箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

他の人と比べない

2023年04月25日 07時09分00秒 | 教育・子育てあれこれ
学校教育には、児童生徒に対する教育評価があります。
 
評価にはいろいろあり、奥の深いものなのですが、評価といえば「成績評価」を思いつく人も多いのではないでしょうか。

教員が生徒の成績をつける評価方法としては、絶対評価と相対評価があります。

絶対評価とは、指導目標を一人ひとりの児童生徒がどの程度達成したかを5段階(1〜5)や10段階(1〜10)の数字にします。

10や5は指導目標にすべて達しているということで、いわゆる満点を意味します。

極論でいえば、クラスの全員が満点なら全員に10、5がつきます。

一方、相対評価は学習の結果の高い子どもから並べていき、クラスの人数にあわせて最高の10や5がつく子は何人と決まっていて、必然的に10〜1、5〜1のどれかの数字がつくことになります。

その意味で、相対評価は他者との比較でつく評価になります。

そうなると、どうしても人はは他の人と自分を比べることになります。

他と比べると、全体の中で自分がどこにいるかがはっきりするのです。

しかし、比べても自分の力が変わるわけではありません。

比べて悲しむと自分を失い、比べて喜ぶと人を傷つけるたいう側面が、他者との比較の弊害としてあります。

競争が起こりやすく、平穏な心情が保てなくなる場合も起こります。

人の生き方に当てはまれば、人と比べると何に努力するかという、自分の課題か見えにくくなるのです。

絶対評価の場合は、前は6だったので目標に対して6割だったけど、今回は8がついたから8割まで伸ばすことができた。

人との比較ではなく、自分のがんばりの成果を確かめことができます。

そもそも、人は生きているだけで、その人、その人の価値があり、それは不動のものです。

人と比べる必要はないと、私は年齢を重ねるほどその思いが強くなります。






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