中学生は努力をしたり、難しいことに出会っても工夫して生活することで、たくましくなります。
こうだろうか、こうしてみたらどうだろうかと、知恵を使い、体を使ったりして、ものごとを成し遂げます。
そして、できたときに満足感を得て、やってよかったと思います。
このようなときに、子どもの生き方にたくましさが身についていくのです。
たくましさは、なにも体格や体力だけではなく、人の喜びや悲しみ・憂いがわかること、つまり人の心がわかることも重要です。
中学生はいずれ社会に出て、大人として生きていかなければなりません。社会では仕事上の困難に出会うこともあるでしょう。人間関係の悩みに出会うこともあるでしょう。
いつまでも親が横についていることはできません。
では、子どものたくましさを育てるためにはどうすればいいのでしょうか。
私が小学生のとき、冬休みの間に何か工作をしてきなさいという宿題が出ました。
私は指人形を作ろうと思いました。それまでに学芸会などでよく指人形の劇を見せてもらったので、指人形に興味をもっていたのでした。だったら、その指人形を作ろうと思い立ったのでした。
家で、鍋に水を張り新聞紙をちぎって入れ、グツグツ煮ました。そして紙粘土を作り丸く固めて頭を作りました。
そのあと、母から紺色と白色の細かいギンガムチェックだったと覚えていますが、布の端切れをもらい指人形の服にしました。
そして、紙粘土でつくった頭は絵の具で色を塗りました。
それを見ていた父が私に尋ねました。「指人形の手はどのようにして、動かすつもりだ?」
そうでした。私は自分の指を入れる人形の手を付けていませんでした。
そこで、紙粘土で指人形の手を作り、ボール紙を筒状に丸めて、指が入るようにして、服の中に取り付けました。
この父親の登場の仕方が、なかなかよいのだと、今になって思います。
わが子の努力が続き、このまま完成させてしまえば手の動かない指人形になるというときに、つまり手助けが必要なときに手を貸しているのです。
過保護な親なら、子どもがまだ努力できる段階で手助けをして、横から子どもの課題を奪ってしまうのです。
また、過度の放任の親なら、子どもが手が動かない指人形を完成させてしまってから、動かないとなって、「なにしてるんだ。手が動かないやないか。もっと考えて作れ!」と怒るのです。
このように、子どもに手助けが必要なときに、さりげなく登場する親のかかわりが、子どものたくましさ育むのでないかと、私の少年時代をふりかえり、思います。
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