梅雨を通り抜ければ、“熱い”夏がやってくる。
熱戦がまだまだ続いているワールドカップ。今回は日本代表の試合も
殆ど観戦したが、どうも個人的には「サポーター」のテンションについていけない。
「騒ぎたいだけちゃうん?」
そんな目で見ていたが、ちょっと視点を変えて、
“青いジャージを着た阪神ファン”
と思ってみると、いかにも楽しそうな画面に見えるから不思議だ。
「愛国心」
サポーターの熱狂を見ていて、そんな言葉が浮かぶ。
それがあっているのか分からないけど、似たような思いになる事がある。
夏の高校野球。スター選手や強豪校が登場すれば、注目してみるが、
それ以外にも「地元チーム」の勝敗が気になる。
「郷土愛」
ずっと地元に住んでいれば分からないが、故郷を離れて暮していると、
出場校を通して、懐かしい地元の事が浮かぶ。自分の「出身校」でなくても
気になる。
ワールドカップは「勝たなくてはいけない」もんだろう。
高校野球にしてもそれは目標であるけど、ここまで心を“揺さぶる”存在で
あり続けるのは、負けたチームにもドラマがあるからだと思う。
「敗者の美学」
とまでは言わないが、そのドラマに惹かれる事があるのも事実だ。
ここに一冊の本がある。
島津愛介氏著「敗け組甲子園」
題名通り、熱戦の末、甲子園から去っていったチームの記録である。
少し紹介してみよう。
“その時、テレビカメラはバックホームのため突っ込んで来た中堅手の動きを、
クローズアップでとらえていた。
捕球態勢にはいる。 そして、返球。
一瞬、球場全体を静寂がおおった。
間をおいて、悲鳴のまじった歓声がゆっくりと湧きあがっていた。
だが、テレビはまだ一瞬の静寂の謎が解けない。予定通りのカメラ割りで、
本塁でのクロスプレーを狙って切り替わる。
そこには、歓喜のガッツポーズで駆け抜けるランナーの姿があるだけだった。
あわてて、テレビカメラは白球の行方を追い掛けた。NHKに相応しくないような
ぎくしゃくとした画面の乱れを垣間見せたあと、カメラはようやく納得した。
サヨナラゲーム
中堅手は捕りそこねたのだった。落ち着きを取り戻した画面の中を、
その背番号8番が必死に駆けていく。
それはなんとなく悲しく、残酷な映像であった。”
収録されているドキュメンタリー「トンネル」の冒頭である。
この他にも、
「落球」「一瞬のマウンド」「PL学園をあわてさせた男」「全力疾走」など。
すでに沖縄では予選が始まっている。
ぞくぞくと「おらがチーム」の予選も始まっていく。
今年の夏もいつもと変わらない。
この夏が終わるまでに一度も負けないのはたった「一校」だけだ。
そして、その「一校」以外は、この夏に「一度」だけ負ける。
負ければ終わりの高校野球。
今年もそんな“熱い夏”がもうすぐやってくる。
熱戦がまだまだ続いているワールドカップ。今回は日本代表の試合も
殆ど観戦したが、どうも個人的には「サポーター」のテンションについていけない。
「騒ぎたいだけちゃうん?」
そんな目で見ていたが、ちょっと視点を変えて、
“青いジャージを着た阪神ファン”
と思ってみると、いかにも楽しそうな画面に見えるから不思議だ。
「愛国心」
サポーターの熱狂を見ていて、そんな言葉が浮かぶ。
それがあっているのか分からないけど、似たような思いになる事がある。
夏の高校野球。スター選手や強豪校が登場すれば、注目してみるが、
それ以外にも「地元チーム」の勝敗が気になる。
「郷土愛」
ずっと地元に住んでいれば分からないが、故郷を離れて暮していると、
出場校を通して、懐かしい地元の事が浮かぶ。自分の「出身校」でなくても
気になる。
ワールドカップは「勝たなくてはいけない」もんだろう。
高校野球にしてもそれは目標であるけど、ここまで心を“揺さぶる”存在で
あり続けるのは、負けたチームにもドラマがあるからだと思う。
「敗者の美学」
とまでは言わないが、そのドラマに惹かれる事があるのも事実だ。
ここに一冊の本がある。
島津愛介氏著「敗け組甲子園」
題名通り、熱戦の末、甲子園から去っていったチームの記録である。
少し紹介してみよう。
“その時、テレビカメラはバックホームのため突っ込んで来た中堅手の動きを、
クローズアップでとらえていた。
捕球態勢にはいる。 そして、返球。
一瞬、球場全体を静寂がおおった。
間をおいて、悲鳴のまじった歓声がゆっくりと湧きあがっていた。
だが、テレビはまだ一瞬の静寂の謎が解けない。予定通りのカメラ割りで、
本塁でのクロスプレーを狙って切り替わる。
そこには、歓喜のガッツポーズで駆け抜けるランナーの姿があるだけだった。
あわてて、テレビカメラは白球の行方を追い掛けた。NHKに相応しくないような
ぎくしゃくとした画面の乱れを垣間見せたあと、カメラはようやく納得した。
サヨナラゲーム
中堅手は捕りそこねたのだった。落ち着きを取り戻した画面の中を、
その背番号8番が必死に駆けていく。
それはなんとなく悲しく、残酷な映像であった。”
収録されているドキュメンタリー「トンネル」の冒頭である。
この他にも、
「落球」「一瞬のマウンド」「PL学園をあわてさせた男」「全力疾走」など。
すでに沖縄では予選が始まっている。
ぞくぞくと「おらがチーム」の予選も始まっていく。
今年の夏もいつもと変わらない。
この夏が終わるまでに一度も負けないのはたった「一校」だけだ。
そして、その「一校」以外は、この夏に「一度」だけ負ける。
負ければ終わりの高校野球。
今年もそんな“熱い夏”がもうすぐやってくる。