メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

プロフィア…クラッチ修理。

2016-07-26 23:36:20 | 日野
日野プロフィアがクラッチの不調で入庫。

症状はクラッチペダルを踏んでもクラッチが切れずにギヤが入らず…
何回か踏むと入るが、今度はクラッチを踏んでいても車が勝手に進む…という症状。



もうお分かりだと思いますが…原因はクラッチコントロール系統内部でのリークです。

つまり、マスターシリンダーかブースターのどっちか…


大きいトラックになってくるとクラッチのスプリングも強力なものになってくるので人間の踏力だけではとてもペダルは踏めません…
その補助装置として圧縮エアーを利用したクラッチブースターというものを使用してます。


で、早速ブースターを確認してみると…
クラッチオイルが漏れてます…


漏れて油圧がかからずクラッチが切れないんでしょう…
原因はブースターで間違いなさそうですね。


ブースターのホースを外すと出てくるクラッチオイルが異常に汚いので、長期間クラッチオイルを交換してないみたいです…


オイルがコレだけ汚いので、今回はマスターシリンダーとブースターの両方を交換します…


まずはブースターから。
取り外して…


今回はマスターもブースターもリビルトでは無く新品の社外品を使用します…




社外品でもSEIKENの方は純正採用されてるし今までもトラブルは無いのでさほど心配してないんですが…
問題はブースター…
KONGSBERG…という外国メーカー製なんですが、過去に何度かトラブルがあるので正直な話…あまり使いたく無いんです…

ただ、このお客様は自家整備がある運送会社さんで部品は全て支給品なんですよね…笑

安いんですよ…このブースター。
新品なのにリビルトよりも安いって言うんだから多くの人は食い付きますよね…

まあ、リスクも承知の上での依頼なのでそれ以上は何も言いませんが…




ステーやブラケット、プッシュロッドを付け替えて…


車両に取り付け…



お次はマスターシリンダーを。



日野はレンジャーもプロフィアもそうですがペダルユニットごと取り外してクラッチマスターを交換します。
ブレーキバルブも同様です。

エアホースと室内側のクラッチとブレーキのコネクターを取り外せば、後は取り付けボルトを外すだけで簡単に外れます。












後はバイスに固定してマスターを取り外して…





新品のマスターシリンダー。


純正品もそうですが、プッシュロッドもキットに含まれてます。
で、コレもペダルユニットを外さないとプッシュロッドは交換出来ないんですが…

ペダルユニットは外さなくてもシリンダーだけなら交換出来るので、それで済ますメカニックも中にはいます…

ただ、キットにプッシュロッドも含まれてる…という事は同時に交換して下さい…という事。
それなのに交換しないのは面倒くさいのか…それとも知らないのか…は分かりませんが。




プッシュロッドも交換してシリンダーを取り付け。





ペダルユニットを外したついでにペダルリンクや摺動部をグリスアップしておきます…




車両に取り付け…


ホースやコネクターを接続してエア抜きを…



で、エア抜きも終わり各部の漏れの確認をして完了です。



交換したクラッチオイル…


汚ね…

明らかにしばらく交換してないですね…


クラッチオイルもちゃんと車検毎に交換しましょうね…












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