おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

林檎

2006年10月04日 | 日記・エッセイ・コラム
毎日食い続けた林檎が、あとわずかとなった。

毎年、青森から林檎が送られてくる。青森と言えば林檎。
送り主は、オヤジとオカンの友人のようだ。

詳しくは知らないし、聞く事もないが、
オヤジ達が旅行した時に知り合った人らしい。

もう5~6年経つだろうか?
フルムーンでもないが、オヤジ達は夏に毎年旅行をしていた。
訪れた先の青森で良い出会いがあったのだろう。

毎年送ってもらえる林檎だが、少々困った事もある。

「お返しは何にしたらええと思う?」

毎回、こちらから贈るモノに迷ってしまう。

名物がない。

全国的には無名でも、とびっきり美味しいモノがあればいいんだが、
それさえ無い。

「饅頭じゃねぇ~」

結構地元では有名だと思うが、林檎のお返しが饅頭ってのも・・・


山陰の方に親戚が居て、昔はよく梨やカニなどを送ってもらった。

当時はカニの味も分からず、また大人達だけで食べていたのだろう。
カニを食った記憶は残念ながらない。

梨は段ボールで1箱、ドーンと送ってもらっていたので、
大人数の家族であったが、4~5個ぐらいは1人ずつ分けられた。

当時の食卓にはテーブルではなく、卓袱台の大きいバージョンといった
机が置かれたいた。
そして、引き出しがついている。

各自、座る場所が決まっていて、
その引き出しの中に、茶碗や箸、大人達は湯呑みまで入っていた。

毎年送られてくる梨。
段ボールの中からオカンが取り分けて渡してくれる。

緑色の紙で覆われた梨。

それを大事に引き出しにしまう。

いつ食べるかは、個人の判断に委ねられる。

が、弟はいつも貰った時に、食べ終っていた。

「年上なんやからぁ~」

僕が食べようとした時には、何故か弟にも分けていた。

半泣きの僕。


でも、次の朝ごはんを食べる時、引き出しを開けると、
食べて減ったはずの梨が、何故か増えている。

誰が入れてくれたのか調べる事もなかったが、
そんな気づかいをしてくれた事を、嬉しく思ったものだ。

今年の林檎も、もうすぐ食べ終る。

僕自身、一度も逢った事のない人からの贈り物。

毎日食べながら、昔の事が鮮明に甦った。
 


コメント
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