夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』

2020年08月03日 | 映画(は行)
『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』(原題:Britt-Marie Var Har)
監督:ツヴァ・ノヴォトニー
出演:ペルニラ・アウグスト,アンデシュ・モッスリング,ペーター・ハーバー,
   マーリン・レヴァノン,ランスロット・ヌベ,ヴェラ・ヴィタリ他
 
この日は武庫之荘で晩ごはんの予定。
西宮で映画をハシゴしてから向かうのが動線的にいちばん良いのに、
次週からの終業後にも近所で観られそうな作品しか上映していない。
致し方なくなんばパークスシネマへ。このパターンって前々週と同じ
 
この劇場では、売店を利用するときにもメンバーズカードを提示します。
すると自動的に映画鑑賞チケットが貰える抽選にエントリーすることになる。
たまにフィッシュ&チップスのセットを購入するのですが、
3回に1回ぐらい当選している気がする。言い過ぎかなぁ。
今回も前々週に行ったときに当たったチケットで無料鑑賞しました。
これがなんばパークスシネマ地獄というものよ(笑)。
 
原作はフレドリック・バックマンの『ブリット=マリーはここにいた』、
スウェーデンのベストセラー作品。それを本国で映画化。
主演のペルニラ・アウグストは国民的女優なのだそうです。
監督は女優でもあるツヴァ・ノヴォトニー。美人!
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(2017)ではボルグの婚約者を演じていました。
美人で、女優で、みずから映画まで撮って、天は二物を与えるもんだ
 
ブリット=マリー、63歳。
ところがある日、夫ケントが心臓発作を起こしたとの連絡を受け、
慌てて病院へ駆けつけると、ケントの傍には見知らぬ女性が寄り添っている。
仕事で忙しいのだとばかり思っていたが、長らく欺かれていたわけだ。
 
わずかなへそくりと小さなスーツケースを手に家を出るブリット=マリー。
職を求めるが、この年齢だし、外で働いた経験は40年前を最後になし。
サッカーに詳しいのならひとつだけ職があると聞き、すぐさま飛びつく。
 
ありついた仕事はボリという田舎町のユースセンターの管理人で、
地元のユースサッカーチームのコーチも兼ねている。
サッカーに詳しいなんて実は大嘘で、サッカー狂の夫に辟易していただけ。
しかも子どものいない彼女は、子どもたちにどう接すればいいのかわからず……。
 
サッカーをまったく知らないオバハンがサッカーチームのコーチになって、
一度も勝ったことのないチームが勝利する話だったら嫌だなぁと思っていました。
それはサッカーをナメてますよね。
 
でもそうじゃなかった。
とりあえずブリット=マリーはサッカー教本を片手に学びはじめ、
集まれば球の蹴り合いだけをしていた子どもたちに、
幾分かは練習らしい練習をさせるようになります。
もちろんズブの素人の彼女が教えたところで、子どもたちは上達なんかしないけど、
少しずつブリット=マリーの頑張りを認めるようになります。
 
「夫は私に想像力がないと言うの。でもそれは違う。私にだって想像力はある。
だって、想像力がなければ、夫の浮気に気づいていないふりなんてできないもの」
とブリット=マリーがつぶやくシーンが心に残りました。
長らく欺いておいて、妻に出て行かれると慌て、連れ戻しに来る夫。
「君がいないと家の中がめちゃくちゃだ」、聞いて呆れる。
妻は家の中を綺麗にするために居るものじゃありませんから。
 
良いお話です。これも男性が聞くと耳が痛いか(笑)。

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