですね。
 
6月17日に配信開始となったNetflixオリジナル作品。
原作はジョージ・ソーンダーズによる短編小説。
ジョセフ・コシンスキー監督といえば『トップガン マーヴェリック』
そしてマイルズ・テラーといえばやっぱり同映画の“ルースター”。
“ソー”クリス・ヘムズワース主演ということになっているけれど、
こりゃどう見てもマイルズ・テラーのほうが主人公です。
 
孤島にある刑務所“スパイダーヘッド”。
服役しているのは開発中の薬剤の治験を受けることを条件に移送されてきた囚人たち
囚人同士の喧嘩やレイプが日常茶飯事の州立刑務所とは違い、
スパイダーヘッドではベッドも家具も設えられた個室を与えられ、廊下の行き来も自由。
 
飲酒運転で事故を起こし、同乗者を死なせてしまったジェフ(マイルズ・テラー)は、
スパイダーヘッドの看守スティーヴ(クリス・ヘムズワース)から特に期待されている被治験者。
目の前の相手に好感を持つようになる薬、描写の語彙が増える薬など、
次々と投与される薬剤の効果をジェフによってスティーヴは確認する。
 
しかしあるとき治験内容に疑問を抱いたジェフは、スティーヴが実は看守などではなく、
自ら経営する製薬会社のために治験をおこなっているだけだと知り……。
 
なかなか嫌な話です。
善人役が多いクリス・ヘムズワースは反吐が出るほど酷い奴。
 
相手に好感を持つようになる薬を投与されると、
目の前にいるのがどんなオバハンであろうと欲情してしまい、その場でおっぱじめるというのは怖い。
スティーヴの助手を務めるマーク(マーク・パギオ)が投与の指示を受けつつ
「見たくない」とぼやくシーンは、マジで見たくない、こんな絡み、と思いました(笑)。
この間のことを被治験者が覚えているのも残酷ですよねぇ。
 
ネタバレになりますが、スティーヴが本当に治験の結果を得たかったのは、
相手のどんな命令にも従うようになる薬。
こんな薬が存在すれば、人を殺させるのも簡単、戦争もたやすく起こせることでしょう。
 
一見自由に見える刑務所。
優雅に音楽が流れ、清潔で、食事も豪華。オードブルなんかも提供されます。
刑期の短縮と引き換えに治験を受け入れた囚人たちですが、
ジェフと恋仲になるやはり囚人のリジー(ジャーニー・スモレット)が
妙な薬を投与され続けるよりも、殴られる州立刑務所のほうがマシと言うシーンは、
実際のところどうなんだろうと考え込んでしまいました。
 
つまらなくはないですが、そりゃこの監督でこの出演陣なら他作品のほうが面白い。

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