箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

次の世代へ伝達する

2021年03月12日 08時25分00秒 | 教育・子育てあれこれ
本日は箕面市立中学校の卒業式です。

晴れの門出を迎えられた生徒のみなさん、卒業おめでとうございます。

新型コロナウイルス感染防止対策をとった上での式となります。通常の卒業式よりも短時間で挙行されます。
 
 
さて、卒業式の答辞(卒業の言葉)で、ときどき親への感謝を言う中学3年生がいます。
 
「お父さん、おかあさん、ありがとう」。聞いている親御さんにすれば、ジーンとくる場面です。 
 
その言葉は、答辞を指導する教員が「お家の人への感謝の文面も入れなさい」と言って、答辞を読む子が書くのではないのです。 
 
それは卒業を前にして、「そういえば、忙しいのに朝ごはんや晩ごはんをいつもつくってくれたよね」「時間をぬって、遊園地にも連れて行ってくれた」と思い出し、素直に親への感謝の気持ちを表しているのです。 
 
人はとかく親にしてもらったことを、つい忘れてしまいがちです。 
 
ただ、だからと言って、「ありがとう」を言おうとキャンペーンを張ったり、道徳の時間に「親に感謝しよう」と説諭するのは、考えものです。 
 
卒業式の答辞のように、いま新しい門出を迎えるときに、過去のことを振り返り、自然と湧いてくる感情や気持ちを大切にした方がいいように思います。
 
そしてそのような感謝の気持ちが起こったならば、今度は将来自分が親になったとき、わが子にも同じようにしようと思うのではないでしょうか。 
 
わが家の場合、わが子をおじいちゃん、おばあちゃんが可愛がってくれました。

だから、自分がその立場になったら孫を可愛く思い、「こうしてやろう」「こうしてあげたい」と自然と思います。 
 
じつは、このお世話になったことを思い出したとき、次の世代に伝達していくという習慣や感覚は、人としてとても大切なのでないかと思います。

周りの人たちに感謝しながら、きょう中学3年生は卒業していきます。


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