夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『GOLDFISH』

2024年02月10日 | 映画(か行)
『GOLDFISH』
監督:藤沼伸一
出演:永瀬正敏,北村有起哉,渋川清彦,町田康,有森也実,増子直純,松林慎司,
   篠田諒,山岸健太,長谷川ティティ,成海花音,山村美智,うじきつよし他
 
DVDで観た作品については「今年観た映画50音順」でしかご紹介しなくなりましたが、
久しぶりにこれは書こうと思います。TSUTAYA DISCASにてレンタル。
 
映画の話に入る前に、まずこの話をしたい。
あんなご時世だったから、ごくごく一部の友人にしか話せずにいたことがあります。
 
実は、まだコロナ禍にあった2021年の夏、“亜無亜危異(アナーキー)”のライブに行きました。
亜無亜危異は1978年に結成されたパンクロックバンド
ヤマハ主催のコンテストに出場して話題となり、1980年にデビュー。
熱狂的なファンを持つバンドですが、私はほとんど聴いたことがありません。
だから、友だちに誘われたものの、まだまだコロナのさなかにわざわざ行くかぁ?と躊躇。
ただ、会場が“味園ユニバース”だったのでぜひ行ってみたいと思いました。
友だちもそれで私を誘ってくれたそうです。
 
開場待ちの間にすでにビビる私。普通のコンサートの客じゃないでしょう(笑)。
そもそも亜無亜危異ってステージ衣装がナッパ服(旧国鉄の作業服)なんですよね。
ナッパ服を着た客はさすがに見かけませんが、でもなんかそれっぽい。(^^;
 
いざ、死ぬまでに一度は覗いてみたいと思っていた味園ユニバースに入場。
ミラーボールの下、ワンドリンク制ゆえに買ったドリンク(コロナのためアルコールなし)を飲む。
始まる前から客層を見ているだけで楽しいけど、不安がよぎる。
アンタはハダカイノシシかと言いたくなるオッサンとか、酔っぱらって足下ゆらゆらのオッサンとか。
上演前に「ライブやモッシュは禁止です」と放送しているけれど、この人らが普通に聴くわけがない。(^^;
こんなライブに参加して、コロナもらわんやろかとか。
 
そんなバンドです、亜無亜危異って。
 
さてさて、本作はその亜無亜危異のギタリスト藤沼伸一が監督に初挑戦した作品。
作中のバンド名は“ガンズ”ですが、亜無亜危異をモデルにしています。
 
1980年にデビューし、コアなファンを獲得したツインギターの人気パンクバンド“ガンズ”。
しかし、メンバーのひとりが傷害事件を起こしたせいで活動休止に追い込まれる。
 
あれから30年が経過。
唯一音楽活動を続けていたギタリストの片方、イチ(永瀬正敏)のもとへ、
ボーカルを担当していたアニマル(渋川清彦)から電話がかかる。
アニマルは再結成しようと言うが、金に困って誘ってきたことは明らか。
最初は相手にしなかったイチだが、やがて再結成に前向きに。
 
当時のプロダクション社長(山村美智)を訪ねて相談すると、
5人全員が揃うならば出資してもいいという人物がいるとのこと。
イチとアニマルはベースのテラ(増子直純)、ドラムのヨハン(松林慎司)に同意させ、
傷害事件を起こした張本人ハル(北村有起哉)の居所を探しに行く。
 
同棲相手の雅美(有森也実)に養われるヒモ生活を送っていたハルだったが、イチらの説得により、覚悟を決める。
こうして再結成に向けて始動したガンズは……。
 
全部が全部実話ではなく、フィクションの部分も多いようです。
けれど、亜無亜危異ファンにとっては嬉しい作品でしょうね。
特にファンじゃなくても、ライブを一度観た私もすごく楽しかった。
同じ80年代、ジャンルは違えども音楽なしの生活は考えられなかった者として嬉しいのです。
 
ところで、ライブのほうは最初の懸念通り、ダイブした人がいました。
亜無亜危異のメンバーじゃないですよ、上半身ハダカのオッサンが(泣)。
そしてこれまた懸念通り、誘ってくれた友人は数日後にしっかり発熱、コロナに罹患しました。
隣にいた私はどうだったかって?
それが私は罹らなかったのですよねぇ。ワクチン打ってないけど。そのときも今も。(^^;

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