箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子育ての多様化に対応できる子育て支援対策

2022年10月04日 07時50分00秒 | 教育・子育てあれこれ


「あなたの国は、子どもを生み育てやすい国だと思いますか」という質問に対して、「はい」と答えた人のパーセンテージが公表されています。(2020年度内閣府「少子化社会に関する国際意識調査」)

スウェーデン 80.4%
ドイツ    26.5%
日本     4.4%

これだけでも、日本で少子化が進む事情がわかります。子どもを産んでも育てるのが難しいと感じる親は二の足を踏みます。



家族支援のために支出される家族関係社会支出の国内総生産に占める比率

スウェーデン 3.42%
イギリス   3.19%
日本     1.65%

日本は保育園や幼稚園の数が少なく、(待機児童の問題が大きく取り上げられ、園の数は増えているにもかかわらず)、産休・育休の制度が整っていません。
産み控える人はなかなか減りません。


女性一人が生涯にわたって出産する子どもの数は2021年で1.30です。ずっと下降しています。出生した数も81万1604人となりこれも過去最低の少なさです。

国や自治体では少子化にストップをかけるために、さまざまな対策をしていますが、どうもその効果が現れてきません。

なぜ、こうも少子化が進むのでしょうか。

わたしはおおざっぱに言って、二つの理由があると考えています。

ひとつは、子育てを母親だけにまかせる慣習に、女性がNoという意識が高まっているからです。

昔ならば、女性は「そういうもの」と思い、家事や育児をこなしてきましたが、今ははたらく女性が4割にもなっても依然として家事・育児を女性が担うことが多く、これでは二人目は産めないと考える母親が多いのです。

それと、ふたつめには子どもを育てるための経済的負担が大きすぎるという事情があります。

2000年頃と比較して共働き世帯は増加しているのに、年収の低い世帯は20年前よりも増えているのです。

教育費にこれだけかかれば、「二人目は無理ね」となります。

いまの時代、母親の就労形態はさまざまになり、幼稚園や保育所の利用方法もさまざまで、保護者の年齢も幅が広がり、多様化してきています。

もはや標準的な家庭とか「ふつうの家庭」を定義するのも無理になっています。

その多様化に柔軟に対応し、保護者が安心して子育てできる環境整備や制度の充実がなければ、子どもを産もうとする親を増やすことはできないと思います。







コメントを投稿