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69枚目 Pete Sinfield

2016年05月05日 05時17分00秒 | アーカイブス:アナログ・レコード
◎「スティル ピート・シンフィールド」(1973年)ワーナー・パイオニア(株)P-6397M
\2000 by Mr.UNIVERSE

SIDE.1
1.シー・ゴートの詩
2.アンダー・ザ・スカイ
3.君なればこそ …
4.ホール・フード・ブギ
5.スティル

SIDE.2
1.思い出の封筒
2.ザ・パイパー
3.夢と希望の家
4.ザ・ナイト・ピープル


「レコード・コレクターズ」2016 年 5 月号の特集記事は、「 70 年代プログレッシヴ・ロックの叙情性」。234 枚のアルバムが紹介されていて興味深く読んだ。
さて個人的には、“叙情性”や“情緒性”をなるべく排した、乾いたプログレが好みなのだが、少ないながら自分のコレクションで叙情性の傑出したアルバムは、どれだろうか?最初に思い浮かべたのが「スティル」である。

「宮殿」から「アイランズ」まで、キング・クリムゾンの作詞を担当する詩人でもあるピート・シンフィールドは、ロバート・フリップとの確執により解雇されるが、その後 73 年に Manticore レーベルから発表された唯一のソロアルバムである。
グレグ・レイクやメル・コリンズの全面協力。その他のゲストもキース・ティペット、ボズ・バレル、ジョン・ウエットン、イアン・ウォーレスなど豪華である。
ピート自身もヴォーカル、シンセサイザー、12 弦ギターを担当している。
叙情性のある美しい曲ばかりではなく、カントリー調の SEDE 1 -3 やフリー・ジャズ寄りのハードな SIDE 2 -4 も悪くはない。
アルバムの中の 1 曲を挙げればタイトル曲 SIDE 1 -5が、素晴らしい。

クリムゾン人脈中心で構成されているので「ああ、ここにロバート・フリップのギターが切り込んで来たら、そのままクリムゾンだな」と思う曲もある。
しかし、このアルバムのような路線を進みたいピートと、「太陽と戦慄」から「レッド」に至る黄金期を画策していたロバート・フリップとの溝は埋まらなかったということだろう。

完全無欠の名盤でないが、キング・クリムゾンを語る上でも必要不可欠なアルバムである。


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