箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

成長する教員とは

2019年06月24日 07時48分00秒 | 教育・子育てあれこれ
 
 
 
 
 
 
私はこの4月から市内各中学校を回って、教職経験の少ない教員の授業を参観して、後でコメントをして指導をしています。 
 
そこで感じることは、最初は人間関係がないので向こうも、こちらも遠慮しがちですが、慣れてくると、多くの人は素直に自分の授業をふりかえり、授業について考えていることを述べてくれます。 
 
私は、最初は授業を見て気がついたことを、ポンポンと相手には言いません。相手が課題に感じていることを言ってもらい、それと私が授業を見て感じた印象や課題と一致したとき、コメントを挟みます。
 
 ほとんどの人が、素直に聞いてくれ、疑問点を尋ねてくれます。
 
そんなとき、私は自分が経験したことを語り、「こうしたらどうだろう」と話します。 
 
私が思うのは、人が伸びたり、成長するのに一番必要なことは「素直さ」だということです。 
 
素直な人はアドバイスや忠告を受け入れます。 
 
中学生の指導もまったく同様です。素直に教師の言うことを受け入れる生徒は、成長するのが早いのです。
 
ただし、人はアドバイスを受けたからといって、すぐにできないこともあるかもしれません。
 
でも、それは、わかったうえでこちらも話しているのです。 だから、あの人が言ったことをいつも取り入れて実践していこうと固くならなくてもいいのです。
 
気軽にとりあえず、できることからやってみようという態度でいいのです。 
 
自分より経験の多い人が言う意見や忠告は、「とりあえずやってみる」がいちばんです。
 
同僚や同じ年齢の教員が言う意見やアドバイスは、あてにできない場合もあります。 
 
しかし、年期の入った人の言うことは、実践の経験に基づいているので信頼性の高いものです。 
 
そして、次のステップアップの段階に入ります。
 
私は、ある先生に「いまこうやって話していると気がつきにくいけど、授業では早口ですね。もっとゆっくりと話した方がいいですよ」と言いました。
 
すると、次にその先生の授業を見たときには、明らかに話すのがゆっくりになっていました。 
 
この態度が大切なのです。とりあえずやってみて、変化が見受けられたから、私も次の課題を言うことができるのです。 
 
もし変化がなければ、「この前も言ったけど、変わらないね」と感じてしまい、言う方も張り合いがなくなってしまいます。 
 
結果的に、その先生自身が成長するチャンスをなくしてしまうことになるかもしれません。
 
指導される人というのは、大人であっても、中学生であっても、素直さととりあえずやってみるという態度こそが、人が育つ秘訣だと思う今日この頃です。  


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