箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

現場の最前線に立つ人

2021年01月14日 08時19分00秒 | 教育・子育てあれこれ

新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。

教育関係なら、教育行政にかかわる人は、現場の最前線で児童生徒に向き合う教員が、感染防止のためどういう状況にあるかを知らなければなりません。

その教員のたいへんさに耳を傾けなければなりません。



医療関係なら、感染対策の行政や役人・官僚は、現場の最前線で患者さんに向き合う医師や看護師の状況を知らなければなりません。

今回、新聞に医療従事者の中でも、とくに看護師の置かれた過酷な労働状況について記事が載っていましたので、要約してお伝えします。

いまの新型コロナウイルス感染拡大状況の中で、医療現場のひっ迫状況は看護師の使命感に頼むだけではもう限界に来ていると考えられます。

「看護師さん、たいへんですね。がんばってください」と拍手を送るような美談で済ませられない状況になっています。

とくに、新型コロナウイルス重症患者専用のICU(集中治療室)が、看護師にとって過酷だそうです。

看護師は医師よりもはるかに長い、7~8時間もの間、感染リスクの高い「レッドゾーン」で働きます。

ICUでは、重症患者に装着した人工心肺装置「ECMO(エクモ)」が安定して作動すると、医師は病床を離れます。

しかし、看護師はそばで容態を見守り続けます。レッドゾーンでは水も飲めません。防護服を脱いだり着たりするのに時間がかかるため、トイレに行くのもままなりません。

通常は業者に委託している病室の清掃やシーツ交換、理学療法士が行うリハビリまで、すべて看護師が行っています。


また、PCR検査を行う外来の看護師にとっても厳しい状況があります。交代要員はおらず、防護服を着て4時間以上立ちっぱなしで、トイレにも行けない。

看護師の業務は「診察の補助と療養上の世話」と定められているのに、このコロナ禍では「何でも屋」に扱われてしまっています。

勤務時間、休息を定めた労働条件の見直しをすべきです。現状では病院ごとの裁量に委ねられ、対応に差がありすぎるとのことです。

こんな過酷な業務に追い打ちをかけるのが世間からの偏見・差別の「まなざし」です。

第1波の時期には「差別・偏見があった」と回答した看護師は20%を超えました。

「保育園に子どもを連れてくるな」「美容院に来るな」と言われた看護師がいました。

コロナ病棟で働いていることを家族にすら隠している看護師もいます。

医療現場の最前線に立つ人が、なぜこんな差別や偏見を受けなければならないのでしょうか。


医療現場では。慢性的な看護師不足があり、結婚や出産による離職者が多く、休みの取りづらさや待遇面での不満が背景にあるとされます。

そこにコロナ禍での労働環境の悪化、風評被害が追い打ちをかけたと言えます。

第1波のとき「危機を乗り越えましょう」という連帯感が高まりましたが、2波、3波と続く中、無期限にがんばれと言われても無理があります。

誰もが疲弊し、職場の雰囲気が悪化し、離職者は今後も増えるでしょう。

政府は11月25日に「勝負の3週間」と打ち出した一方で、「GoToトラベル」は継続しました。

場当たり的な対応での限界があり、年末になって全国で停止しました。

それでも感染拡大は止まらず、1月7日に緊急事態宣言を首都圏に再発令しました。

政府はGoToトラベルで感染拡大したというエビデンスはないとしていますが、そもそもはコロナ終息後の経済対策がGoToトラベルだったのに、前倒しで強行したのでした。

人が動けばウイルスも動くので、感染拡大は当然だったのです。

また、政府はコロナ対応で派遣される医師には約15,000円/時、看護師には約5,500円/時を補助すると発表しました。

でも、感染リスクの高い状況の中で、患者の命を守るという点では医師も看護師も同じなのに、看護師は医師の3分の1しか支給されない。

このような新聞記事でした。



どんなすぐれた官僚や行政パーソンであっても、現場の最前線で働く人が置かれている実態に目を向けないなら、施策や対応はちぐはぐなものになってしまいます。


コメントを投稿