箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

根拠のない自信をもつ

2023年06月07日 08時41分00秒 | 教育・子育てあれこれ

一般的にいって、小学生から中学生になってからしばらくは、生徒の自尊感情は大きく下がります。

わたしは、これを小中間のハードルと言っています。

端的にいえば、自分への自信をなくす子が多いということです。

これには、理由があります。

一つは思春期に入り、「自分は何者」と自己を見つめる子が増えるからです。

もう一つは、周りの子と自分の差が見えやすくなるからです。

バスケが上手いと自分では思っていたが、もっと上手い子がたくさんいる。ダントツに上手い。

勉強ができると思っていたけど、中間テストテストでは60点だった。なのにとなりの子は90点をとっていた。

小学校と違い、中学校は周りの友だちとの差が見えやすいからです。

それはいい、わるいの問題ではなく、学校のしくみのちがいなのです。

だから、中1になると自信をなくす子が多いのです。

そこで、中学の教師は、その自尊感情の揺らぎを知った上で、「あなたはあなたでいのだよ」というメッセージを送るのです。

「若い頃は自信をもてばいいのです。それも、根拠のない自身でいいから。なんでもやってごらん。」

そして、気持ちは揺れながらも、自分の葛藤や悩みに折り合いをつけ、「わたしはわたし」と納得して、「がんばっていくよ」と変容させるのが、中学教員の醍醐味である。

わたしは、そのように考えています。


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