箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

多様化する夜間中学校の役割

2022年12月09日 06時54分00秒 | 教育・子育てあれこれ
夜間中学校の存在意義には大きなものがあります。

とくに関西では、学習する機会をもてなかった在日コリアンが文字を習う場として発展してきた経過があります。

ただたんに言語を学習し獲得するだけではおさまらない、学ぶことで自己を解放し、日本社会に参加することを可能にしてきました。

そんな夜間中学も時代の流れとともに多様な生徒を受け入れるようになってきました。

不登校の生徒は事情があって義務教育の全日制の公立中学校に通えなかった、あるいは通えていない人(不登校特例夜間中学校)にとっての多様な学習の場として、夜間中学はいま機能しています。

また、公立の夜間中学ではなく、ボランティアが運営する自主夜間中学もあり、現在全国に30校以上あると言われています。

さらに、在日コリアン、不登校生、学齢期に通えなかったので学び直しをする日本人以外に、日本語を習得したい技能実習生が通うケースも増えています。

以上のように、学習者のニーズは多様化しており、学ぶいきさつや事情もさまざまに広がっているのです。

そうなると、一つの画一的な従来の教育内容では対応しきれなくなってきています。

一斉授業による講義説明型の授業を脱して、演習や生徒の参加型学習、グループワークなどを行う授業になります。

そのとき、授業者(教師)には、teacherではなくfacilitator の役割が求められます。

また、ICTを活用して、個別学習も可能とする授業への転換が必要となります。

さらには、多様な学習背景をもった人たちが交流できるチャンスがあり、同世代の同調圧力からはじき出された不登校生が外国人や在日コリアンと出会う場、高齢者と出会う機会がもてる可能性を開くのが、現代的夜間中学の役割という側面をもっているのが、今の夜間中学校なのです。










1 コメント

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Unknown (cozycycle1717)
2022-12-11 21:56:02
こんばんは♪

現場の今をご存知の方のお話しは勉強になります。
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