箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

分配と言うなら、さらなる待遇改善を

2022年07月12日 07時18分00秒 | 教育・子育てあれこれ
政府は「分配」と銘打って、看護・介護・保育に携わる人の報酬を改善する公約をかかげました。

そして保育士の場合、たしかに給料は9000円増えました。

ただ、報酬は上がりましたが、手付かずの課題が残ったままです。

それは、保育士の配置基準です。

配置基準とは、子ども○人に対して、保育士が1名配置されるという基準のことです。

たとえば、3歳児に対しては、子ども20人に対して保育士が1名配置されます。

この配置基準は1969年から変わっていません。

少子化が進み、子どもの数が減ってきても変わらないままです。

もっとも、その間に共働き夫婦が増えているという実態はあります。

しかし、保育士一人がみる子どもの数は親の就労とは関係がありません。

育ち盛りのこれから集団でのルールを覚えていく子たちの成長は、保育士の自助努力でささえられているのです。

たとえば、食物アレルギーの子が増えています。

誤食がないように、調理員と担任で気を配り、ほかの子の分を食べてしまわないように、目印をつけたりします。

保育は小さな子どものいのちを預かるハイリスクな仕事です。

その一方で、保育日誌をつけたり、毎月の保育計画をつくり、自治体に提出します。

お昼寝の時間や、子どもたちが帰ってから書きますが、勤務時間内で終わらせるのは難しいのです。

自宅へ持ち帰らなければならないことが多いのです。

それなのに、フルタイム労働者の平均月収は307,400円に対し、すこし上がったとはいえ、保育士は256,500円で大きく下回っているのです。

本当の意味での待遇改善が強く求められるのです。




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