PISA調査(学習到達度調査)の結果が出ました。
この調査は、3年ごとに世界の15歳の読解力、数学的応用力、科学的応用力を調べています。
日本はとくに読解力の順位が、世界的にみて低迷していることが、問題点として指摘されました。
懸念するのは、日本の子どもが読解力に課題があるからと、また学校に読解力向上の取り組みを強化する動きになることです。
また、学習指導要領に読解力向上が盛り込まれ、教育改革につなげるのでないかと心配します。
そもそも、PISA調査がいう読解力の豊かさは、価値観の多様化に関係します。
その点で、高い読解力をもつためには、自分なりの価値判断ができなければなりません。
それはちがった価値観を持つ人と対話や議論をして養われていきます。
まして、外国人とのコンタクトが増えている現在、外国の人と意見を交流して異なる価値観を知って、認める経験を積むことで、自分なりの価値を判断でき、読解力につながるのです。
いまの日本の教育現場では、そのような場が十分ではないので、読解力を培う土壌が痩せているのです。
拙速に、たとえば読書に力を入れるとか、「国語の授業を充実させれば、読解力が上がるね」と、短絡的に捉えないことを望みます。
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