箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

命の選別になる現行の「在留資格」

2022年02月19日 10時50分00秒 | 教育・子育てあれこれ


グローバル時代のなか、日本で就労する外国人が増えています。

一時期はコロナ渦のため人数が減りましたが、今秋に入国制限が緩められました。

しかし、そのさなかにオミクロンの第6波感染が広がり、また入国制限を強めました。

しかし、国内での労働力不足、日本が行う入国制限への国内外からの批判を受け、今年3月から技能実習生の入国制限を緩めます。

これで、待機している技能実習生は日本に来やすくなります。

ではこれでOKかといえば、次は入国後の問題があります。

外国人も当然病気やけがをします。そうなると医療機関にかかる必要がありますが、このとき「在留資格」があるかないかで、十分な医療が受けられるか受けられないかが決まるのが日本の健康保険制度です。

在留資格がない、または90日以内の短期の在留資格では、日本の健康保険に入れないのです。そのため、医療費は高額を支払わなければなりません。

とくに重病の場合は、100%負担の高額な医療費を本人が支払わなければなりません。

これでは、病院にもかかることができません。

もし、がんなどの重病の場合、支払額は数100万円になります。

くわえて、在留資格がないと就労も禁止されます。かつ生活保護も受けれません。

お金がないので治療を受けることをせず、手遅れになる場合も散見されます。

これが福祉国家日本の、「外国人に冷たい」福祉の実情です。

生活困窮者に無料で医療を施す「無料定額診療」という事業があります。

これは患者の国籍に関係なく受けられますが、加盟している医療機関は全体の1%以下なので、医療を必要とする外国人には届きません。

留学生や技能実習生として日本にやってきて、さまざまな事情で在留資格が切れると、入管施設に収容されますが、ここに入れば十分な医療が受けられるのでもありません。

帰国もできず、働くことも許されない、生活保護も受けられない。どのようにして高額な医療費を払えるのでしょうか。

「制度だからしかたがない」ではすまされない問題です。


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