『オン・ザ・ロック』(原題:On the Rocks)
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレイ,ラシダ・ジョーンズ,マーロン・ウェイアンズ,
ジェシカ・ヘンウィック,ジェニー・スレイト他
シネ・リーブル梅田にて3本ハシゴのラスト。
フランシス・フォード・コッポラの娘ソフィア・コッポラ監督の作品です。
もう親の七光り感なんてとっくにないですね。
Appleオリジナル映画で、AppleTV+での配信に先駆けて劇場で公開。
ローラ(ラシダ・ジョーンズ)とディーン(マーロン・ウェイアンズ)は幸せな結婚をし、
可愛い娘ふたりにも恵まれた。
作家のローラの執筆がちょっとスランプに陥っている以外は何もかも順調のはずが、
最近仕事で多忙なディーンが浮気しているような気がする。
ローラが父親のフェリックス(ビル・マーレイ)に相談したところ、
何歳になってもプレイボーイのフェリックスは、ディーンの行動を調べるべきだと言い……。
夫の尾行を父親とすることになった娘。
ほぼ会話で成立しているような作品なのですが、全然退屈しません。
そして、ニューヨークの街並みやメキシコの浜辺が楽しい。
ビル・マーレイって本当に不思議な俳優です。
ちっともイケメンじゃないのに、オシャレが似合っているように見えて、
放っておけないおじさまという感じ。
女と見るや声をかける父親に娘は辟易しているのに、
やっぱり父親のことが大好きなんですね。
父親の言うとおり夫が浮気していればいいと思っていました。
だって、妻の誕生日に出張だからって、
娘たちと相談して用意してあったサプライズプレゼントがあれって。
「俺って妻のことがよくわかっている夫だろ」と言わんばかりのアカンやつ。
妻のリクエストでもないのにあんなもんくれる夫は最悪と思っていたけれど、
こんなハッピーエンドが待っているとは。騙された(笑)。
特筆すべきことは何もないけれど、ホッとできる作品です。
こういう映画を撮る監督って、自身が幸せなんだろうなぁと思う。