箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

いじめZEROは公共性を引き出す

2017年05月29日 13時02分14秒 | 教育・子育てあれこれ



2年生の「いじめZERO」の取り組みです。

いじめに反対する思いを、それぞれの生徒が「私の行動宣言」にまとめています。

たしかに、この活動をしてもいじめは起こるかもしれない。

しかし、活動をすすめることで、宣言内容はその子の中で、意識化されます。

意識化されたことは、いじめをしそうになったとき、いじめを見かけたとき、人から指摘されたとき、いじめをやめる、止める方向に働きます。

三中でこの活動をすすめるかぎり、かりにいじめが起こっても、重大事態につながることがなくなる可能性が開けてきます。

「いじめZERO」の活動を、生徒の自治活動として推進することに意味があります。

大人にもあてはまりますが、今という時代は、関心が他者ではなく、自分に向きやすくなっています。

みんなが、「自分のことをわかってほしい」というヒリヒリとした思いでいることが多いのです。

中学生も同様です。自分に関心が向きやすい生徒たちの集団に、「公共」の視点と精神を取り込むために、自治活動が必要なのです。

自分に向きやすい個人の関心を、他者にも向けさせる

これが「いじめZERO」活動の核心なのです。