箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

人間とロボット

2020年05月01日 07時04分00秒 | 教育・子育てあれこれ

新型コロナウイルス感染対策として、収束後はロボットが活用されていくかもしれません。

事実、たとえばすでに国内の焼肉店では、注文した品をもって、テーブルとテーブルの間の通路を縫うように動き、お客さんまで配達する「配膳ロボット」を導入しているところがあります。

もとはお店側の省力化のため導入されたものですが、いまは人どうしの接触を避ける効果もあります。


去年暮れの紅白歌合戦では、AIが美空ひばりを再現しました。

また、キオクシアは、手塚プロダクションと組み、AIを使い、約31年ぶりに「手塚治虫の新作マンガ」 ぱいどんを制作しました。

近年のAIの進化にはすばらしいものがあります。

「もし、いま、美空ひばりや手塚治虫が生きていたら、どんな歌をうたうか、どんな未来を描くか」がテーマになりました。

過去の歌やマンガの長編・短編のたくさんの歌い方やセリフをAIに学習させ、原案をつくります。

それに作詞家、作曲家や漫画家が肉付けをしました。

このようにして、美空ひばりの歌、手塚治虫のマンガが再現されたのでした。

また、いまや人の心に寄り添うロボットも現れています。

GROOVE Xは、昨年12月に家庭型ロボット「LOVOT(らばっと)」を発売しました。

今までのロボットは、仕事の生産性をあげ、余暇の時間を増やすことで、間接的に人を幸せにしてきました。

ところが、LOVOTはペットと同じようにかわいがられることで、直接的に人の心を癒してくれます。

ペットの行動パターンや習性をAIに覚えさせ、名前を呼ぶと振り向いたり、家族の後ろをついてきたりします。

LOVOTの生みの親である林要(はやしかなめ)さんは言います。

「一方的に与えられる関係だけでは人は成長しない。人間とロボットがいかにインタラクティブ(=双方向)な関係を作れるかが今後のAIロボット社会の発展においては重要になるでしょう」

今後は、ドラえもんのようなロボットが生まれるのかもしれません。

ドラえもんは、とても人間ぽいのです。のび太を励まし、叱り、ときにはいっしょに涙を流してくれる。

AIには限界があると言われていますが、私は少し考え方が変わりました。

人と人の分断が進む、いまのわれわれの人間社会では、孤立が深まりやすい。

その孤立をテクノロジーが癒してくれる時代が来るのかもしれない。

4次元ポケットからいろいろな便利なツールを出す側面よりも、もっと人の心に寄り添う側面が、今後さらに開発されてくるのかもしれません。

(本文および写真は、朝日新聞出版『AERA』2020年3月16日号の「未来の背中が見えてきた」の記事を引用しています)



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