どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

夏の旅 §2.ヨドコウ迎賓館

2012年08月16日 | 日記
本を読もうと思った時 それが図書館であれブックストアであれ 書評や紹介などの知識無しに偶然にして出逢った時の喜びというものは格別 別格である

おそらく恋愛もそうなのだろう(だから時々勘違いで結婚する・・・人もいるらしい)

友人との出会いも同じ

私がよく口にする伊東忠太(一冊の本)との出会いもまさに偶然であり 一切知識の無い無垢の脳に受けた突然の衝撃であった

だからこそ私は瞬時に 恋に落ちたかのように惚れ込んでしまったのだ 


私の旅は 建築や街並みを見ることを中心とした旅である

すでにどこに何があり どんな姿であるかは全て知っての旅

いわば それをこの目で確かめるための旅だ

勿論それは嬉しいことではあるし とても大事なことではあるのだが 時折確認作業をしているかのような ある種の物足らなさのようなものを感じることもある

だが ライトの「ヨドコウ迎賓館」は素敵だった

どこもかしこもライト節だった

繊細な彫刻を施した豪快かつ柔らかな大谷石 マホガニーの複雑な木組みはすでにお馴染みの手法


一番の感動は 自然(地形や風景)と建物の見事な調和だろうか

4階建てのように見えるが 実はどこも1階か2階建てであるのはこれが斜面に沿って建ててあるからだ

南北に長い建物の西側には芦屋川が流れ 長い廊下ではこの建物のモチーフとなっている銅版の飾りがはめ込まれたガラス窓が作り出す光と影の演出が愉しめる

自然光と風を取り入れるための沢山の小窓は 実際には雨の多い日本には不向きで結局ガラスをはめ込むことになったが それでもすべての部屋のアクセントの一つとなっている

海風 山風 そして川風が流れる

窓から見える風景自体が 壁に架けられた1枚の絵のように感じられる

ここに絵画は必要ない

自然の織りなす姿こそが ここでは絵画に成り得るのだから

自由自在のモールディングを楽しみながら 山を登るかのような気分で階段を上がる

その4階には どの階にも無かった突きあがる高い三角天井を持つ食堂

そして海側に向けて長く伸びたバルコニーはまるで船のデッキのよう

初めに土地を選んだのか 意匠のイメージに合う土地を探したのか その経緯はわからないが これがライトの建築空間なのだろう 

 
沢山写真を撮った

だがその時 私が今撮っているこのアングル 私がカメラを構えたこの場所に 今までにここを訪れた多くの人の息遣いのようなものを強く感じた

誰もが感動するものというのは そういうものだ

そして 事実 ネットには多くのこの建築の写真が存在している

今更私がここで公開することも無かろうと 帰宅してから写真をPCに取り込んでいる時に思い始めた

興味のある人は検索すれば山と出てくるし 私の写真も似たようなものだから

私の心情を表現する材料となるものや説明の補足となるものだけを 今回の旅の写真としてここに載せようと思う

それに 言葉のほうがはるかに早く載せられるし しかも日毎に忘れそうなので早く書き上げたいということもある

後日 暇が出来たら 日記とは別の場所に写真だけを載せようかと考えている

と書いたものの 写真を選択していたら迷いが生じてきた

説明の補足として成立しているかどうかはわからないが 一応選んだものを載せておく

バルコニーからの眺めや流れる風は 可能であれば是非いつかご自分で体験されることを望んで 




大谷石 小窓 緑青の美しさゆえに選んだ銅版のモチーフ 灯り そして窓の絵画 などが見て取れる




光と影




川沿い西側の長い廊下 左側腰丈ほどのところにわずかに見えているものがミニチュアのようなガラスの扉 
日本間を抜けて東側の窓の外までが通して見える窓の入れ子のようなところが面白い




最上階食堂の天井(お馴染みのライト節炸裂)

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2 コメント

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ヨドコウ迎賓館 (すみとも)
2012-08-16 13:27:08
ステキですね~!!

素晴らしいお写真に 息をのみました。。 

いつか・・・・行ってみたい^^
返信する
好いねっ! (夕焼け小焼け)
2012-08-16 16:56:21
西洋アンティークのようでもあるし
凛とした 和の趣がなんともすてき!

わび さび の空間ですね~@@
 
旅にソウテイガイはつきもの それもまた
記憶の一ページに 忘れ難い思い出として
残ることでしょうね~^^

大雨にも降られず 予定をこなすことができて
最高の夏旅でしたね~♪
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