メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…9

2017-09-21 22:37:27 | 整備
最近は車検が多くてヒマもネタも無かったのでブログをサボり気味でした…笑

おまけにここ最近は朝晩の寒い事…
見事に喉をやられて風邪を引きました。


仕事の方は今週と来週は少し落ち着いて10月からまた車検の大量入庫が続きます。


最近の仕事を…

まずは9月前半に車検をしたタイタンなんですが…

フロントアッパーアームとロアアームのボールジョイントブーツに亀裂があった為に本当は車検整備時に交換したかったんですが、お客様の都合上どうしても日にちが伸ばせなかったので、とりあえず車検だけ通して後日ブーツ交換で入庫してもらう段取りにしてあり…

今回再入庫しました。


因みにブーツが破れてたら車検には通りません…

問題のブーツはこんな感じ…


経年劣化で亀裂が入ってます。


ブーツを交換する為に各部を取り外していきます…
今回は上下アームとボールジョイントとの取り付けがボルトなのでナックルスピンドルASSYで取り外してから、ボールジョイントを切り離しブーツの交換をすることに。
その方が作業性がイイです…

まずはタイロッドエンドの切り離し…




ボールジョイントリムーバーが使えるところはさほど苦労する事もありません…

キャリパーは車両側に吊っておき、ボルトを取り外してスピンドルASSYを外します。






ASSYだとめちゃくちゃ重いので注意が必要です…
ここからスピンドルをバイスに固定してボールジョイントを取り外します。




アッパーアーム側はリムーバーが入りますが…




ロアアーム側は形状上リムーバーが使用出来ません…


そこでこのブログにも度々登場する自作SST…
リムーバーが使用出来ない形状のボールジョイントなどの取り外しに便利です…


簡単に作れる割に非常に優秀なSSTです…笑

セットして…


アッパーボールジョイント取り付け穴から叩き棒で叩いて抜き取ります…


ネジ山にもノーダメージで外れます。




ボールジョイント単体にした所でブーツの交換…
古いグリスを綺麗に拭き取り…


新しいグリスを詰めて…


新品のブーツを取り付けていきます…


イコライザーのブッシュがサイズ的にドンピシャ…笑




アッパーボールジョイントは完成。

同じくロアボールジョイントブーツも…
ロア側はアッパー側と違いモリブデングリスを使用してるようなので…
モリブデングリスを。


こちらも適当なアタッチメントを介してブーツの取り付け…




上下とも交換して…


左右共にスピンドルASSYに取り付け。




後は車両に取り付けて完成…




足廻りをバラしているのでサイドスリップも調整して完了です…
因みに車検時のサイドスリップはOUTに0.7だったんですが、今回修理後に測定したらOUTに2.9でした。

意外とズレるモノなので最終的なサイドスリップの確認&調整はやっぱり必要ですね…


お次はお客様から溶接して欲しいとの事で持ち込まれたアイナットとボルト…


どちらともステンレスで、このアイナットとボルトを溶接してアイボルトにして欲しいようなんですが…
市販でありそうな組合せだけど無かったのかな⁉︎

それともこのサイズが大事なのかな…

とりあえず依頼通りに作業。
センターを合わせて…


溶接。


そんな重たい物を吊り上げる訳では無いとの事なのでビードも一層で仕上げ。





お次は以前エア漏れで見積りを出していたQPG-SH1Eプロフィア
承認もおりて作業は別の者が行ったんですが…
取り外したトラクター側ABSモジュレーターにトレーラー用のABSモジュレーターのリペアキットが使えないのか⁉︎…が気になってたのでバラして検証してみる事に…


同じWABCO製で見た目もVCS-2にそっくりなんですよね…
以前からリペアキットに互換性が無いのか気になっていました。

分解すると…




ピストンの仕様が若干違い、VCS-2には無いこんなモノが…


ピストンシールは色こそ違いますがサイズ、形は全く同じ…
左の緑色のシールがもともと付いてたシールで右がリペアキットのシール。


スリーブやOリングも同じ。漏れの原因はこのスリーブが劣化する事で漏れる事が多いので、ここが使えるという事はオーバーホールも可能かもしれません…


ウチでもVCS-2のオーバーホールはある程度実績がありますが…
トラクター側ABSモジュレーターにも問題無い事を確認する為にも作業後の検証が必要なので、自社のトラクターヘッドが同じタイプのABSモジュレーターなので今度時間がある時に試してみる事に…
これが上手くいけば症状がエア漏れなら11万もするモジュレーターを交換しなくてもオーバーホールで修理が可能となります。


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