メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

エルグランド…オーバーヒート。3

2017-09-07 12:54:01 | 日産
エルグランドの続きです…


加工に出してたシリンダーヘッドが戻ってきたので作業を再開。

綺麗になりました…




左右共0.05mm研磨して水圧も問題なし。





まずはバルブのラッピングから。



エキゾースト側のバルブシートフェースの状態もあまりよろしくありませんが…
今回は交換やシートカットまではしないので、ラッピングで出来る限り修正します。


燃焼室内のカーボンが排気工程でバルブフェースに挟まれる事でこういう状況が起きます…


エキゾーストバルブ側はバルブコンパウンドも中目、細目と段階を踏んでラッピング。







ラッピングが済んだらバルブを組んでいきます。




左右共バルブを組んだら…



ヘッドの取り付け。


左バンクも…




ヘッドを組み付けたらブロックとの前端面のギャップの測定。


基準値は14.1mm〜14.9mmとなっており両バンク共、基準値内でした。


基準値から外れる場合はシリンダーヘッドを取り付け直す…って整備書には書いてありますが、取り付け直したところで実際に数字が変わるものでもありません…
どちらかというと製造時の精度の問題ですね…
なので測定はあくまでも基準値に入っているかどうかの確認です。

この辺りの面精度が基準値外だとギヤケース取り付け時に歪みが出てオイル漏れなどのトラブルに繋がります。





ヘッドが乗ったらカムシャフトの取り付け。




で、この手のエンジンはチェーンを組み付ける前の状態でバルブクリアランスを測定。
チェーンなどを組み付けちゃうとクリアランスが基準値外だった場合悲惨ですからね…笑

また分解前の数字はあくまでも分解前の数字。
各部をバラしてるので分解前に測定した数字が組み付け時には変わる事もあります…
なので組み付け段階で測定&調整するのがベストです。

バルブとピストンが当たらないように上手くカムシャフトとクランクシャフトを回しながら測定…笑




バルブクリアランスの基準値はINが0.26mm〜0.34mmでEXは0.29mm〜0.37mm。
今回は測定の結果多少バラつきこそあるものの全て基準値内の数値だった為このまま組み付けます。
実際にはクリアランスは全て揃ってた方が良いに決まってます。
個人的にはキッチリ合わせたいですが、拘りだしたらキリがありませんしね…笑
基準値に収まっているのでO.Kという事で…


バルブリフターも再利用可能な事が分かったのでどんどん組んでいきます。
ボンドを塗りインナーケースの取り付け。


ウォーターポンプは新品に交換。





タイミングチェーンをかけて…


この日はタイミングチェーンケースを取り付けたところで終了…



翌朝からVTCカバー類を…



フロントケースが着いたらエンジンをひっくり返しオイルパンの取り付け準備を…


各部品を取り付けた後の面精度の確認。




0.04mmで問題なし。

ストレーナを付けて…


アッパーオイルパンの取り付け。


ロアオイルパンも…





またまたひっくり返してヘッドカバー類を…




スパークプラグも新品に交換します。


新旧比較。
白金でも電極は摩耗するので10万キロ毎の交換を…



フロントセクションのプーリー関係も付けて…



エキマニやら…


インマニにインジェクター…





更にコレクタータンクも…


こういう劣化したバキュームホースも2次エアの吸い込みトラブルになるので…


ついでに交換。
トラブルの芽は事前に対処するに越したことありません…


ここまででエンジン単体の作業は終了。

専用のスリンガーを取り付けて吊る準備をしておきます…






ここからエンジンとミッションをドッキングして更にクロスメンバーにセットしていきます。






クロスメンバーに乗せる前にドライブプレートやセルモータの取り付けも…



クロスメンバーに…


慎重にセット…





合体するとデカイなぁ…


ここから更に残りの補機類を取り付けていきます。
取り外す時にナメたエキゾーストパイプのスタッドも交換して…


触媒の取り付け。


ウォーターパイプ、パワステポンプ、各種ハーネスを接続したら残すは車載です。






が、今日はもう暗いので車載は明日にします…
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