夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『グランド・ジャーニー』

2020年08月25日 | 映画(か行)
『グランド・ジャーニー』(原題:Donne Moi Des Ailes)
監督:ニコラ・ヴァニエ
出演:ジャン=ポール・ルーヴ,メラニー・ドゥーテ,ルイ・バスケス,フレデリック・ソレル,
   リル・フォッリ,グレゴリー・バケ,ドミニク・ピノン,アリアンヌ・ピリエ,フィリップ・マニャン他
 
なんばパークスシネマにて、前述の“ファントミラージュ!”とハシゴ。
他に観るものがなくて選んだそれとは違い、これはどうしても観たかったものです。
 
フランス/ノルウェー作品。
 
南仏の田舎町に暮らすクリスチャンは、絶滅が危惧される雁を救おうと必死。
ここで生まれた雁に渡り鳥としての安全な飛行ルートを教え込みたい。
しかし、上司はただの酔狂だとして、承認する気なし。
 
元妻パオラと暮らしている14歳の息子トマが、
夏休み中、クリスチャンのもとで過ごすことに。
ケータイもまともに繋がらないような場所に預けられて
不満ありありのトマは、何もかもが嫌でたまらない。
 
ところが、雁が卵から孵る瞬間に偶然居合わせたトマは、
彼のことを親だと信じ込んでいるヒナたちを愛おしく感じるように。
ゲーム漬けだった毎日はどこへやら、熱心にヒナたちの世話をする。
 
この雁たちに飛行ルートを教えたいのだと言うクリスチャン。
どうやって教えるのかと問うと、「雁と一緒に飛ぶ」。
15歳未満は飛行機の操縦不可のところ、
クリスチャンにこっそり飛行機の操縦を習い始めたトマは……。
 
実話が基なんですよねぇ、これ。
クリスチャンのモデルとなっているのは気象学者のクリスチャン・ムレクで、
ジャック・ペラン監督によるドキュメンタリー『WATARIDORI』(2001)の制作にも携わった人。
雁に「渡り」飛行ルートを教えるために自分も飛ぼうとするその発想がもう凄い。
 
雁第一でそのためなら書類偽造も何のその。
そのせいで雁が没収されそうになったとき、咄嗟に行動に出るトマ。
超軽量飛行機(ULM)でこんなにも飛べることを私は知りませんでした。
 
どうせほとんどCGでしょ、でもそのわりにCGっぽくないなぁと思っていたら、
ほぼCGなしなのだそうです。
CGではない空や街並みって、やっぱり美しい。息を飲むほどです。
 
あまり鳥が好きではない私も、好きになりそうな作品です。
へろへろになりながらもなんばまで行って観てよかった。

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