『あんてるさんの花』
監督:宝来忠昭
出演:小木茂光,徳山秀典,佐藤めぐみ,田中美里,柳めぐみ,
葛西幸菜,松本タカヒロ,森廉,藤村聖子,螢雪次朗他
昨年の夏から冬にかけて、全国で数館、あとは映画祭などで上映された作品。
大阪では第七藝術劇場で上映されていましたが観に行けず。
そういえば前日の『オゾンビ』もやはりナナゲイで上映していたような気が。
同じく先月DVD化されたのでレンタルしました。
東京・吉祥寺のハモニカ横丁にある居酒屋「あんてる」。
店名の由来は店主の名前、アンドウテルオから。
常連客は彼のことを「あんてるさん」と呼ぶ。
ある日、店の宣伝も兼ねて出演した地域のラジオ番組で、
あんてるさんは不思議な花が存在することを知る。
“アンデルセンの花”と呼ばれるその花は、花びらに特殊な成分が含まれている。
開花時に花びらに触れると、3日間、幻を見るらしい。
ラジオの収録帰りに近所の花屋に立ち寄ると、
“忘れろ草”と札の付いた鉢植えの花が売られているではないか。
これこそまさにその“アンデルセンの花”ではないかと、
あんてるさんは思わず買ってしまう。
店に帰ると妻のナミエが待っていた。
口べたでろくに宣伝もできなかったあんてるさんにナミエはニッコリ。
もう店を畳んでしまおうと言うあんてるさんだったが、
ナミエはとりあえず常連客を呼び出して忘れろ草の話をしてみろと言う。
話に釣られてやってきた客はまだ若い3人。
サラリーマンのクサナギ、シンガーソングライターのチサト、工事現場の警備員タカユキ。
忘れろ草の花びらに触れ、もしも幻を見ることがあれば、
後日報告に来るということで席を立つのだが……。
それぞれにワケありの3人は、しばらくして幻に出会います。
誰の幻に会ったかを書くとネタバレになってしまいますが、
クサナギは勝手な言い分で出て行った妻のノリコに。
チサトは一緒にデビューするはずだったナオミに。
タカユキは田舎にいる姉に。
3人とも忘れろ草の話を半分は信じながら花びらに触れているので、
日常に予期しないできごとが起こると、これは幻だとまず考えます。
それが幻ではないこともあって、ちょっと可笑しい。
特にタカユキに関しては、昔から犯罪者顔だと皮肉られ、モテたことなどありません。
目の前に現れた可愛い女性に誘われると幻だと考え、
どうせ3日間だからせいぜい幸せになろうと開き直ります。
あとの2人は最初から相手が幻だとわかっています。
幻だからと言ってすでにこの世にいない人というわけではなく、
自分も相手のことを想い、相手も自分のことを想っていた、
そんな相手が目の前に幻となって現れます。
それぞれの話がちょっとずつ交錯していて、最後は「幸せなヤラレタ感」。
小品ながら、くり返し観たくなる良作でした。
監督:宝来忠昭
出演:小木茂光,徳山秀典,佐藤めぐみ,田中美里,柳めぐみ,
葛西幸菜,松本タカヒロ,森廉,藤村聖子,螢雪次朗他
昨年の夏から冬にかけて、全国で数館、あとは映画祭などで上映された作品。
大阪では第七藝術劇場で上映されていましたが観に行けず。
そういえば前日の『オゾンビ』もやはりナナゲイで上映していたような気が。
同じく先月DVD化されたのでレンタルしました。
東京・吉祥寺のハモニカ横丁にある居酒屋「あんてる」。
店名の由来は店主の名前、アンドウテルオから。
常連客は彼のことを「あんてるさん」と呼ぶ。
ある日、店の宣伝も兼ねて出演した地域のラジオ番組で、
あんてるさんは不思議な花が存在することを知る。
“アンデルセンの花”と呼ばれるその花は、花びらに特殊な成分が含まれている。
開花時に花びらに触れると、3日間、幻を見るらしい。
ラジオの収録帰りに近所の花屋に立ち寄ると、
“忘れろ草”と札の付いた鉢植えの花が売られているではないか。
これこそまさにその“アンデルセンの花”ではないかと、
あんてるさんは思わず買ってしまう。
店に帰ると妻のナミエが待っていた。
口べたでろくに宣伝もできなかったあんてるさんにナミエはニッコリ。
もう店を畳んでしまおうと言うあんてるさんだったが、
ナミエはとりあえず常連客を呼び出して忘れろ草の話をしてみろと言う。
話に釣られてやってきた客はまだ若い3人。
サラリーマンのクサナギ、シンガーソングライターのチサト、工事現場の警備員タカユキ。
忘れろ草の花びらに触れ、もしも幻を見ることがあれば、
後日報告に来るということで席を立つのだが……。
それぞれにワケありの3人は、しばらくして幻に出会います。
誰の幻に会ったかを書くとネタバレになってしまいますが、
クサナギは勝手な言い分で出て行った妻のノリコに。
チサトは一緒にデビューするはずだったナオミに。
タカユキは田舎にいる姉に。
3人とも忘れろ草の話を半分は信じながら花びらに触れているので、
日常に予期しないできごとが起こると、これは幻だとまず考えます。
それが幻ではないこともあって、ちょっと可笑しい。
特にタカユキに関しては、昔から犯罪者顔だと皮肉られ、モテたことなどありません。
目の前に現れた可愛い女性に誘われると幻だと考え、
どうせ3日間だからせいぜい幸せになろうと開き直ります。
あとの2人は最初から相手が幻だとわかっています。
幻だからと言ってすでにこの世にいない人というわけではなく、
自分も相手のことを想い、相手も自分のことを想っていた、
そんな相手が目の前に幻となって現れます。
それぞれの話がちょっとずつ交錯していて、最後は「幸せなヤラレタ感」。
小品ながら、くり返し観たくなる良作でした。