高知県メタンハイドレート開発研究会

土佐湾沖の海底にあるメタンハイドレートを掘り出す国家プロジェクトを、高知県に誘致する開発研究会を立ち上げました

事務局通信No.1 2011.3.7 

2011-03-11 | 事務局からのお知らせ

NPO高知県メタンハイドレート開発研究会」設立準備会 

事務局通信No.1 2011.3.7

 

1、新しい局面の展開があり情勢が変化しつつあるので、簡単に経過報告を・・・

 

(メーリングリストでも流しましが、鈴木朝夫先生が昨年12月14日に、高知県技術者協会の依頼で「メタンハイドレートの可能性」について講演されたものが、このほど当協会誌に掲載される事になり、その後の動きを加筆されました。その加筆分からの抜粋です。全文は、ブログ「NPO高知県メタンハイドレート開発研究会 設立準備会」にアップしています。)

 

2010920日、国際戦略特区への申請書を内閣府に提出。

 

124日に第2回メタンハイドレート実用化研究委員会を開き、平朝彦委員長の講演に続いて、増田昌敬准教授の「減圧法」による採掘の状況を伺った。なお、増田先生は、東京大学大学院工学研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター准教授であり、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムのリーダーを務めている。

 

1223日には高知の城西館に於いて勉強会を開いた。翌日、尾崎知事を訪問して概要の説明をした。

 

○年が明けて、特許の出願人が経済産業局長宛の高知県沖の数カ所の試掘権の設定願が2011131日付けで受理された。これは大きな意味を持つと云える。

 

2011218日に馬場理事長、平委員長らが内閣官房地域活性化統合事務局を訪問し、次いで資源エネルギー庁に担当課長を訪問し、国の方針の相談を受けた。

国家プロジェクトとして受け取る態勢が進むことに決まったと思われる。「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」がカナダでの試掘を終えて、フェーズ2に移ろうとしている。この国家プロジェクトとの一体化に進む可能性が高いと想像される。

 

○高知県としては、日本を資源大国にすると共に、国家プロジェクトの拠点を高知県にの思いで「NPO高知県メタンハイドレート開発研究会」の立ち上げを官民挙げて準備中である。5月中旬には発足するべく努力中である。

 

 

2、鈴木先生のNPO高知県メタンハイドレート開発研究会」設立にかける思い

 

(鈴木朝夫先生が昨年12月14日に、高知県技術者協会の依頼で「メタンハイドレートの可能性」について講演されたものから抜粋しました。全文は、ブログ「NPO高知県メタンハイドレート開発研究会 設立準備会」にアップしています。)

 

宇宙材料実験の提案・実施(ふわっと'921992)、高知工科大学の創設(1996)、高知県産業振興センターでの地域振興・地域貢献(2000~2007)の仕事をしてきた筆者が、いまメタンハイドレートに関わろうとしている。宙・空(宇宙開発研究)から、地(地域活性化)へ、そして海・海底(メタンハイドレート掘削)へと向かっている。不思議な因縁を感じる。

不安定な政治情勢であるが挙党態勢が必要、いごっそうな高知県人であるが故に一致協力が不可欠、官民一体の協力態勢が条件である。一元化で進みたい。そして、心の豊かさを取り戻し、後世に残せるような文化遺産を創り出して行きたいものである。

 

 

 

 

 

 

3、「NPO高知県メタンハイドレート開発研究会」設立準備会でのうごき

 

    2011216日、県議会内で、山本広明議員(高知県新エネルギー議員連盟会長・自由民主党 高知県議会議員)新阪急ホテルの喫茶で、大石宗議員(民主党・県民クラブ 高知県議会議員)に、面談。

 

    221日、安藤高知市副市長に面談(川村貞夫 高知市会議員・清流クラブの紹介)

 

    222日、高知県エコ議員連盟の浜田英宏議員 (高知県エコ議員連盟会長・自由民主党 高知県議会議員)、黒岩正好議員(高知県エコ議員連盟副会長・公明党 高知県議会議員)、植田壮一郎議員(高知県エコ議員連盟・県政会 高知県議会議員)、三石文隆議員(高知県エコ議員連盟・自由民主党 高知県議会議員)に面談。(川村貞夫 高知県エコ議員連盟・高知市会議員・清流クラブの紹介)

 

    224日、黒岩正好議員(高知県エコ議員連盟副会長・公明党 高知県議会議員)に、面談。

 

    225日、岩城孝章・高知県産業振興推進部長に、面談。

 

    32日、山本広明議員(高知県新エネルギー議員連盟会長・自由民主党 高知県議会議員)桑名龍吾議員(高知県新エネルギー議員連盟事務局長・自由民主党 高知県議会議員)に、面談。

 

    32日、谷本敏明議員(高知県エコ議員連盟・共産党と緑心会 高知県議会議員)に、面談。

 

    33日、ふぁーまー土居議員(南風 高知県議会議員)、大石宗議員(民主党・県民クラブ 高知県議会議員)、清籐真司議員(南風 高知県議会議員)に、面談。

 

    35日、恩田 馨・高知県総務部長に、面談。

 

 

 

 

NPO高知県メタンハイドレート開発研究会 設立準備会

http://blog.goo.ne.jp/metanh-k

高知県内在住の

〇呼びかけ人:鈴木朝夫(高知工科大学名誉教授・東京工業大学名誉教授)

s-tomoo@diary.ocn.ne.jp 携帯 090-3461-6571

 

〇連絡・問い合わせ先:坂本耕平(携帯090-2781-7348 ① tukasa1@ir.alptec.net ② info@kochifc.net “高知を元気にするボランティア集団”「高知ファンクラブ」 運営事務局長http://kochifc.net 

 

 


メタンハイドレート の取り組み リンク

2011-03-03 | メタンハイドレートに関する記事

メタンハイドレート の取り組み リンク

リンク①

YouTube - 日本は資源大国 海に眠る300兆円 20110123

 

リンク②

メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21研究コンソーシアム) 

経済産業省が平成13年度に策定した「我が国におけるメタンハイドレート開発計画

フェーズ1を遂行するため、資源エネルギー庁から業務を受託

(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、(独)産業技術総合研究所、(財)エンジニアリング振興協会の3者 (プロジェクトリーダー田中彰一東京大学名誉教授)

メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21研究コンソーシアム)を組織

フェーズ1の結果概要と残された課題

フェーズ2の基本方針と体制

 

リンク③ 

バンづけ|真相報道バンキシャ!

今後期待できる日本の海底資源 
(出展:社団法人日本プロジェクト産業協会  05~07年の平均金属価格より評価

  • 1位

    「メタンハイドレート」・・・120兆円相当

     

    メタンハイドレートは「燃える氷」とも呼ばれ、
    新しいエネルギー資源として注目されているんです。

    水深1000メートルの海底。白っぽく映っているのは、全てメタンハイドレートなんです。

    深海探査機で掘ってみると、ブクブクと泡が出てきます。
    これがメタンハイドレートから出るメタンガスなんです。

    日本の海には、天然ガスにして100年分もの
    メタンハイドレートが埋まっているとみられています。
    (海底のメタンハイドレート 提供:JAMSTEC)

     

  • 2位

    「コバルトリッチクラスト」・・・100兆円相当

     


    携帯電話などIT機器には欠かせない鉱物で、
    今、世界で争奪戦になっているレアメタルが、黒い部分にギュっと詰まっているんです。

    例えば、現在は、ほぼ輸入だけに頼っているコバルトは、国内の年間消費料のおよそ200年分。
    電池の材料となるマンガンもおよそ200年分。
    また、ニッケルもおよそ36年分が、
    日本の海底にあるコバルトリッチクラストに含まれている計算なんです。
    (コバルトリッチクラスト 提供:JOGMEC) 

 

 リンク④  画像ほか

メタンハイドレート実用化戦略のミーティング

メタンハイドレート実用化研究委員会の開催

メタンハイドレートって(なに)? 

日本近海のメタンハイドレート分布

 

 リンク⑤

日本が資源大国になる? メタンハイドレートに3つの追い風|inside ...

 リンク⑥

メタンハイドレート入門

 


鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・活力は土佐沖の海底より出づ

2011-03-03 | メタンハイドレートに関する記事

活力は土佐沖の海底より出づ   

                                                                         情報プラットフォーム、No.2801月号、2011

  

燃えるメタンハイドレート

 

日本周辺海域のメタンハイドレートの推定埋蔵域

画像出展:ウイキペディア メタンハイドレート 


楽しい夢を見た。高知から元気と活気を送り出すのである。鉱物資源に恵まれた「黄金の国、ジパング」復活の夢である。深海海底下400mに眠っている膨大 な資源、メタンハイドレートの掘削技術の発明が夢の始まりである。


 ある日、県内企業のZさんから「この特許出願書を見てくれんろうか。」と相談を受けた。メタンハイドレートからメタンを取り出すことの難しさを 多少は知っていたが、従来の「加熱法(温水圧入)」、「加熱法(抗井加熱)」、「減圧法」、「分解促進剤注入法」のどれとも異なっていた。命名す れば「加熱法(掘削先端加熱)」である。「優れた特許だからといって、それが直ちに事業に結び付くとは限りませんよ。」と説明した。


 気体包接水和化合物と言われるように、5.75個の水分子が作るカゴ構造の中に、1個のメタン分子が収まっており、これが立体的に連続して、規 則正しい結晶構造を作っている。高圧・低温の安定領域は、例えば{1気圧,-80℃}、{10気圧,-30℃}、{50気圧, 6℃}である。常温・常圧下でも表面が薄い氷で保護されるために比較的安定で、急に燃え出さず、天然ガスのように自噴することもない。この性質が困難を作 り出している。何れの掘削法も、メタンを分離した途端に水分が凍結し、排出管を閉塞させるのである。


「わしの掘削先端加熱法は、酸素だけを供給して、メタンを局所燃焼させる『その場加熱法』ながじゃ。メタンを効率よく取り出いて、分離してくる水も、堆積汚泥もその場に残しちょく。地上や海底に汚泥を出さんようにし、環境汚染がないがよ。」とSさんは説明する。「加熱範囲が際限なく広がらない局所 的な加熱法で、メタンを取出すに必要な最小限のエネルギーで済むのですね。」、「そうじゃ!!」と会話が弾んだ。


「工事が目的の事業と批判された高知新港(FAZ)やが、今となっては先見の明のある先行投資ちゅうことや。」、「2006年1月に、地球深部探査船「ちきゅう」がFAZに寄港し、一般公開があったときは興奮しました。海洋コア総合研究センターを高知大学に誘致できたのもFAZがあるからこそです ね。」、「高知龍馬空港も2500mになっちゅう。高速道から伸びる高規格道が、FAZを、空港を結んでくれるし。」と夢を膨らませた。


 南国市・高知市を中心とする香長平野は、平坦な広い土地を確保し易く、上記のように交通の要に位置しており、研究支援設備などの立地に最適であ る。試験掘削、実証試験は勿論、実用操業でもFAZは様々な役割を担うことが出来る。メタンハイドレートは高知県沖の南海トラフなどに大量に存在し、その賦存量は日本の天然ガス消費量の約100年分に相当すると言われている。温室効果ガス としての危険性が指摘されているが、海底の泥火山からは常にメタンが放出されており、心配は無用と分かっている。メタンはCO2の発生量が少な く、環境の視点からも理想的である。


「東京のY特許事務所のXさんから、今がチャンスやきと、国が公募している政策提言の申請用書式を送って呉れちゅう。どういても、東京での打ち合わせに同行してくれんかよ。」、「高知の立地条件を拠り所に、発明が高知から出ていることを強調して、高知に拠点を置くような構想ですね。」、「統括責任 者を誰に頼もうか?」、「高知に縁があり、海底探査の実績を持つWさんしか居ませんよ。」、「最適任やか。」と二人の意見が一致した。年頭に当た り、一富士(無
事)、二鷹(高)、三茄子(成す)の初夢を披露させて頂いた。

 

 

ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。

鈴木朝夫   s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

 

 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

鈴木朝夫の講演・出版の記録

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豊かな土佐を取り戻すには ~メタンハイドレートの可能性~(その1)

2011-03-03 | 講演などの資料

  平成22年度講演・祝賀・懇親会((財)高知県技術者協会)、H22,12,14、於;高知商工会館


豊かな土佐を取り戻すには                          

           ~メタンハイドレートの可能性~   

                                                                           鈴木 朝夫 (高知工科大・東工大名誉教授)


1) はじめに   

                                                   
  昔の土佐は豊かだった。須崎上分の大日如来に代表される仏像の発注や大豊の豊楽寺のような寺院造営ができた土佐、各地に残る地方仏を守り続けた地域の人々が暮らす土佐である。その土佐の豊かさは、絵金の芝居絵の鮮烈な赤(朱)の岩絵の具、辰砂にも示されている。物部川上流に水銀鉱山があったのである。塩の道から地産地消・地産外商の実態を知ることができる。
 豊かさの源は地勢・地層にある。空海に倣ってみよう。三波川帯、御荷鉾構造線、秩父帯は関東の地名。黒瀬川帯は愛媛の地名。三宝山帯、仏像構造線、四万十帯は高知の地名。地質学の名称に四国の地名が多い。製鉄に欠かせない石灰岩や蛇紋岩の産地の土佐は資源大国なのである。そしてこれからの資源大国の源泉、メタンハイドレートは南海トラフにある。メタンハイドレートが湧き出す泥火山からはリチウムの濃縮した水が出る。副産物が主産物になる可能性もある。その他にも土佐沖には、コバルト・リッチ・クラスト、熱水鉱床が眠っている。今も日本は資源大国である。その中心地が土佐なのである。


                
2) 久しぶり、仏像との出逢い  

                                     
 近所の香美市立美術館で9月下旬から11月上旬まで開催されていた「古仏との対話-井上芳明と土佐の仏像」を繰返し見に行った。高知県内の仏像25体と井上芳明さん撮影の仏像写真の展覧会である。「土佐魅惑の仏像たち」と題し、青木淳さんの心温まる解説が高知新聞夕刊に連載されていた。大豊町定福寺六地蔵さん達(木彫)がニコニコ顔で横一列の立ち姿で並んでいる。その隣に、湛慶またはその工房作と推定される須崎市上分大日堂大日如来さん(木造・漆箔)が座っている。どの仏さまも私を歓迎してくれているように思えた。若い頃、仏たちに会うためにオートバイで奈良に出かけたことを思い出していた。
  東工大のある大岡山から、九品仏駅(9体の阿弥陀如来坐像)、等々力駅(等々力不動尊)、目黒駅や不動前駅(目黒不動尊)は至近距離。これらの仏さまに関心を持ち、久野健著「日本の彫刻」(吉川弘文館(1959))を買ってきた。仏の名称の由来も、姿や形や振りの持つ意味も知りたくなる。鎌倉を始めとする近郊のお寺回り、仏さま巡りが始まった。また、専門の材料工学の面から仏像の材質と製作法に興味が湧く。結果として、古都奈良への憧れは募るばかり。寺尾勇著の写真集「飛鳥彫刻細見」(奈良美術研究所(1950))を手に入れる。大和の国で、横の姿の美しい法隆寺百済観音立像(木彫)、微笑みの中宮寺菩薩半跏思惟坐像(木彫)、運慶・快慶の代表作の東大寺南大門仁王立像(木彫)、漆黒の肌の薬師寺薬師如来坐像と日光・月光菩薩立像の三尊像(青銅)に会いたいと思った。
  同志は現れず、一人旅のスタートは大晦日。当時は、戸塚に有料高速道(通称、ワンマン道路)はあるが、東海道(国道1号線)には未舗装部分が残っていた。東大寺、興福寺、唐招提寺、薬師寺へ。法隆寺から中宮寺、法輪寺と歩いて回る。戻ると私の単車をライダー達が囲んでいる。府県名なしの数字5桁だけの東京ナンバーが珍しかったのである。
 法起寺から西大寺へ。秋篠寺では、今にも歌い出しそうな技芸天立像(乾漆と木造)に会うことが出来た。光明皇后ゆかりの尼寺、法華寺では、端正なお顔の十一面観音菩薩立像(木彫)に出会えた。庫裏で声を掛けて程なく出てきたのは清楚な感じの尼さんである。拝観の後、掘り炬燵のある部屋に通され、「お正月のお寺参りとは、お若いのにご信心深いことです」と褒められ、お茶お菓子をご馳走になった。真っ黒の煤けた顔、白い埃だらけの服のままである。「拝観料は」「お志で結構です」と言われ戸惑ったことを思い出す。
  先の「日本の彫刻」には、高知の6寺19点が記載され、今回はその中の3点を見ることが出来る。運慶の長子湛慶作の雪渓寺毘沙門天立像(木彫、写真展示)と茶目っ気たっぷりな善賦師童子立像(木彫)の2点と安田町北寺薬師如来座像(木彫)である。
 そして「土佐の秘仏をめぐる見学会」にも参加できた。青木淳先生を始めとする調査に努力された多くの方々と、そして高知市安楽寺阿弥陀如来坐像(木彫)、高知市円行寺日吉神社薬師堂薬師如来坐像、芸西村瓜生谷観音堂十一面観音立像(木彫)、安芸市妙山寺聖観音立像(木彫)など多くの仏たちに会うことが出来た。また、鎌倉時代の土佐に、寺院を造営し、これだけの仏像を発注し得る政治力と経済力が存在していたことに驚かされた。幾多の試練の中で地域の人々が仏さまを守り続けた歴史の重みを感じた。ここに地方の時代を生きるヒントが隠れているように思える。また、貴重な文化遺産を県民みんなで守り、後世に伝える必要がある。そのために「地方仏研究会友の会」が発足したことは喜ばしい。
                (情報プラットフォーム、No.255、12(2008)に掲載)


         
3)塩の道は丹生(韮生)の道では?  

                                  
  文代峠から赤岡までの塩の道の下半分を「塩を運んだ後、帰り荷がない筈がない。何だろうか。」と思いながら歩いた。大栃の塩峰公士方(しおがみねくじかた)神社から文代峠までの上半分も別な機会に歩いているので、塩の道を全部歩いたことになる。塩の道は急流の物部川に沿って下るのではなく、それと平行する支流の谷(庄谷相)に入り、文代峠を経て、香宋川や山北川沿いを選びながら、野市町・香我美町を通り、赤岡へと下る道である。全長の合計は30kmになる。朝、赤岡を出発し、午後には大栃に到着することになる。馬の背に乗せての運搬であり、随所に馬頭観音が祭られている。
 統計によれば、現在の物流のトラック輸送の積載率は50%前後である。帰り荷がないのと同じである。エネルギーと時間の無駄使いである。帰り荷は「木炭ですよ」、「雁皮ではないですか」、「樟脳でしょう」などとアドバイスを頂くが、どれも納得がいかない。
  そんな時に、赤岡の絵金蔵で出会ったあの芝居絵の鮮烈な赤の色(朱・丹)を思い出していた。あの色が出せる赤色顔料は鉄の酸化物(ベンガラ)や鉛の酸化物(鉛丹)ではない。水銀の硫化物、辰砂ではないだろうかと思った。「昔、物部川流域に水銀鉱山があったのでは?」と会う人ごとに聞いた。遂に有力な情報が寄せられた。白髪山を源流とし、西南に流れ下る物部川の上流では、北寄りの上韮生川、南寄りの槇山川が大栃でY字で合流する。鉱山があった場所は上韮生川の右岸に北から合流する安野尾川の上流とのことである。「鉱山跡をご案内しましょう。」と言って下さるが、強行軍ではと少し不安である。
 徳島に向かう国道195号線は、物部川中流から槇山川沿いにほぼ直線であり、南側の四万十帯と北側の秩父帯を分ける仏像構造線と一致している。秩父帯と北の三波川帯を分けるのは御荷鉾構造線、三波川帯の北は吉野川や紀ノ川に一致する中央構造線である。水銀鉱山の分布を見ると、丹生鉱山(三重県多気町)、大和鉱山(奈良県宇陀市)、由岐・水井鉱山(徳島県阿南市)、韮生鉱山(高知県香美市物部)、穴内鉱山(高知県香美市)、日吉鉱山(愛媛県鬼北町)と中央構造線に平行であり、秩父帯に乗っていることが分かる。さらに、これに併せて「丹生」、「丹生川」、「丹生神社」のような名称が分布している。なお、「丹生川」の代表は、空海にゆかりの高野山の北を流れる紀ノ川の支流である。
  水銀の硫化物(HgS)、辰砂は朱色であり、絵金の色である。辰朱、丹砂とも呼ばれている。これを空気中で400~500℃に加熱すると、硫黄と酸素が結合し、水銀が蒸気となって分離する。水銀は他の金属を溶かしてアマルガム(液体の合金)を作るが、加熱すれば水銀だけが蒸発して、金属が固体として残る。この性質を利用して金や銀を精製することが出来るし、これを塗布して金メッキを施すことも出来る。奈良の大仏の鋳造に使われた銅は500tonであり、メッキとして必要な金は440kg、水銀は2.5tonと記されている。  
  空海は、錫杖で湧き水を呼び込み、独鈷で岩を砕いていた様に思える。旅の目的の一つは地勢・地質の調査にあり、弘法大師は山師だったと言っても良い程の地質学の知識を持っていたと思われる。この物部の道は、塩の道と言うよりも、黄金を越える価値を運ぶ「辰砂の道」であり、むしろ「塩」・「塩魚」・「干物」が帰り荷だった可能性が高いことになる。そして、「韮生(にろう)」は「丹生(にゅう)」の転訛だったのかも知れない。積出し港と思われる「赤岡」の地名もそれらしく感じられるから不思議である。
                (情報プラットフォーム、No.279、12(2010)に掲載)

 

4)なぜ四国に関東の三波川があるのか   

                
 山田から、国道195号線と土讃線を陸橋で越える農免道路を南へ、なはり線の高架が近づくと道路左側に、中国四国農政局 高知三波川帯農地保全事業所の立て札がある。登山で秩父山地を何度も訪れたことがあり、御荷鉾(みかぼ)山、三波川などの地名は記憶に残っている。だから「四国には別な三波川があるのだろうか」と不思議に思えたのである。
  三波川は、秩父の利根川支流の名称であり、また集落の名前でもあること、同じ地質が四国にも続いていること、崩壊を起こしやすい地層であること、そのための農地保全の対策が必要なことが分かってきた。折しも、「室戸ジオパーク」の活動が報道され、「仁淀川・四国カルストジオパーク」に特別の関心を持ち、活動に関わるようになってきた。
 地質学を取り付き難くしているのは専門用語である。地域の地名の付いた地層を示す術語、地質時代を示す術語、岩石の名称の術語、そして生成過程を表す術語は馴染が薄くなっている。四国を事例とすれば、地層が東西に帯状であること、身近な地名が多いことなど近付きやすいと考えた。図1を参照して欲しい。

図1  東西に平行な四国の地層(変成帯と構造線)

     ------------瀬戸内海-------------
           ------ 領家変成帯 ------                  
-(砥部)-(西條市)--中央構造線--(三好市太刀野)-(松坂市月出)-(長野県大鹿村)
          ------三波川変成帯------
-(八幡浜)---(池川)--御荷鉾構造線(御荷鉾緑色岩類)--(大杉)--(剣山)-
秩          -------秩父北帯-------
父 --(西予市城川)-(横倉山)--黒瀬川帯--(高知市円行寺)-(阿南市加茂谷)--
帯           -------三宝山帯-------
---(宇和島)--(土佐市仏像)--仏像構造線---(物部川南岸)--(橘湾)---
四         ------四万十帯 北帯-----
万 (宿毛市)-中筋構造線-(四万十市)-|  |-(魚梁瀬)-安芸構造線-(牟岐)
十     ---四万十帯 南帯---|        |---四万十帯 南帯---
帯        ------------太平洋(土佐湾)--------------
             -----南海付加体-----
        ---------南海トラフ---------

----


 領家は静岡県天竜川の支流水窪(みさくぼ)川沿いの奥領家による。黒瀬川は愛媛県西予市城川町(旧黒瀬川村)を流れている。三宝山は龍河洞スカイラインの南端にある。仏像構造線は土佐市仏像に由来する。四万十帯は四万十川であり、中筋は宿毛市、安芸は安芸市である。北部には関東地方の地名、南には四国の地名が使われているのは興味深い。
  御荷鉾構造線は「線」と言うよりは緑色岩類(帯)としてレンズ状に幅を持つ部分がある。一方で、黒瀬川帯は「帯」としては幅が狭く、秩父北帯と三宝山帯を分ける境界線的性格がある。両者とも地質図上では断続的である。フィリピン海プレートが沈み込む南海トラフでは、プレート上の堆積物が皺寄せのように重なり南海付加体を作っている。この付加体には、メタンハイドレート、泥火山、熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラストなど鉱物資源が大量に眠っている。しかも土佐湾沖なのである。眠りから覚めるときは何時?
               (情報プラットフォーム、No.283、4(2011)に掲載予定)

 

豊かな土佐を取り戻すには ~メタンハイドレートの可能性~(その2)

 

 


豊かな土佐を取り戻すには ~メタンハイドレートの可能性~(その2)

2011-03-03 | 講演などの資料

豊かな土佐を取り戻すには ~メタンハイドレートの可能性~(その1)

平成22年度講演・祝賀・懇親会((財)高知県技術者協会)、H22,12,14、於;高知商工会館


豊かな土佐を取り戻すには                          

           ~メタンハイドレートの可能性~   

                                                                           鈴木 朝夫 (高知工科大・東工大名誉教授)

5)活力は土佐沖の海底より出づ  

                                  
  楽しい夢を見た。高知から元気と活気を送り出すのである。鉱物資源に恵まれた「黄金の国、ジパング」復活の夢である。深海海底下400mに眠っている膨大な資源、メタンハイドレートの掘削技術の発明が夢の始まりである。
 ある日、県内企業のZさんから「この特許出願書を見てくれんろうか。」と相談を受けた。メタンハイドレートからメタンを取り出すことの難しさを多少は知っていたが、従来の「加熱法(温水圧入)」、「加熱法(抗井加熱)」、「減圧法」、「分解促進剤注入法」のどれとも異なっていた。命名すれば「加熱法(掘削先端加熱)」である。「優れた特許だからといって、それが直ちに事業に結び付くとは限りませんよ。」と説明した。
 気体包接水和化合物と言われるように、5.75個の水分子が作るカゴ構造の中に、1個のメタン分子が収まっており、これが立体的に連続して、規則正しい結晶構造を作っている。高圧・低温の安定領域は、例えば{1気圧,-80℃}、{10気圧,-30℃}、{50気圧, 6℃}である。常温・常圧下でも表面が薄い氷で保護されるために比較的安定で、急に燃え出さず、天然ガスのように自噴することもない。この性質が困難を作り出している。何れの掘削法も、メタンを分離した途端に水分が凍結し、排出管を閉塞させるのである。
  「わしの掘削先端加熱法は、酸素だけを供給して、メタンを局所燃焼させる『その場加熱法』ながじゃ。メタンを効率よく取り出いて、分離してくる水も、堆積汚泥もその場に残しちょく。地上や海底に汚泥を出さんようにし、環境汚染がないがよ。」とZさんは説明する。「加熱範囲が際限なく広がらない局所的な加熱法で、メタンを取出すに必要な最小限のエネルギーで済むのですね。」、「そうじゃ!!」と会話が弾んだ。
  「工事が目的の事業と批判された高知新港(FAZ)やが、今となっては先見の明のある先行投資ちゅうことや。」、「2006年1月に、地球深部探査船「ちきゅう」がFAZに寄港し、一般公開があったときは興奮しました。海洋コア総合研究センターを高知大学に誘致できたのもFAZがあるからこそですね。」、「高知龍馬空港も2500mになっちゅう。高速道から伸びる高規格道が、FAZを、空港を結んでくれるし。」と夢を膨らませた。
 南国市・高知市を中心とする香長平野は、平坦な広い土地を確保し易く、上記のように交通の要に位置しており、研究支援設備などの立地に最適である。試験掘削、実証試験は勿論、実用操業でもFAZは様々な役割を担うことが出来る。
  メタンハイドレートは高知県沖の南海トラフなどに大量に存在し、その賦存量は日本の天然ガス消費量の約100年分に相当すると言われている。温室効果ガスとしての危険性が指摘されているが、海底の泥火山からは常にメタンが放出されており、心配は無用と分かっている。メタンはCO2の発生量が少なく、環境の視点からも理想的である。
  「東京のY特許事務所のXさんから、今がチャンスやきと、国が公募している政策提言の申請用書式を送って呉れちゅう。どういても、東京での打ち合わせに同行してくれんかよ。」、「高知の立地条件を拠り所に、発明が高知から出ていることを強調して、高知に拠点を置くような構想ですね。」、「統括責任者を誰に頼もうか?」、「高知に縁があり、海底探査の実績を持つWさんしか居ませんよ。」、「最適任やか。」と二人の意見が一致した。年頭に当たり、一富士(無事)、二鷹(高)、三茄子(成す)の初夢を披露させて頂いた。
                (情報プラットフォーム、No.280、1(2011)に掲載)


                                                                
6)国際戦略特区への申請書概要


 特許が認可される日が迫ってくるにつれて、どのように活用するかが直近の課題になる。個人レベルではなく、国家戦略に関わる問題だからである。出願人が所属する21世紀構想研究会でも大きな関心を示していた。そのような折に、総合特区制度が創設されたことを知り、早速、申請書作成へと始動を開始したのである。テーマを「メタンハイドレート実用化研究から資源大国へ」とした。以下に申請書の記載事項を要約する。
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* 関連する分野: 近未来エネルギー、
* 目指す地域の方向性:高知県沖の南海トラフの鉱物資源
* 日本経済への寄与:資源大国の復活
* 当該地域で実施する必然性:資源は高知県沖、インフラの充実(高知新港FAZ、2500m 滑走路の高知空港、高速道・高規格道など)、優れた掘削システムの特許の出願者、
 高知海洋コアセンターの存在
* 実施主体:21世紀構想研究会(理事長は馬場錬成)を「統括責任」の機関とし、メタ ンハイドレート実用化研究委員会(委員長は平朝彦)とする。
 必要な取組と事業のために、MH国際戦略部会」、「MH技術専門部会」、および「高  知県MH実用化委員会」を置く
* 特許の掘削法:キーワード表現をすれば、「加熱法(掘削先端加熱)
* 総合的な要望事項と提案
 申請書の中で、
 「本提案は『総合特区制度』の提案募集の政策や意図に馴染まない面があるかも知れない。しかし、制度の基本的趣旨から見れば、日本の基本的なエネルギー政策に大きく係わるものであることは間違いない。この意味でこの制度の中で『国際戦略総合特区』のカテゴリーで提案をすることにした。従って、個々の『取組に必要な特例措置・支援措置』の欄には、記述をキーワードに留め、具体的な特例措置は述べていない。下記の要望を、大所高所から視点でのご判断をお願いする次第である。」とし、
 ①規制上、②税制上、③財政上、④金融上の支援措置に具体の記入はしていない。この制度上での運用と言うよりは、国としての本格的な戦略に取り組むべきと促している内容でもある。
 その事例として、
 「イギリスは北海油田の発見でエネルギーに余裕が出来、1994年に20年の運転経験のある高速増殖炉を廃止した。またこの石油が対外貿易に大きく貢献してきた。現在のイギリスのエネルギー政策の基礎となっているのは、2003年に出されたエネルギー白書である。白書には『低炭素経済の創造』をテーマにしており、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の削減に主眼を置いている。1970~1980年代の英国におけるポンド急落時のサッチャー政権を支えたのは北海油田の採掘開始である。」と申請書には記してある。


           
7) 計画の熟度向上には


  どのような形でこのプロジェクトが進むか、現時点では分からないが高知県域を巻き込む動きが必然であることは間違いない。逆に巻き込まなければならない。今高知県の取り組むべきことは以下のようである。、
・国際的戦略を基礎に置き、開発計画を練るための国民的コンセンサスを得るための協力。
・高い視点、大きな視野での提案と発想、総力戦の体制作り、心配りと面子に拘らない。
・国・県・市町村(行政、議会、県民、企業)の連携強化、技術・研究部門の協調。
・国家戦略、地球環境、金融・経済、教育・啓蒙の観点で。広報活動、情報公開。
・地域の活性化を含め、国民的意識を高める。

 

8)メタンハイドレート回収の技術的解決策について 

      
 この特許は、掘削先端・その場局所燃焼加熱・超臨界水循環・減圧・押上圧送方式と呼べる。その構造は、図2に示すようである。

図2 メタンハイドレート分解・回収装置
  地上から、空気(酸素)、可燃ガス(スタート時)、水、そして制御信号、 
    地上へは、回収メタンガス、燃焼排気ガス。
  掘削先端のメタンハイドレート分解装置は
  (ガスタービン発電装置)で電力をその場供給、
    (熱エネルギー発生装置)はヒーター熱による蒸気発生、
                              高周波加熱による過蒸気生成・超臨界水発生
                              その他、衝撃波発生によるMH破砕などの電源に。

            

超臨界水状態で高速循環させることで減圧部分と高圧部分が発生する。メタンハイドレートを効率よく汲み上げ、分離した堆積粒子汚泥も水も現場に残留させて、取り出さない方式であり、地上へはもちろんのこと、海底にも堆積粒子汚泥を持ち出さないことで、環境汚染を引き起こさないことが大きな利点である。このことは必然的に、取り出すに必要なエネルギーが小さく、生産される正味のネットエネルギーが大きいことにつながってくる。4)項の「活力は土佐沖の海底より出づ」で既に述べている。(記:杉本昭寿、特許出願人)

 

9)おわりに


 宇宙材料実験の提案・実施(ふわっと'92、1992)、高知工科大学の創設(1996)、高知県産業振興センターでの地域振興・地域貢献(2000~2007)の仕事をしてきた筆者が、いまメタンハイドレートに関わろうとしている。宙・空(宇宙開発研究)から、地(地域活性化)へ、そして海・海底(メタンハイドレート掘削)へと向かっている。不思議な因縁を感じる。不安定な政治情勢であるが挙党態勢が必要、いごっそうな高知県人であるが故に一致協力が不可欠、官民一体の協力態勢が条件である。一元化で進みたい。そして、心の豊かさを取り戻し、後世に残せるような文化遺産を創り出して行きたいものである。
 参考)引用した「情報プラットフォーム」のコラム、内閣府へ提出の総合特区申請書全文などは「高知ファンクラブ」から閲覧できる。

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補遺)


* 総合特区制度とは
 「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ~」(H22.6.18閣議決定)に基づき、地域の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国の施策の「選択と集中」の観点を最大限に活かし、規制の特例措置や税制・財政・金融上の支援措置等をパッケージ化して実施する「総合特区制度」が創設された。これは「地域活性化総合特区」と「国際戦略総合特区」に分けられる。

* 特定非営利法人21世紀構想研究会とは
 知的基盤の強固な研究現場と産業振興の技術革新を実現し、真の科学技術創造立国を確立するため、適宜、研究テーマを掲げて討論する場として、21世紀構想研究会はスタートし、研究会で得られた成果を社会に訴えて啓発をはかりながら、国の政策にも結びつくように活動することを目的としている。「生命科学」「産業技術・知的財産」「教育」の各委員会がある。研究会の会員は、主としてベンチャー企業、行政官庁、大学、マスコミの4極から参加し、毎月、活発な議論を展開している。

* 馬場錬成氏
  読売新聞社で科学部記者などを務め、2000年まで論説委員。退社後 科学ジャーナリスト。2005年より東京理科大学 専門職大学院 総合科学技術経営研究科教授(ベンチャー知財戦略・科学技術政策論)。

* 平朝彦氏
 東北大学 理学部卒業。テキサス大学大学院 博士課程修了。高知大学理学部助教授、東京大学 海洋研究所教授を経て、独立行政法人 海洋研究開発機構 地球深部探査センター初代センター長。


会誌投稿時点での追記)


 今回の講演に際して、このテーマを選んだ時点では、植木枝盛の言葉を援用した「活力は土佐沖の海底より出づ」の初夢の話で終わる筈だった。申請書を内閣府に提出したのが9月20日である。この講演の後半に申請書の骨子を追加した。12月4日に第2回メタンハイドレート実用化研究委員会を開き、平朝彦委員長の講演に続いて、増田昌敬准教授の「減圧法」による採掘の状況を伺った。なお、増田先生は、東京大学大学院 工学研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター准教授であり、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムのリーダーを務めている。

 その後、次々と新しい局面の展開があり情勢が変化しつつある。簡単に経過報告をしておく。12月23日には高知の城西館に於いて勉強会を開いた。翌日、尾崎知事を訪問して概要の説明をした。年が明けて、特許の出願人が経済産業局長宛の高知県沖の数カ所の試掘権の設定願が1月31日付けで受理された。これは大きな意味を持つと云える。2月18日に馬場理事長、平委員長らが内閣官房地域活性化統合事務局を訪問し、次いで資源エネルギー庁に担当課長を訪問し、国の方針の相談を受けた。国家プロジェクトとして受け取る態勢が進むことに決まったと思われる。「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」がカナダでの試掘を終えて、フェーズ2に移ろうとしている。この国家プロジェクトとの一体化に進む可能性が高いと想像される。

 高知県としては、日本を資源大国にすると共に、国家プロジェクトの拠点を高知県にの思いで「NPO高知県メタンハイドレート開発研究会」の立ち上げを官民挙げて準備中である。5月中旬には発足するべく努力中である。会誌が印刷発行される時点では新たな進展があるだろう。"初夢が現実に"を期待したい。 

 

 

豊かな土佐を取り戻すには ~メタンハイドレートの可能性~(その1)