箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

執着することに意味があるのか

2019年12月28日 11時46分00秒 | 教育・子育てあれこれ


私は、高校のときヘルマン・ヘッセの「車輪の下」を文庫本で読みました。

とても、奥の深い名作で、主人公ハンスは神学校に上位の成績で入学しますが、学習ばかりする自分の人生に疑問をもち、次第にドロップアウトしていきます。

純粋な心を失っていくハンスでしたが、ちょうど時期的に私もそのような心境の頃で、必死で読んだことを覚えています。

その『車輪の下』を書いたヘルマンヘッセが残した言葉に、次のものがあります。

「しがみつくことで強くなれると考える者がいる。

しかし時には手放すことで強くなれる。」

今やっていることをやめたいけど、やめたら先々が不安。我慢していれば、そのうちに何とかなるだろうと考える人もいるでしょう。

しかし、思いきってやめることで、新たな道が開かれることもあるのです。

耐えることも大事ですが、いまの生活が、自分にとってほんとうに必要なのか。執着することに意味があるのかというヘッセからの問いかけを感じとります。


4 コメント

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Unknown (読者です)
2019-12-28 23:08:40
すご〜く考えさせられます。
私事なのですが、22年ずっと同じ職種で積み上げてきたつもりだったのですが、急な人事異動で違う部署に。
どうしていったらいいのか、全く検討がつかず、以前の職種に執着し過ぎて全く次のステップにいけませんでした。
でもこのままではよくない。と思いやっと心の整理をして新たな分野に進むことにしようと思っています!手放すこと大切なのだと…。

なんか愚痴のようですみません。
頑張っていきます。
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Unknown (mi3chu-kocho)
2019-12-29 19:15:26
読者さんに返信
私は36年間ずっと教職でしたので、読者さんの悩みに応えられるかはわかりませんが、私の考えを伝えます。
教職とはいいながら、31年目に教育行政に異動になりました。それまで別の中学校で校長を2年間しており、私は一生現場で学校経営に携わると思っていました。

「なんで自分が」と思いました。中学生のいない職場には、戸惑いました。
教育委員会には2年間いましたが、教育事業や教育施策を発する側になり、役所のやり方に慣れていなかったし、議会答弁を調整したり、答弁書を作ったりしまして、これが自分の仕事かと疑問をもちながらいました。

その後、三中の校長になったとき、教育委員会にいたことの意味がわかったのでした。2年間はムダでなかったと。

「自分に起きるできごとは、すべて意味がある」。これは、私の信条です。

その意味が見えてくるのは、前向きな気持ちでいるときです。ネガティブな気持ちからは、自分にとっての意味が見えにくくなると、私は考えます。

たいへんなお立場かとは存じますが、しがみつかずに、新たな分野でご活躍されることを願っています。
(返信を一度作っていたら、消えてしまったので、再度似た文面で作り直しました。もし1回目のが届いていましたら、ご容赦ください。)
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Unknown (読者です)
2019-12-30 14:28:39
返答ありがとうございます。
すごくためになるお返事に前に進む事にしました。
人生まだまだだなっ!って考えさせられました。ご意見に似た事を言っている人がいました。その時はネガティブな気持ちでいたため、思い返すこともなくすごしていました。少しでもポジティブ思考になるために1歩前進してみます。先がまだ見えませんが頑張ってみます!
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Unknown (mi3chu-kocho)
2019-12-30 19:11:16
行政は法令を根拠として、施策を提案して、そのための予算化を議会で承認を受け、学校の生徒に役立たせる。このプロセスを知ったことが、のちの校長の学校経営に役立ちました。私が自分に起こったことの意味を理解した一例です。
読者さんも、自分にとっての意味を見つけることができたらいいですね。よいお年をお迎えください。
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