メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

AD…チェックランプ点灯。

2016-07-15 22:27:39 | 日産
23年式のVAY12のAD…

走行距離は105,000キロ。



エンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫。
確認すると…


現在点灯中ですね。


診断機を繋いで故障コードの確認…


P0303 失火検出(3気筒)…

そのまんまで3気筒でミスファイヤを検出した…という事。
アイドリングも少々バラついています…


正直、この時点ではプラグかコイルの不良かな〜⁇
なんて簡単に考えてたんですが…この後まさかの結末が…



とりあえず、アクティブテストでパワーバランステストを行います。




すると、やっぱり3番だけ変化がありません。

なので3番に何かしらの不具合がある事が推測出来ます…

まずはスパークプラグの点検。





左から1.2.3.4なんですが、やっぱり3番は真っ黒です…
燃焼状態も良くないですね…

イリジウムプラグなんですが、距離も10万キロで交換履歴もない事からとりあえずプラグは交換する事に…


ついでに3番と4番のコイルを入れ替えて取り付けます。


コレをする事でコイルが原因であれば4番の失火を検出するはずです。


で、エンジン始動…

相変わらず1気筒死んでるようなアイドリング…

しばらくアイドリングさせておくと、また点きました。


やっぱり3番なのでコイルの不具合では無さそうです。
念の為、ECUから3番までの配線を調べてみます。



断線や接触不良も無し…

ここでこの失火検出の検出条件を調べてみると…

安定的なアイドリングに支障をきたす程のミスファイヤを2回続けて検知したらチェックランプを点灯させるようです。
クランクポジションセンサーのシグナルが不安定になると…つまり、エンジン回転数の急な低下で各気筒のミスファイヤを検出する…と。


この不調もアイドリング時のみで、アクセルを開ければ吹け上がりも良好です。

失火してる割にはO2センサーの数値は特に不具合があるようには見えませんね…


次にアイドリング時に燃料がちゃんと出てるか?を調べる為、サウンドスコープでインジェクターの作動音を聞くと4本ともO.K…
燃圧も基準値入っているので燃料系には問題無しと判断。

エアーエレメントも良好でインテークラインでの2次エアの吸い込みも無さそうです。


という事でエンジンの燃焼に必要な3要素のうち、良い混合気、良い火花は問題無し…

残るは良い圧縮…という事で、各シリンダーの圧縮比を点検します。

まず1番…

良好。



2番…

良好。



3を飛ばして4番…

良好。


問題の3番…


( ;´Д`)…‼︎‼︎‼︎‼︎



圧縮抜けてる…






正直、年式と距離から圧縮が抜ける事は想定してませんでした…
登録から5年以上経過してるし、距離も10万キロオーバーなのでメーカー保証も期待出来ません…


なのでエンジンをオーバーホールするかリビルトに載せ換えるか…


お客様と相談です。






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